群環 Cc(G)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/24 09:40 UTC 版)
函数解析学、特に調和解析で用いる目的で、純代数的な群環の構成を位相群 G に対するものへ敷衍することは意味がある。G が局所コンパクトハウスドルフ位相群である場合には、G はハール測度と呼ばれる本質的に一意な左不変可算加法的ボレル測度 μ を持ち、ハール測度を用いて G 上のコンパクト台つき複素数値連続函数全体の成す空間 Cc(G) の上に畳み込み演算を定義することができる。さらに Cc(G) に任意に与えられたノルムによる完備化も群環となり得る。 畳み込み演算は Cc(G) の任意の二元 f, g に対して f ∗ g を、t ∈ G において 定理 ノルム のもとで Cc(G) は近似単位元(英語版)もつ対合ノルム代数(英語版)を成す。 を満たすものをとれば、 {fV}V が近似単位元となる。群環が(単に近似単位元であるばかりではなく厳密な)単位元をもつための必要十分条件は、もとの群の位相が離散位相であることである。 離散群の場合の Cc(G) は複素係数の群環 C[G] と同じものであることに注意。 この群環の重要性は、これが G のユニタリ表現論を以下に述べるような意味で的確に捉えることができるという点にある。 定理 G を局所コンパクト群、U をヒルベルト空間 H における G の強連続ユニタリ表現とすると、 はノルム代数 Cc(G) の非退化有界 ∗-表現であり、写像 は G の強連続ユニタリ表現全体の成す集合と Cc(G) の非退化有界 ∗-表現との間の全単射となる。この全単射はユニタリ同値と強束縛に矛盾しない。特に πU が既約であることと、U が既約であることとは同値である。 が Hπ において稠密であることを言う。
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