原始仏教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 19:48 UTC 版)
仏教では肉食を「にくじき」と読む。原始仏教では、比丘(僧侶)は糧(かて)をその日ごとで乞食(こつじき)することにより食を得、与えられた余り物の食べ物に肉が入っていようがなかろうが差別なく食べることになっていた。 南伝(上座部仏教のパーリ経典)および北伝(大乗仏教)のなかでも古い経典においては、釈迦その人が肉食をしたこと、釈迦の最後の食事は豚肉料理であったと記されている(肉食を否定する大乗仏教においては豚の好むキノコを使った料理とされている)。さらに、釈迦仏の弟子であったデーヴァダッタ(提婆達多)が違背した原因は、デーヴァダッタが菜食主義を戒律に含める主張を釈迦が明確に否定したからであると記されている。 生き物の殺生を禁止する仏教において肉食が禁止されていない事は矛盾であるとように思われるが、これは当時の肉食に関する宗教論争と関係する。仏教の起こった当時のインドにおいては仏教だけでなくジャイナ教などの多くの宗派がアヒンサー(不殺生)を標榜していた。特にジャイナ教においては畑を耕すことによって虫が殺されることなどを指摘し、肉食する、しないにかかわらず生存する限り間接殺を免れぬことを理由に、無食による自殺を最上の行とした。これに対して仏教は間接殺を理論的に突き詰めることの限界を理由に中道を掲げ実際に生き物を殺す直接殺のみを明確に禁じ、間接殺においてはあくまでも貰い物の肉が、殺す所を見なかった肉、供養のために殺されたと聞かなかった肉、自分の為に殺された疑いの無い肉という「三種浄肉」であれば食しても問題はないとされた。さらにここで重要なのは古代仏教において比丘はあくまでも家庭の余った食事を物乞いすることによってのみ食を得るため、肉食=肉の購買による間接殺という矛盾が成り立たないことにある。
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