超時空戦闘機ビックバイパー誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 07:14 UTC 版)
「ビックバイパー開発史」の記事における「超時空戦闘機ビックバイパー誕生」の解説
ダークバイパーE・Mk1試作機が次期主力戦闘機の有力候補となるや、ガイカニクス・ファイアー・アームズ社は自社の基幹技術である「ウィザーク」を小型軽量化して搭載することをクーディック・ランサー・アンド・シールズ社に提案した。同時にグラディウス宇宙防衛省の兵器開発部門が試作したリークエンジンユニット「スターダム4000」に予想外の将来性があることが判明し、これを戦闘機用に小型化して搭載する提案が出された。これにより兵装関係はガイカニクス・ファイアー・アームズ社が担当し、出力関係はグラディウス宇宙防衛省が担当。クーディック・ランサー・アンド・シールズ社が製作した試作二号機「ダーク・バイパーF・Mk2」はこの二大技術を獲得し、量産検討試作機「スター・バイパーAX・Mk1」に発展、3機製作された。このスター・バイパーAX・Mk1こそ、後のバイパーシリーズの基点となった機体なのである。 リークエンジンユニット「スターダム4000」パワーユニットシリーズは以前から理論的に確立されていたものであり、惑星グラディウスの少数民族である「リーク人」の持つ特性である「リークパワー」を宇宙船の推進機能とリンクするものである。研究によればリーク人は有史以前、惑星グラディウスに飛来した宇宙適応種ではないかと言われている。メインエンジンとなる「限定誘導対消滅炉」は宇宙戦闘機用として作られた反物質エンジンで、その外周はリークパワー干渉帯で覆われている。出力を最大にまで上げれば従来の最大出力の3,4倍の推力が得られ、しかもその制御はエンジンに搭載されている制御装置ではなくリークパワー内の「空間認知・操作能力」によって行われる。だが、このシステムは全てのリーク人に適応できるものではなく、能力開発、おそらく訓練によって発現する特性がある。 量産検討試作6号機「バイパーTX・006」は全長27mもあったスターバイパーの小型化に成功。グラディウス宇宙防衛省の全面支援のもと、奇跡的に無傷で捕獲したバクテリアンの戦闘機(ニックネーム:バタフライ)を相手に連日模擬戦闘が繰り返されていた。グラディウス宇宙軍最大の課題は、雲霞のように押し寄せ、波状攻撃によって制宙権を獲得するバクテリアン戦闘機編隊の独特なアタックフォーメーションに対抗する有効な迎撃計画の構築と、それを可能にする索敵および照準シーケンスの確立にあった。常に高速移動する多数のターゲットを一度にロックオンし、そして同時に回避シーケンスにまで同調できる新しい射撃管制装置「ベーター」は、宇宙戦闘艦のレーザー測距儀のシェア100%を誇る電子機器メーカー「ドミニク・レア・ウォートーイズ社」が作り上げ、敵の航跡軌道をトレースできる「ドップラー・リアクティブ・レーダー」と、画期的な演算処理能力を持った未来位置算出装置「ジーク」との組み合わせにより、バクテリアン戦闘機編隊のアタックフォーメーションに対抗できるようになった。 ところで空中戦において機関砲で敵機を撃墜する際、ヘッドトゥヘッドによる正面攻撃は別として、敵機の現在位置に発砲しても意味が無い。数秒後に敵が来る空域を予測し、そこへ向けて発砲するのだ。偏差射撃と呼ばれるこの攻撃方法は天才的な予測能力と勘が必要であり、誰でもできるとは限らなかった。しかし、「ベーター」「ジーク」「ドップラー・リアクティブ・レーダー」の組み合わせによって神業である偏差射撃が容易になった。こうして多数の最新技術がバイパーに集中していき、バイパーは完成に近づきつつあった。 残る課題はコックピットの住居性であった。第一戦闘速度が最低でも音速の100倍を超えるため、有人宇宙戦闘機のコックピット内は想像を絶する加速・減速重圧、「G」がかかる。バイパーシリーズは、初期試作型においても機体構造強度は400Gの重圧にも耐えられるが、生身のパイロットにはとても耐えられるものではない。たとえ耐Gスーツを着用してもせいぜい10Gの重圧に耐えられる程度であった。そこで開発が急がれたのがG消去装置「Gイーター」である。初期の対Gチェンバーではパイロットは宇宙服よりも大掛かりな重装備を身に纏い、肺を液体で満たした上、重圧の変化に同調してゲル化するジェルをコックピット内に詰め込み、パイロットがそこに潜り込むという非常に煩雑な手段と、まともな操縦がままならないほどのパイロットへの負担をかける代物であったため、「防腐剤入りの棺桶」と揶揄されていた。そこで宇宙艦船用の艦橋にかかるGを軽減、消去する装置を流用し、それを宇宙戦闘機のコックピットのサイズまで小型軽量化する要求が宇宙防衛省から出され、この要求に応じた「バトル・オーダー・タムデスク社」と宇宙防衛省が共同開発し、画期的なG消去ディスク内蔵コックピット一体型「GイーターS101・スマートボート」を作り上げた。G吸収素子「フレディ」を盤面に固定、高速回転させることで発生する無限大に小さいフィールドが前方4?内のGを吸収、消去するシステムはバイパーシリーズで成功し、その後も他の戦闘機や攻撃機にも広く使用されることになり、パイロットも軽装備で搭乗することが可能となった。 全長21,66mまで切り詰めた機体は全てのバイパーシリーズの雛形となり、「Tシリーズ」と呼ばれた。量産型のT100シリーズ、攻撃機として発展したTA400シリーズ、迎撃に特化したTEシリーズ、偵察機型のTSシリーズ、兵装、機動力を強化したT300シリーズ、ウィングスパンを延長しウィザークの最終量産型Mk17を装備したバイパー後期量産型、最終量産型となったTTS41シリーズなど、派生機が誕生した。これによって機体設計はクーディック・ランサー・アンド・シールズ社、出力関係はグラディウス宇宙防衛省、兵装関係はガイカニクス・ファイアー・アームズ社、電装関係はドミニク・レア・ウォートーイズ社、コックピットは宇宙防衛省とバトル・オーダー・タムデクス社が担当し、官民一致協力して完成させたことになる。
※この「超時空戦闘機ビックバイパー誕生」の解説は、「ビックバイパー開発史」の解説の一部です。
「超時空戦闘機ビックバイパー誕生」を含む「ビックバイパー開発史」の記事については、「ビックバイパー開発史」の概要を参照ください。
- 超時空戦闘機ビックバイパー誕生のページへのリンク