群環上の加群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/18 04:29 UTC 版)
詳細は「群上の加群」を参照 環 K 上の群環 K[G] を環と見るとき、環 K[G] 上の加群は、群 G 上の加群と呼ばれる。群 G の表現は G-加群の言葉で読みかえることができる。特に 単純 G-加群は G-既約表現のことである。 G の表現空間が K-加群 V1, V2 であるとき、表現の間の準同型は、G-加群 V1, V2 の間の K-線型準同型のことであり、その全体は HomGK(V1, V2) などで表される。 古典的な結果として、もともとは係数環 K が複素数体 C で、群 G が有限群の場合に得られたものだが、そのような条件のもとで群環 K[G] が半単純環となることを示すことができて、それは有限群の表現において深い意味を持つ事実である。より一般に、マシュケの定理と呼ばれる以下の定理が成り立つ: 定理 (Maschke) 有限群 G の位数が体 F の標数と互いに素なとき、あるいは標数 0 のとき、群環 FG は半単純である。 特に、群環 C[G] が半単純であることは、それが C に成分をとる行列環の直和として理解することができることを意味する。 G が有限アーベル群ならば、群環は可換環であり、その構造は 1 の冪根を用いて容易に記述することができる。係数環 R が標数 p の体で、その素数 p が有限群 G の位数を割るならば、群環は半単純でなく非自明なジャコブソン根基を持つ。このことは、そのような条件下でのモジュラー表現論における対応する主題において重要な意味を示す。
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