単純環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/29 04:16 UTC 版)
Jump to navigation Jump to search数学の環論において、(1 ≠ 0 を持つ可換とは限らない)環 R が単純(たんじゅん、英: simple)であるとは、R の両側イデアルが 0 と R しか存在しないことをいう[1]。
構造定理
単純環は左アルティン的であれば右アルティン的でもあるため、このとき単にアルティン的単純環という[2]。(さらにネーター的でもある。)単純アルティン環は、アルティン・ウェダーバーンの定理により、可除環上の全行列環に同型である。
より詳しくは、次が成り立つ[3]。単純環 R について以下は同値:
- R は左アルティン的
- R は半単純
- R は極小左イデアルを持つ
- R はある自然数 n とある可除環 D について Mn(D) と同型
R を一般の単純環とすると、任意の 0 でない左イデアル I に対し、D を自己準同型環 End(RI) (右から作用すると考える)とすると、R と End(ID) は自然に同型である(後者は左からの作用を考える)。
脚注
参考文献
- Lam, T. Y. (2001). A First Course in Noncommutative Rings. Graduate texts in mathematics. 131 (Second ed.). Springer-Verlag. ISBN 978-1-4419-8616-0. MR 1838439 .
単純環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/29 04:17 UTC 版)
詳細は「単純環」を参照 その用語にも関わらず、単純環は半単純環であるとは限らないことに注意すべきである。問題は環が大きすぎるかもしれないことだ。つまり、(左/右)アルティンでないかもしれない。実は、R が単純環であって極小左/右イデアルをもてば、R は半単純である。 単純だが半単純でない環の古典的な例はワイル代数である。例えば Q〈x, y〉/(xy − yx − 1) は単純非可換整域である。これらやたくさんの他の素敵な例はもっと詳細にいくつかの非可換環論のテキストで議論されている。例えば Lam の本の chapter 3 では非アルティン単純環として書かれている。ワイル代数の加群論は半単純環のそれよりもよく研究されていてかなり異なる。
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