行列環とは? わかりやすく解説

行列環

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 01:44 UTC 版)

抽象代数学において、行列環 (matrix ring) は、行列の加法英語版および行列の乗法のもとでをなす、行列の任意の集まりである。環を成分に持つ n×n 行列全体の集合や無限次行列環 (infinite matrix ring) をなす無限次行列のある部分集合は行列環である。これらの行列環の任意の部分環もまた行列環である。

R が可換環のとき、行列環 Mn(R) は行列多元環 (matrix algebra) と呼ばれる結合多元環である。この状況において、M が行列で rR の元であれば、行列 Mr は行列 M の各成分に r をかけたものである。

行列環は単位元をもたない環R上でも作ることができるが、ここでは終始 R は単位元 1 ≠ 0 をもつ結合的環であると仮定する。

  • 任意の環 R 上のすべての n×n 行列からなる集合。 Mn(R) あるいは Matn(R) や Rn×n と表記される。これは通常「n 次全行列環」(full ring of n by n matrices) と呼ばれる。これらの行列は自由加群 Rn自己準同型を表す。
  • 環上のすべての上(あるいは下)三角行列のなす集合。
  • R が単位元をもつ任意の環であれば、右 R 加群としての

行列環

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 14:00 UTC 版)

環 (数学)」の記事における「行列環」の解説

詳細は「行列環」を参照 r を固定され自然数とし、(R, +R, ·R) を環として、 M r ( R ) = { ( f i j ) i , j : f i j ∈ R  for every  i , j ∈ { 1 , 2 , 3 , … , r } } {\displaystyle M_{r}(R)=\{{(f_{ij})}_{i,j}:f_{ij}\in R{\text{ for every }}i,j\in \{1,2,3,\dots ,r\}\}} とおく。演算 +M : Mr(R) × Mr(R) → Mr(R) および ·M : Mr(R) × Mr(R) → Mr(R) を、任意の元 a = (aij)i,j, b = (bij)i,j に対してa + M b = ( a i j + R b i j ) i , j aM b = ( ∑ k = 1 r a i kR b k j ) i , j {\displaystyle {\begin{aligned}a+_{M}b&=(a_{ij}+_{R}b_{ij})_{i,j}\\a\cdot _{M}b&={\Bigl (}\sum _{k=1}^{r}a_{ik}\cdot _{R}b_{kj}{\Bigr )}_{i,j}\end{aligned}}} で定めると (Mr(R), +M, ·M) は環となる。これを R 上の r×r 行列環あるいは r-次正方行列環という。

※この「行列環」の解説は、「環 (数学)」の解説の一部です。
「行列環」を含む「環 (数学)」の記事については、「環 (数学)」の概要を参照ください。

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