漢籍と中国白話小説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 23:36 UTC 版)
「南総里見八犬伝」の記事における「漢籍と中国白話小説」の解説
『八犬伝』には博覧強記をうたわれた馬琴の漢学教養や中国白話小説への造詣が、ときに衒学的と評されるほど引用されたり、物語構成に組み込まれたりしている。 作中では折に触れて引用される漢籍は、フィクションである「稗史」の世界に奥行きを持たせている。第一回において、白竜の昇天を見た里見義実が古今の典籍を引用して竜を解説するくだり(研究者によって「龍学」と呼称される)はよく知られている。 『八犬伝』にもっとも大きな影響を与えたのは『水滸伝』である。馬琴は『高尾船字文』『傾城水滸伝』など翻案作品を執筆しただけでなく、原典の翻訳『新編水滸画伝』の刊行に関わったほか、金聖歎による七十回本(水滸伝の成立史参照)を批判して百二十回本を正統とする批評を行うなど、『水滸伝』の精読者であった。このほか、『三国志演義』が多く参照されている。とくに関東大戦の描写では顕著であり、洲崎沖海戦は赤壁の戦いを焼き直したものである。また、『封神演義』からの影響を指摘する説もある。
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