群生相とは? わかりやすく解説

群生相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 08:05 UTC 版)

蝗害」の記事における「群生相」の解説

バッタ蝗害起こす前に普段の「孤独相」と呼ばれる体から「群生相」と呼ばれる移動適した体に変化する。これを相変異と呼ぶ。 群生相の孤独相に対す外見上の特徴は、 孤独相に比べて暗色になる。 翅が長くなる。 足が短くなる頭幅大きくなる胸部の上が孤独相は膨らんでいるのに対し、群生相はへこんでいる。 (電子顕微鏡で見ると)触角感覚子の数が減少している。 などが挙げられる行動上の特徴は、 群生相の個体互いに近づこうとする孤独相の個体互いに離れようとする。ただし、孤独相のバッタ群れ入れると群生行動共にする)。 産卵前期間が増加し羽化後生日数減少し産卵回数産卵数減少する孤独相の時には食べなかった植物まで食べるようになる。 などが挙げられる。 群生相、孤独相はそれぞれ生まれつきのものである。ただし両親遺伝子組み合わせよるものではなく、親が暮らした集団密度よるものであり、それも親がフェロモンのような分泌液刺激受けたわけではなく別の個体との接触主な原因と言われている。また、はっきりと2型区別できるものではなく程度の差がある。集団生活をしている親からは、集団密度が高いほど、より群生相が強い子が産まれる逆に集団密度低くなる孤独相に近い子が生まれる。この特徴世代超えて累積的に遺伝する相変異原因物質は、ホルモン一種で、11種類アミノ酸からなる[His7]コラゾニン (H-corazonin) というポリペプチドである。H コラゾニンだけで群生相になるかどうかはよく分かっていないが、少なくとも体色黒化前翅長、後脚腿筋、胸部の変化触覚感覚子の減少といった、外見上の変化があることが実験的に確かめられている。ただし、行動上の影響についてはむしろ否定的な実験結果出ており、相変異原因についてまだ十分に解明されていない

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群生相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 23:04 UTC 版)

トノサマバッタ」の記事における「群生相」の解説

中央アジアアフリカなどで群生相が発生する大群をなして移動するようになり、飛蝗(ひこう)と呼ばれる飛蝗田畑作物襲って1日程で全滅させてしまうこともある。詳細蝗害参照日本でも沖縄県などでこのバッタ飛蝗化し作物大きな被害出たことがあった。ある研究によると、近距離に4匹以上集まると、4-ビニルアニソール(4VA)という化合物出し周囲バッタ集まり群れ形成されることが確認された。 群生相 群れ 特徴 食草の幅が広くなる 肉食性が強まる 気が荒く攻撃的になる 飛翔能力高く長距離移動適している 前翅長い 後翅が短い 後脚が短い 前胸背上縁放物線を描かなくなり平らになる 体色黒っぽくなる 呼吸量が多い 脂肪含有率が高い 産卵数少な近年日本では下記大発生記録されている 1978年 栃木県南那須町 1986年 鹿児島県馬毛島 2005年 沖縄県伊平屋島 2007年 関西空港 2011年 沖縄県下地島

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群生相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 04:08 UTC 版)

タイワンツチイナゴ」の記事における「群生相」の解説

タイワンツチイナゴは、インドでのみ群生相が観測された。直近の蝗害1901年から1908 年まで続いた最後に記録された群生相は1927 年であり、以後、この地域農業パターン変化した。群生相は、西ガーツ山脈森林地帯で11月から3月までの冷涼な時期過ごした季節風吹き始めた5月に、群は北東移動してグジャラートインドールナグプールハイデラバード東ガーツ山脈入り500,000平方キロメートル (190,000 sq mi)もの地域覆った6月が降らなかった場合、群は風に乗って移動し続け時にはオリッサビハールベンガルまで移動した雨が降る群れ分裂し、雌が卵を産んで成虫死んだ卵塊通常草地野焼き後のキビ畑、畑の間の畔などの重粘土質の土壌(バーティゾル、Vertisol)中に産み付けられた。卵は数週間後に孵化し成長して翅のある成虫になると、食べたり実ったキビなどの作物移動した10月11月に吹く北東風により運ばれた若い成虫は主に昼間摂食し、夜間移動して西ガーツ山脈戻った

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