系統の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 02:12 UTC 版)
酵母は単細胞であるために菌類の中で原始的なものとの判断もかつてはあった。しかし、上記のように酵母とされる生物は複数の群に分類され、酵母はむしろ生活のあり方に対する適応による形の一つと見なされる。 他方で子嚢菌類では半子嚢菌、および古生子嚢菌に分類されるものに酵母型、および酵母型に近い糸状菌といった特殊なものが多く、子嚢菌類や担子菌類の祖先がやはり酵母であった可能性も指摘されている。
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系統の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 14:41 UTC 版)
クモ目の分類では、まず腹部に体節が残るなど、とりわけ原始的特徴が多いハラフシグモ科からなるハラフシグモ亜目とそれ以外のクモすべてからなるクモ亜目に分け、後者はさらにやはり原始的なトタテグモなどを纏めたトタテグモ下目と普通のクモすべてを含むクモ下目に分ける。ハラフシグモ亜目とトタテグモ下目のものはいずれもほぼ地中性で、外見的にも互いに似ていて、クモ目全体の中では独特である。 この科のものは、クモ下目、フツウクモ類の、いわゆる普通のクモの姿を持ちながら、以下のような点で中疣亜目や原蜘下目に見られる特徴を有し、他のクモ下目のものと異なっている。 書肺が2対ある。一般の真蜘下目では後対が退化して気門となる。 毒腺が鋏角内部のみに収まる。一般の真蜘下目では毒腺は頭胸部にまで入り込んでいる。 心臓の心門数が一般の真蜘下目より多い。 腹部の腹背の筋肉配置がハラフシグモのそれに似ている。 神経系に於いては、神経節が11対あり、一般の真蜘下目より2つ多い。 顎の可動方向がやや横向きになってはいるが、一般の真蜘下目のものほど完全ではない。 また、雌性生殖孔において左右で貯精嚢がそれぞれ2つに分かれているのはハラフシグモ科やジグモ科に共通する特徴で、一般のものではそれぞれ左右で1つにまとまっている。 このほか、糸腺がトタテグモ類では2種しかないのに対し、この科のものは5種を持っている。しかし、たとえばコガネグモ科のものは6種、ウズグモ科のものは7種も持っている。 このようなことから、古くからこのクモは生きた化石、古代のクモの姿を残したものと考えられ、とりわけクモが空中に網を張って昆虫を捕らえ始めたころの様子を知る手がかりと考えられてきた。 クモ類の分類に分岐分類学の手法を適用して見直した Platonik は、1977年にこのクモの分類位置を発表した。そこではクモ下目の中で、エボシグモ科はそれ以外すべてのクモ類に対して姉妹群をなし、そのもっとも基底で分枝したものと判断された。そのため、この科以外のすべてのクモを新篩板類とし、この科だけをそれらに対置する形で古篩板類とした。 なお、書肺が2対あるクモとしては、クモ下目では他にムカシボロアミグモ科とハガクレグモ科があり、これら2科(まとめてムカシボロアミグモ上科)はエボシグモ科の次に分岐したものと彼は見ている。 これらの見解は、後の研究者も多く支持するところである。ただし小野はやはり篩板に関する判断を異にし、単性域類の下に古篩板類を置き、そこにムカシボロアミグモ科やハガクレグモ科などと共にこの科を置いている。
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系統の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/09 14:51 UTC 版)
ピューマとジャガランディの分化は新生代第四紀更新世中期イオニアン(en)の頃と考えられているため、ピューマ属の出現はこれに先立つ時代に求められる。 系統分類学の新たな知見によれば、北アメリカ大陸で進化してきたピューマ属は、かつてユーラシア大陸の熱帯と温帯の平原に広く分布していたチーター属(genus Acinonyx。現生はチーターのみ)と、祖先を共有しているとされている。 ネコ科の揺籃地はユーラシアであるが、本件における両属の共通祖先が棲息していたのがユーラシアであったのか北アメリカであったのかは、まだ解明されていない。共通祖先がユーラシアからベーリング地峡を通って北アメリカに渡る以前に両属の分化があったのか、北アメリカに渡った共通祖先から両属が分岐した上でチーター属のみがユーラシアへも分布を拡げてむしろそこで繁栄を遂げたのか、はたまたそのいずれでもないのかは、現在、研究者の間で見解が分かれているところである。 なお、現在確認されている化石からは、チーター属は約250万年前から約220万年前にかけての時代(新生代第四紀更新世前期ジェラシアン)の中国大陸においてすでに棲息していたことが判っている。したがって、ピューマ属の出現もその頃まで遡らなければ、系統進化の上で整合性が得られない。
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系統の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 05:14 UTC 版)
ポリプはほとんどすべての刺胞動物に見られるもので、この類の基本的な体制であると見なせる。その細部の構造は群によって異なる。構造的には花虫類が最も複雑で、ヒドロ虫類が最も単純である。ヒドロ虫類のポリプが内部に単純な胃しか持たないのに対して、花虫類では隔壁などの構造が発達する。一見は放射相称に見えるが、細部を見ると、実は左右対称であることも分かる。 ところが、刺胞の多様性等を見ると。むしろヒドロ虫類の方が高度であることが分かる。花虫類ではその種数は少なく、ヒドロ虫類でははるかに種数が多い。 このようなねじれ的現象が見られるため、この類の系統については古くから議論があった。古典的な動物系統分類の主流であるヘッケル派は、多細胞動物の起源を中空の鞭毛虫の群体に求め、そこに胃腔が生じることで放射相称の体勢を生じ、そこから左右相称の動物が生まれたと考える。これを現生の動物に当てはめると、まず刺胞動物が生まれ、そこから扁形動物が進化してきたと考える。その場合、刺胞動物の中では構造の単純なヒドロ虫類が原始的で、構造が複雑な花虫類が進化したものと考え、特に花虫類の内部構造に左右相称性が見られることは、左右相称の動物への進化の過程を示すものと考える。 これに異を唱えたのがハッジである。彼は刺胞動物の専門であり、その立場から見ると、ヒドロ虫類は確かに構造が単純であるが、刺胞の多様性に見られるように、細胞レベルではむしろ高度に分化したものと思える。逆に、花虫類の場合、構造は複雑であるが細胞レベルではむしろ単純であり、このようなことから、かれは刺胞動物は左右対称の匍匐性の多細胞動物が、固着性に適応して放射相称性を獲得し、構造の単純になる方向へ進化したものと考えた。この考えに立てば、花虫類の内部に左右相称性が見られることは、むしろ左右相称性の祖先の形質が残っているものと考えられる。彼はこの立場から、多細胞動物の進化に対する新しい説を立てた。
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