近世以降の大乗非仏説論とは? わかりやすく解説

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近世以降の大乗非仏説論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:23 UTC 版)

大乗非仏説」の記事における「近世以降の大乗非仏説論」の解説

近世以降の「大乗非仏説」説では、文献学考証土台とし、仏教時代とともにさまざまな思想との格闘交流経て思索深化し発展してきたことを、「実際存在する伝わった経典証拠に、事実として示す」のが特徴である。 日本では仏教江戸時代寺請け制度権力一翼担い堕落していた幕末において、仏教批判的な思想家等によって展開された。江戸時代には富永仲基が、経典全て釈迦一代において説かれたのではなく歴史的進展伴って興った異な思想学説が、それ以前のものの上付加されていった(異部加上)と主張し釈迦金口直説思われるものは原始経典阿含経)の一部であるとした。その影響受けた儒学者服部天游も、同様の観点から大乗非仏説唱えた19世紀仏教西洋に伝わると、西洋ではアジア人よりも西洋人のほうがブッダをよく把握しているという自負もあって、チベット語仏典漢訳仏典まがい物であり上座部経典パーリ仏典最勝(その次がサンスクリット仏典)であるという評価がされた。 明治以降ヨーロッパ近代的な学問研究方法日本取り入れられ原典研究盛んになるに従って改め大乗非仏説の論が起こり仏教学者である姉崎正治が『仏教聖典史論』(1899年)や『現身仏法身仏』(1904年)、『根本佛教』(1910年)を、村上専精が『仏教統一論』(19011905年)や『大乗仏説批判』(1903年)を著している。また、大乗仏教学僧である前田慧雲が『大乗仏教史論』(1903年)を、友松円諦が『阿含経』(1921年)を、赤沼智善が『阿含仏教』(1921年)や『根本仏教精神』(1923年)を著している。 結果学界で大乗仏教前1世紀以降から作成されたものであるとの結論から、大乗非仏説近代的学問から裏付けられているとされる至った文献学研究の結果では、時代区分として、初期仏教原始仏教)の中の仏典阿含経典』、特に相応部サンユッタ・ニカーヤ)などに最初期の教え釈迦に一番近い教え)が含まれていることがほぼ定説になっており、少なくとも「大乗仏典を、歴史上釈尊説法した」という文献学者はいない。 増谷文雄はこうした学問的な成果をもって第2回仏教の伝来」とした上で、「阿含経典こそが根本聖典」と述べている。 中村元三枝充悳共著『バウッダ―仏教』(1987年)もまたそうした学問的立場表明している。ただし2人は「現存の『阿含経』は釈尊教え原型どおりに記しているのでは、決してない」つまり阿含経典でさえも釈迦の「.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}金口直説こんくじきせつ)」ではない、と釘を刺している。

※この「近世以降の大乗非仏説論」の解説は、「大乗非仏説」の解説の一部です。
「近世以降の大乗非仏説論」を含む「大乗非仏説」の記事については、「大乗非仏説」の概要を参照ください。

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