非可換整域とは? わかりやすく解説

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非可換整域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/10 04:42 UTC 版)

数学の特に環論と呼ばれる抽象代数学の一分野における(非可換[注釈 1]整域あるいは(いき、: domain)とは、右または左零因子を持たない(つまり ab = 0 ならば a = 0 または b = 0 が成り立つ[2]零積律英語版を満たすとも言われる)のことを言う。しばしば自明でない(一つよりも多くの元を持つ)ことを仮定する[3]が、域が乗法単位元を持つならば、この仮定は 1 ≠ 0 と同値[4]であり、この場合の域は「左または右零因子を持たない非自明な」のことになる。1(≠ 0) を持つ可換域は(可換)整域と呼ばれる[5][注釈 1]


注釈

  1. ^ a b ここでいう「非可換」は一般に「必ずしも可換とは限らない」の意味だが、可換でないことを強調する意味で非可換とつけることもあるので注意。本項では必ずしも可換でないという意味では単に「域」を用い、非可換であることを強調する意味で「非可換域」を用いた。広義には、integral domain の意味で domain を用いたり[1]、可換・非可換あるいは非零単位元の有無を問わず「整域 (integral domain)」という語を用いることも少なくないので、文脈に注意すべきである。

出典

  1. ^ Weisstein, Eric W. "Domain". MathWorld (英語).
  2. ^ Polcino M. & Sehgal 2002, p. 65.
  3. ^ Lanski 2005, p. 343, Definition 10.18.
  4. ^ Jacobson 2009, p. 90, Section 2.2—"Note that if 1=0, then a=1a=0a=0 showing that all elements are 0."
  5. ^ Rowen 1994, p. 99.
  6. ^ Lanski 2005, p. 343.


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