漢籍における「蝗」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 05:52 UTC 版)
漢語の「蝗」(こう)は、日本で呼ばれるイナゴを指すのではなく、ワタリバッタが相変異を起こして群生相となったものを指し、これが大群をなして集団移動する現象を飛蝗、これによる害を蝗害と呼ぶ。殷代の甲骨文字に「蝗」を意味する文字があり、すでに蝗害があったものと推定される。 日本ではトノサマバッタが「蝗」、すなわち群生相となる能力を持つが、日本列島の地理的条件や自然環境では、この現象を見ることはほとんどない。そのため、「蝗」が漢籍によって日本に紹介された際、「いなご」の和訓が与えられ、またウンカやいもち病による稲の大害に対して「蝗害」の語が当てられた。 日本の蝗害の記録は、江戸時代に発生したものや明治時代に北海道で発生したもの、1986年に鹿児島県の馬毛島で起きたものなどが知られている。 蝗害は文学や映画で取り上げられている(蝗害を扱った作品参照)。
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