進歩的共和党の指名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 13:35 UTC 版)
「1872年アメリカ合衆国大統領選挙」の記事における「進歩的共和党の指名」の解説
共和党反体制派の影響力有る集団が党を離れ、進歩的共和党を結党した。この党の唯一の全国党員集会はシンシナティで開催され、「ニューヨーク・トリビューン」の編集者ホレス・グリーリーが、6回目の投票でチャールズ・フランシス・アダムズを破り、大統領候補者に指名された。ミズーリ州知事ベンジャミン・グラッツ・ブラウンが2回目の投票で副大統領候補に指名された。進歩的共和党の綱領は、南北戦争とレコンストラクションの憎しみを終わらせ(第2章と第3章)、汚職を防止するために公務員改革を要求し(第5章)、また関税問題を防ぐこと(第6章)だった。 我々、アメリカ合衆国進歩的民主党は、シンシナティにおける全国党員集会で、まさに政府に基本的なものとして以下の原則を宣言する。第1章:我々は法律の前にあらゆる人の平等を認識し、民族、人種、肌の色、あるいは信教または政治の信条に拠らずあらゆる者に平等と正確な公平さを分け与えるために人民と対するのが政府の義務であると信じる。 第2章:我々はこの国の団結、奴隷の解放、公民権の付与を維持することと、またアメリカ合衆国憲法修正第13条、第14条、および第15条で収められた問題を再開するものに反対することを自ら誓う。 第3章:我々は、最終的に7年前に征服された反逆者という理由で課されるあらゆる権利制限を即刻絶対的に取り去ることを要求する。普遍的に許し合うことがこの国のあらゆる地域の完全な和平に結実するものと信じる。 第4章:地方自治政府は、偏らない選挙権付与によって、如何なる中央集権化された力よりも確実に全ての人民の権利を守ることになる。公共の福祉は軍事的権威よりも文民が優越することを要求し、人身保護令状の下での人民の自由を要求する。我々は個々人に公的な秩序に従った最大の自由を要求する。州、自治政府および国には、平和の手段に対する報酬と憲法に規定される権力の制限を要求する。 第5章:政府の公務員は単に党派的専政の道具、個人的な望みおよび利己的欲望の対象となってきた。それは自由な制度の上の醜聞であり恥辱であり、共和制の永続を脅かす士気喪失を育んでいる。それ故に我々は公務員の完全な改革を最も喫緊の課題と見なす。正直、能力および忠誠が公職に要求される唯一有効なものとなる。政府の役職は後援組織の問題であることを止め、公職は再び栄誉ある地位になることを要求する。この目的のために、いかなる大統領も再選されてはならないと威厳を持って要求する。 第6章:我々は連邦の税制が不必要に人民の産業に干渉しないことを要求し、政府が経済的に管理した年金、公債の利子費用を払うために必要な手段を備え、またそれらの元本を毎年すこしずつ減らしていくことを要求する。また、我々の心に正直さがあるが、自由貿易の保護の仕組みについては相容れない意見の違いが有ることを認識し、我々は議会選挙区の人々にこの問題の討議を付託し、行政官の干渉や指図の全くない状況で、それらに基づく議会での採決に付託する。 第7章:大衆の信頼は厳粛に維持されねばならず、如何なる形、見せかけにおいても債務の履行拒否を非難する。 第8章:商業道徳と正直な政府を高度に考慮することにより正貨支払に対する速やかな復帰を要求する。 第9章:我々は共和国の兵士と水兵の英雄的姿と犠牲を感謝の念で記憶する。また我々の如何なる行動も彼らの愛国心の公正に得た名声あるいは完全な報酬を減ずるべきではないと記憶する。 第10章:我々は今後鉄道あるいは他の会社に対するあらゆる土地の付与に反対する。公有地は実際の開拓者に対して聖域とされるべきである。 第11章:我々は諸外国と付き合い、平和的な関係を培うことが政府の義務であると信じる。全ての国を公正にまた平等な条件で扱い、正しくないことを要求したり、不正に屈服することは恥辱と見なす。 第12章:これら重大な原則の促進と成就のために、またこの集会で指名される候補者への支持を得るために、われわれは過去の経歴に関係なくあらゆる愛国者市民の協力を奨励し心より歓迎する。
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