証券取引法違反事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 19:50 UTC 版)
2005年3月3日、西武鉄道株式に関する証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、インサイダー取引)の疑いで東京地検特捜部に逮捕され、3月23日、東京地裁に起訴された。10月27日、一審の東京地裁にて懲役2年6月、罰金500万円、執行猶予4年(求刑懲役3年、罰金500万円)の判決を言い渡され、義明側・検察側とも控訴せず、判決どおり有罪が確定した。2009年10月、執行猶予期間満了。 これにより、西武鉄道グループはメインバンクであったみずほグループ出身の後藤高志へ経営権が移り、コクド・西武鉄道・プリンスホテル間をめぐる堤家との複雑な資本関係は、西武ホールディングス発足と第三者割当増資によるサーベラスらの外部資本注入により整理された。 堤自身が保有する西武ホールディングス(以下HD)株は逮捕後に大きく減ったが、一方で堤家の資産管理会社であるNWコーポレーション(以下NW社)の大株主という地位を保持し、そのNW社が西武HDの大株主だったことから、その後も西武グループに間接的な影響力を残していた。しかし、2016年2月、堤が持つNW社の全株式を西武HDに譲渡する形で、西武HDが一般株主から起こされていた株主代表訴訟で発生した賠償費用のうち、NW社株の譲渡分248億円、また自ら持つ西武HD株の売却で7億円の計255億円を負担することになり、堤は西武HD株の所有がゼロになることが発表された。西武HDは、NW社株式約43%を所有することになる。これによって、堤は西武との資本関係が切れた。
※この「証券取引法違反事件」の解説は、「堤義明」の解説の一部です。
「証券取引法違反事件」を含む「堤義明」の記事については、「堤義明」の概要を参照ください。
証券取引法違反事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:27 UTC 版)
約6か月後の同年10月13日に、堤義明コクド会長が急遽記者会見を開き、有価証券報告書虚偽記載(2004年3月期決算の有価証券報告書上で、コクドが保有する西武鉄道の保有株数を22%過少申告していた)を公表。コクド会長職なども辞任表明をした。実態的には、西武鉄道株式〔西武株〕のコクド持株分の多くを、西武鉄道グループ各社の従業員持株会・OB関係者と堤義明コクド会長ら、1,000名以上の個人の「名義株」に偽装し、コクド・伊豆箱根鉄道など上位10名(社)の西武株式保有分のみで、東京証券取引所の上場廃止基準である80%を超えていたことを伏せて株式公開していた。1,000円台の堅調な値動きをしていた西武株は、発表翌日からストップ安となり、東京証券取引所や証券取引等監視委員会、東京地方検察庁も、西武鉄道・コクド幹部への事情聴取に乗り出した。 西武鉄道は、連鎖的に同じ事態が発覚した伊豆箱根鉄道とともに、株式名簿管理を証券代行会社へ委託せず、自社内で行っていた(東証上場企業では当時3社のみ)が、株券の電子化(2009年開始)では、証券保管振替制度によって株券を証券保管振替機構(ほふり)の参加者(証券会社・信託銀行等)口座を通じて預託(移管)した。その過程で名義人の実在確認が必要となるため、電子化が導入された時点で名義株が発覚してしまう事態は元々予想されていた。なお、この株主偽装は上場当初の1957年から存在したと言われている。 一方、発表前の同年9月前後に西武鉄道とコクド(プリンスホテル等)を通じて取引関係のあるキリンビール、サントリー、東京コカ・コーラボトリングなどの複数の飲料メーカー、王子製紙、ワコール、日立グループ、三菱電機、小田急電鉄、鹿島、前田建設、クレディセゾンなど30企業に対し、西武株式8千万株を虚偽記載であることを伏せたまま売却した。10月の虚偽記載公表後の株価下落による損失を招いたことで、株式買い戻し(購入代金の返還)請求が起こされたとともに、売却を打診したコクド・西武鉄道の幹部や堤義明前会長に対しては、インサイダー容疑であわせて捜査が行われた。 これらの事態によって、東証は11月16日に「虚偽記載という不適切な情報開示」と「公益・投資者保護」を理由に、西武株式の上場廃止を決定し、11月17日に整理ポスト入りさせ、12月16日をもって取引を終了し、翌17日で上場廃止となった。伊豆箱根鉄道においても、西武鉄道が50%超を持株保有していると、2000年度分からの有価証券報告書を訂正し、上場廃止となった。 上場廃止となるのは、それまでは企業の倒産(会社更生法・民事再生法申請などの法的整理)や、M&A、株式公開買付に伴うものが通例であったことから、極めて異例の事態であった。2006年のライブドア事件においても、酷似のケースで上場廃止となっている。 2005年3月3日に、堤義明は証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載とインサイダー取引)容疑で、東京地方検察庁特別捜査部に逮捕された。同年10月に東京地方裁判所で執行猶予付きの有罪判決を受け、2009年10月に刑猶予期間満了となった。この事件に際しては、コクドの幹部社員と小柳西武鉄道前社長が、相次いで自殺している。
※この「証券取引法違反事件」の解説は、「西武鉄道」の解説の一部です。
「証券取引法違反事件」を含む「西武鉄道」の記事については、「西武鉄道」の概要を参照ください。
- 証券取引法違反事件のページへのリンク