純古生物学と地質学への貢献とは? わかりやすく解説

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純古生物学と地質学への貢献

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/03 02:44 UTC 版)

フランツ・ノプシャ」の記事における「純古生物学と地質学への貢献」の解説

化石に関する学術論文35年間で100編以上発表したノプシャは、「恐竜骨格肉付けすること」を試みた最初期古生物学者一人でもあり、これは彼が成し遂げた古生物学分野への(そして純古生物学分野への)最大貢献のひとつでもある。その当時古生物学者たちは見つかった化石如何に組み立てかばかり注力していたが、ノプシャは化石から恐竜生きていた時の生態推定しようと試みた恐竜現代鳥類ように子育てをし複雑な社会的行動とっていたとも提言しているが、この考え1980年代になるまで理解得られなかった。恐竜生態注目した研究行った最初期人物であることから「純古生物学の父」とも呼ばれたノプシャであったが、自身では生理学生物学から発展したこの学問を paleophysiology (古生理学)と名付けている。 この他にもノプシャは、鳥類恐竜から進化したものとし、飛翔起源走行にあるとする説を時代先駆けて唱えた。ノプシャは、鳥類祖先はプロアビス (Proavis) という、前肢地面着かないよう持ち上げて走行し跳躍の際に羽ばたいた動物であり、この働き助けるため前肢には羽毛発達し結果として空を飛ぶことができるようになった考えた。この説は1960年代注目され広く受けいれられたが、後に発見され樹上性羽毛恐竜化石調査結果から、飛行能力獲得はノプシャが思い描いていたよりももっと複雑なものであった考えられている。また、ノプシャは、中生代爬虫類少なくとも一部温血動物であった主張したが、この考え今日古生物学界で広く共有されている。 ノプシャが研究したのは主にトランシルヴァニア産の恐竜であったが、それらは世界他の場所見つかった「いとこたち」よりも小型であった例えばノプシャが発掘し名付けたマジャーロサウルス通常15メートルから30メートル以上にもなる竜脚類恐竜であるもかかわらず全長6メートルほどしかない地質学者でもあるノプシャは、この化石見つかったエリア中生代にはハツェグ島(現在ではルーマニアのハツェグ盆地)という島であった推論し、島という資源限られた環境対応するため、世代重ねるごとに体の大きさ小さくなる島嶼性矮小化という現象恐竜にも起きたとする説を提唱した。このノプシャの島嶼矮小化説は当時はほぼ無視されたものの、後にハツェグの恐竜欧州だけでなくアジア北米発見され恐竜比べて小型であることが確認されるなどした結果今日では広く受け入れられている。なお近年ドイツ北部でも小型竜脚類エウロパサウルス発見されている。 1926年には、恐竜性的二形説も発表したなかでもハドロサウルス科種について、頭蓋隆起があるものはオス、ないものがメス提唱したが、実際のところノプシャが比較した化石は別々の場所、別々の年代から発見され化石であることが指摘されている。 1930年代には、化石となった骨の組織構造顕微鏡調べることでその個体死亡時の年齢を推定できることを示す論文発表し北米大陸発見され新種恐竜とされる化石が実は既知の種の若い個体であることを指摘した。骨の組織学的研究現在の古生物研究でも行われ2010年には独・米・ルーマニア研究チームマジャーロサウルス化石成体達したのであることを確認し、ノプシャの島嶼矮小化説を裏付ける結果ともなっている。 ノプシャが存命中に発見し命名した種には次のようなものがある。1899年命名したモクロドン・ロブスタス Mochlodon robustus 」は、1915年ラブドドン・ロブスタス Rhabdodon robustumに改名している。ストルティオサウルス Struthiosaurus transylvanicus も1915年に。テイヌロサウルス(Teinurosaurus、尻尾伸びたトカゲ)は1928年にノプシャが命名した種である。この他古代カメに「カロキボティオン・バジャジディ Kallokibotion bajazidi」と名付けている。この名の意味は「バヤジッド Bajazid の美しい箱」だが、 その由来甲羅の形がバヤジッドの尻の形を思い出させるからであった。 ノプシャは地質学者として重要な人物で、バルカン半島西部、特にアルバニア北部地質研究史上初め行った学者ひとりである

※この「純古生物学と地質学への貢献」の解説は、「フランツ・ノプシャ」の解説の一部です。
「純古生物学と地質学への貢献」を含む「フランツ・ノプシャ」の記事については、「フランツ・ノプシャ」の概要を参照ください。

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