漢籍における古注
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 03:50 UTC 版)
儒教において最も重視された古典群である「経書」に対し、学者が注釈を付したものを「注」と呼ぶ。このうち、漢から魏・晋の時代に作られ、『五経正義』や『十三経注疏』に採用されたものを「古注」と呼び、南宋の朱子学の立場から解釈されたものを「新注」と呼ぶ。ともに官学であり、科挙の試験科目として採用されたため、中国の士大夫層は基本的には注、そして疏を通して経書を受容することとなった。 書名古注新注易 王弼注・韓康伯注 『周易本義』(朱熹) 書 偽孔安国伝 『書集伝』(蔡沈) 詩 毛亨・毛萇伝、鄭玄箋 『詩集伝』(朱熹) 礼記 鄭玄注 ー 春秋 『春秋左伝集解』(杜預) 『春秋胡氏伝』(胡安国) 論語 『論語集解』(何晏ら) 論語集注(朱熹) 大学 (『礼記』の一篇) 大学章句(朱熹) 中庸 (『礼記』の一篇) 中庸章句(朱熹) 孟子 孟子注(趙岐) 孟子集注(朱熹) なお、『礼記』に対する直接の新注は作られていないが、朱子の礼解釈は『儀礼経伝通解』に整理されている。 漢籍における「古注」は主に漢代から唐代にかけて、経書の訓詁(経典・古典の文字に注疏を加えながら解釈する学問態度)を中心とした注釈を指し、特に経学で宋学の朱熹が哲学的立場から施した「新注」と対比される。
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