議論・社会問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 06:48 UTC 版)
人工知能学会の松尾豊は、著書『人工知能は人間を超えるか』内に於いて、人間に対して反乱を起こす可能性を否定している。人工知能学会会長の野田五十樹は、「シンギュラリティ(技術的特異点)」や「2045年にAIが人間の知能を超える」という予測に対して「SFめいた話だ」と批判した。同氏はこう述べている。 そもそも“知能”が何を示すのか、定義をせずに語っても意味が無い。仮に知能が計算力を指しているのであれば、80年代からとっくに人間の能力を超えていることになる。 社会学者ロバート・M・ゲラチは、AIとロボット工学(ロボティクス)を専攻しているカーネギーメロン大学の研究所を現地調査した結果、実際の研究はシンギュラリティ論とかけ離れた「世俗的現実」("the mundane reality")であると結論した。同氏はカーツワイルやハンス・モラベックらのシンギュラリティ論を「終末論的AI」("Apocalyptic AI")と呼び、そのような論自体に対しては支持も反論もしないと前提した。その上で、「終末論的AI」を通俗科学(pop science)の一種と見なしている。つまりそれは宗教・エンターテインメント・フィクション等と同じような、分かりやすくて興味を刺激する説明を使い、大勢の興味を引いて研究費を獲得している。ゲラチは 終末論的AIは、実際のところ、金銭の要求である。("Apocalyptic AI is, indeed, a request for money.") と述べている。 「哲学的なAI論への批判」も参照 一方、人工知能を危険視する思想や主張もある。 スティーブン・ホーキング「人工知能の発明は、人類史上最大の出来事だった。だが同時に『最後』の出来事になってしまう可能性もある」 イーロン・マスク「人工知能は悪魔を呼び出すようなもの」 ビル・ゲイツ「これは確かに不安を招く問題だ。よく制御できれば、ロボットは人間に幸福をもたらせる。しかし、数年後、ロボットの知能は充分に発展すれば、必ず人間の心配事になる」 人工知能・ロボットそのものへの反発「人工知能#哲学とAI」および「ネオ・ラッダイト運動」も参照
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