軍法会議とは? わかりやすく解説

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【軍法会議】(ぐんぽうかいぎ)

軍人軍属関与した犯罪を扱う裁判。およびその裁判執り行うために配置され人員
大別して以下の2種類分けられる

常設軍法会議

基本的に憲兵組織隷下置かれ憲兵扱った事件担当する裁判所
国内法則って通常の裁判執行するもので、特殊な法律適用されるわけではない
審理裁決通常通り公開され被告人にも弁護士を呼ぶ権利がある。

ただし、以下の点で通常の裁判所異なる。

軍法会議の問題点

前述のような特性を持つ関係上、審理裁決公平性には多大な疑問余地がある。
軍隊そのもの維持管理法律上正当性より優先されるため、判決不公平になるのは構造避けられない
一例として、以下のような構造的歪み指摘されている。

ドイツなどいくつかの国家ではこれらの不公正性が重大な問題とされ、軍法会議の制度廃止された。
そうした国家では、一般裁判所が「軍刑法」に基づいて軍事的案件処理するものと定めるのが一般的である。

ドイツでは、これに加えて兵士不当な圧力から保護する制度整備されている。
イジメパワー・ハラスメントなどに対す法的な告発を行う権利が、階級問わず全ての兵士与えられている。

特設軍法会議

戦時招集され利敵行為敵前逃亡命令不服従など軍事的案件のみを扱う裁判
基本的に尉官上の軍人将校士官)を3人集めればいつでもどこでも開催する事ができ、通常の法よりも戦時法が優先される
つまり、戦時中軍隊が敵を射殺する事が許されるのと同じ理由から、容疑者をほぼ即時射殺する事も許される

こうした極度に簡易恣意的な裁判制度成り立つのは、まさしくそのような裁判制度が必要とされるためである。
有事において決断の遅れは将兵死に繋がるため、敵を殺害する決断に際して煩雑な手続き要求するべきではない。
そして利敵行為命令不服従を行う者は敵であるから、これを射殺する決断迅速に行われる必要がある
そうした決断間違いである可能性は非常に高いが、どんな頓珍漢命令であろう緊急時沈黙よりは望ましい。

とはいえこうした制度が「虐殺行為」を正当化するための言い訳利用される事は否めない
ただ、「特設軍法会議で下した決断が妥当であったかどうか」もそれ自体で軍法会議の対象なり得る案件である。
戦場での残虐行為はしばし許容されるが、決して「常に」「無制限に許容されるわけでもない

自衛隊の場合

現在の日本国憲法は「特別裁判所」の設置禁じており、このため自衛隊は軍法会議を設置していない。
自衛官その他の防衛省職員背広組)が関与した軍事的案件に対して一般刑法適用され刑事訴訟法則って処理される

この事から、「有事敵前逃亡命令不服従を正当に裁く事ができない」として憲法の改正求める声も一部にある。
一方で終審さえ最高裁判所管理であれば良いので、自衛隊内に裁判所設置する事は合憲である」と解釈する事も可能ではある。
ただし、日本国内事実上の軍法会議を設置する事は合憲か否か、という点について参考にできる判例はない。





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