原始仏典に見られる逸話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 05:56 UTC 版)
『クッダカニカーヤ』(Khuddhaka Nikaya)の「長老尼の譬喩」(Theri Apadana)の第22章「キサーゴータミーの譬喩」(Kisagotami apadanau)には、釈迦が、我が子を亡くしたキサーゴータミーという女性に対して、「死者を出したことの無い家からカラシの種をもらってきたら、その子が生き返る薬を作ってあげよう」と言う場面がある。キサーゴータミーは家々を回り、どの家にも生老病死というものがあることを知って、釈迦の弟子となった。 『マッジマニカーヤ』(Majjhima Nikaya)の第86経「アングリマーラ経」(Angulimala Sutta)には、難産で苦しむ妊婦を勇気づけるために、釈迦が、出家以前は殺人鬼であった弟子アングリマーラに対して、「女人よ、私は、聖なる生を得てからこのかた、故意に生きるものの生命を奪ったという覚えがない。その真実によって、あなたに安らぎが、胎児に安らぎがあるように」と言うように命じる場面がある。妊婦はその言葉を聞いて苦痛を和らげることができた。
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