議論史とは? わかりやすく解説

議論史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/04 09:24 UTC 版)

進化心理学」の記事における「議論史」の解説

人間心と行動の進化研究チャールズ・ダーウィン1871年著作人類の起源と性に関連した淘汰』まで遡ることができる。ダーウィンヒト感情道徳心自然選択などによって形作られたと論じたダーウィン影響受けたジョージ・ロマネス比較心理学創設しヒト動物連続性説いたアメリカでは同時期にウィリアム・ジェームズウィリアム・マクドゥーガルが「本能」の概念用いてヒト行動説明した。しかし彼らの機能主義的説明その後心理学ではあまり顧みられなかった。 19世紀末から20世紀初頭には、社会ダーウィニズム優生学政策への反発として心理学生物学的説明から切り離す試み進んだジョン・ワトソン行動主義立ち上げ、その視点バラス・スキナーによって強化された。社会学人類学ではフランツ・ボアズやその弟子たちによって生物学的説明顧みられなくなった1950年代にはノーム・チョムスキー生成文法提唱しスキナー批判した。エリック・レネバーグは単一汎用学習システム複雑な学習全てこなせるという仮定について疑問提示した。またアラン・チューリングらによって心の計算理論基盤築かれた。1960年代には初期動物行動学者本能概念復活させ、行動生得性強調した。しかしこの時代にはまだヒト行動生得性遺伝的基盤論じることはファシスト見なされる風潮があり、動物行動学視点から人間攻撃性論じたコンラート・ローレンツデズモンド・モリス批判浴びた。またその頃進化学者の視点一般的に種の保存であった。同じ頃W.D.ハミルトン血縁選択説提唱し進化遺伝子視点から捉える新しアプローチ発見したG.C.ウィリアムズ種の保存論を批判し、それが理論的に成り立たないことを指摘した。そして自然選択どのように働くかを厳密に考慮する適応主義アプローチ提唱したこの頃行われた進化的な視点他の分野への応用ジョン・ボウルビィ愛着理論ナポレオン・シャグノンヤノマミ族血縁性の研究などが挙げられる1970年代以降互恵的利他主義ESSといった理論提唱され自然選択どのように利他的行動血縁関係協力、つがい、採餌繁殖子育てなどの複雑な社会行動進化させたかを明らかにした。この分野には社会生物学あるいは行動生態学という呼称付けられたがE.O.ウィルソンリチャード・ドーキンス著作きっかけとして社会生物学論争起きる。この論争科学分野超え進化理論人間行動理解用いることに対して政治的倫理的社会的批判行われた1980年代ミシガン大学カリフォルニア大学社会生物学者から教育受けた心理学者人類学者らはこの新しフィールド進化心理学という名を付けたレダ・コスミデスジョン・トゥービージェローム・バーコウ1992年論文集『The Adapted Mind』を出版し進化心理学成立宣言した。 コスミデスらは進化心理学基盤となった分野次のように説明している。 認知革命人間の心が情報処理装置と見なせることを明らかにした 古人類学狩猟採集民研究霊長類学進歩は我々の祖先直面したであろう問題に関するデータ提供した 動物行動学言語学神経心理学は心が受動的に世界記録する空白の石版でないことを示した 進化生物学漠然とした種の利益論法否定し、より厳格な適応主義発展させた。

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議論史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/11 00:46 UTC 版)

本能」の記事における「議論史」の解説

動物行動学創始者コンラート・ローレンツニコ・ティンバーゲン動物行動生得性強調した。これは当時心理学動物学一部で力を持ってた行主義対す反発であった例えバラス・スキナー動物の脳には「報酬と罰によって強化される単一汎用学習プログラム」が作動しているだけだと仮定した初期動物行動学者生得性単なる現象としてではなく適応、すなわち進化的に形成され生存繁殖成功に役立つ能力考えた適応視点からは、動物生まれつき行動方向性持っている事は合理的に説明できるローレンツ主張した本能は、しかし遺伝決定的な概念であったアメリカ発達生物学者ダニエル・レーマンはローレンツ発達無視していると指摘した。ある行動が種に普遍的に見られるからと言って全て先天的に形成されていると考え理由にはならない例えカモ刷り込み本能的だとしても、「何を親と認識するか」は経験産物である。後にティンバーゲン生得性強調しすぎたと述べレーマン視点支持した

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