頭胸部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:16 UTC 版)
頭胸部(とうきょうぶ、英語: cephalothorax)とは、一部の節足動物の体の前部に用いられる名称。主にカニやエビに見られるような、頭部と胸部の融合でできた部分を示す[1][2]。
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頭胸部(頭部)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 07:30 UTC 版)
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} 一般化されるムカデエビの頭部と胴部前端数節の背面(1枚目)と腹面(2枚目)の構造。 頭胸部(cephalothorax)は先節と第1-5体節でできている元の頭部が直後の元の第1胴節(第6体節)と癒合したものであり、その背面は1枚の頭楯(head shield)に覆われるが、多くの甲殻類に見られる幅広い背甲(carapace)をなしていない。なお、この部分はしばしばこうして「頭胸部」と呼ばれるものの、ムカデエビの体制には元から「胸部」というの区分はなく(後述参照)、英語の文献記載でもこの頭胸部全体を「cephalon」(頭部)と呼ぶのが一般的である。 現生種に眼はないが、頭胸部の前端に複眼を持つと考えられる化石種はある。 頭胸部は前端の下に1対の額糸(frontal filaments)という短い付属肢のような構造体があり、主幹部である「main filaments」とそれに付属した枝のような「accessory branches」という2パーツからなる。額糸の直後は2対の二叉型の触角が備わる。第1触角(antennule)は感覚毛(aesthetasc)を持つ基部から2本の細い枝に分かれ、そのうち上側の枝(dorsal ramus)は長く、下側の枝(ventral ramus)はやや短く、いずれも途中は複数の節に分かれている。第2触角(antenna)はかなり短く、分節のない葉状の外肢(exopod)と湾曲した3肢節をもつ内肢(endopod)からなる。 一般化されるムカデエビの第1小顎、第2小顎、および顎脚の構造。 触角に続けて口器があり、1枚の上唇(labrum)に覆われる1対の大顎(mandible)、および第1小顎(maxillula ないし first maxilla)・第2小顎(maxilla ないし second maxilla)・顎脚(maxilliped)という3対の把握型の付属肢からなる。口器の付属肢はいずれも単枝型で、大顎に大顎髭(mandibular palp)はなく、第1小顎は先端が牙状で、毒腺の開口部がある。第1と第2小顎は7肢節からなり、基部は嚙み合わせた数本の内葉(endite)がある。顎脚は9肢節からなり、元の第1胴節に由来とされるが、頭部由来の第2小顎に似通う形態を持ち、いずれも先端の爪には複雑な配置になる棘・剛毛・小孔などの構造が集約している(併せて「terminal claw complex」と呼ばれる)。 第1・第2小顎と顎脚は付け根から先端まで、基部をなす「proximal segments」・上腕のような「lacertus」・前腕のような「brachium」という3部として大別され、lacertus と brachium の接続部に当たる肘のような部分は「elbow」と呼ばれる。その構成は次の通り。 付属肢/肢節に当たる部位Proximal segmentsLacertusBrachium第1小顎3節:第1-3肢節基本としてそれぞれの肢節に1本の内葉を持つ 1節:第4肢節 3節:第5-7肢節第7肢節は牙をなし、毒腺の開口部がある 第2小顎2節:第1-2肢節基本として第1肢節に3本の内葉を持つ 1節:第3肢節 4節:第4-7肢節第7肢節の先端は terminal claw complex を持つ 顎脚3節:第1-3肢節 1節:第4肢節 5節:第5-9肢節第9肢節の先端は terminal claw complex を持つ
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頭胸部(前体)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 06:13 UTC 版)
前体(prosoma)は先節と6つの体節から癒合し、一般に「頭胸部」(cephalothorax)と呼ばれる。他のクモガタ類と同様、ここには鋏角1対・触肢1対・歩脚4対という計6対の付属肢(関節肢)がある。口の前には鎌状になった鋏角があり、クモ類ではこれを「上顎」とも呼ぶ。その後ろからは1対の触肢と4対の歩脚が並んでいる。 頭胸部背面の外骨格は完全に一体化した背甲(carapace)であるが、第1歩脚の基部のあたりから前後には高さや形に差があることがある。特にその間に溝がある場合、頸溝という。前部には目があり、基本的には8つの目が2列に並んでいるが、その配列や位置は科によって異なり、分類上重要な特徴になっている。網を張らずに生活するクモでは、そのうちのいくつかが大きくなっているものがある。一部の群では紫外線を見ることができる。 歩脚をもつ部位は多くの場合に目と鋏角をもつ前部より幅広く、背面の中央には小さなくぼみがあることが多く、これを中窪という。また歩脚の隙間に向かって溝が走ることも多く、これを放射溝という。
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頭胸部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 15:24 UTC 版)
頭部と直後複数の体節が癒合してできた頭胸部(cephalothorax)は、鞍のように広げた二枚貝状の背甲(carapace)で背面と左右を覆われている。背甲の後縁は頭胸部を超えて、直後2番目の体節まで覆い被さる。背甲の表面と縁は滑らかで、隆起線・棘・関節などの構造は一切ない(かつては正中線が関節になって背甲全体が左右2つに分かれると解釈されたが、Vannier et al. 2018 の再検証に否定的とされる)。部分的に解離した化石標本では常に後方から前に反り上げるため、この背甲の内側は頭胸部全体ではなく、その先頭のみに連結していたと考えられる。 頭胸部の先頭中央には、1枚の目立たない三角形の甲皮(anterior sclerite)が突出し、その左右には葉状の突出部(lobe-like projections)と、短い眼柄に付属した複眼がそれぞれ1対もつ。この三角形の甲皮は、かつて一部の軟甲類(コノハエビ類とシャコ類)に見られるような蓋状の額板(rostral plate)と解釈されたが、再検証により額板ではなく、左右の突出部と眼柄に連結した複合体だと示される。また、この甲皮は中眼(単眼)をもつとも解釈されたが、再検証ではそれを示唆する証拠が見つからなかった。 発達した1対の触角(antenna)は複眼の直後から正面に突出し、先端ほど細くなる。長い10節に分れ、先端以外の肢節はそれぞれの前縁がやや膨らんで数本の剛毛(setae)に囲まれる。この触角は中大脳性(第1体節由来)で、すなわち六脚類と多足類の触角、および甲殻類の第1触角に相同だと考えられる。 前述の触角と後述の大顎の間にあるはずの後大脳性(第2体節由来、甲殻類の第2触角に当たる)付属肢は見当たらず、六脚類と多足類のように二次的に退化消失(すなわち第2体節は間挿体節 intercalary segment に変化)したと考えられる。また、それと同じ位置にあるはずの上唇らしき構造も見当たらないが、これは先頭の甲皮と何らかの複合体をなした可能性がある。 触角と第1歩脚型付属肢の間は目立たない顎で、各1対の大顎(mandible)と小顎が知られている。大顎は丸みを帯びて、内縁には硬化した鋸歯、外側には3節に分れたブラシ状の大顎髭(mandibular palp)をもつ。小顎は6節以上に分かれた短い歩脚型で、細かな剛毛と1対の爪をもつ。この小顎は第1小顎(maxillula, 1st maxilla)で、口は大顎の奥にあったと推測される。明確に特化した第2小顎は見当たらない(Strausfeld 2016 では短く特化した第2小顎をもつと解釈されたが、Vannier et al. 2018 の再検証でそれは大顎髭の見間違いだと指摘される)。 小顎の直後には複数対の歩脚型付属肢があり、後方ほどわずかに長くなる。これらの付属肢は一部の記載では5対や二叉型(短い外肢 exopod をもつ)と解釈されたが、Vannier et al. 2018 の再検証により、4対のみで全てが単枝型だと示される(Strausfeld 2016 の "外肢" は後述の原節と内突起の見間違い)。前方に傾いて畳まれ、先端の内肢(endopod)はいずれも末端の爪を含めて5節に分れるが、それ以外の特徴はやや異なる。前の3対の原節(basipod)は丈夫な4節に分れ、各肢節の内側に1本の内突起(endite)がある。原節第1肢節以外の内突起は全て先端が分岐して、そのうち第1歩脚型付属肢のものは肥厚な三叉状、第2-3歩脚型付属肢のものは細い二叉状。第4歩脚型付属肢の原節は長大で内突起はなく、むしろ直後の体節の羽毛状付属肢(後述)のように、数多くの環形の筋(annulation)に分かれ、外縁に沿って葉状の構造体(lamella)が並んでいる。 特化した第2小顎らしき付属肢は見当たらないため、大顎類の顎の基本構成(1対の大顎と2対の小顎をもつ)を踏まえると、その直後にある第1歩脚型付属肢は「未分化の原始的な第2小顎」であるかもしれない。もしこれを第2小顎、すなわち頭部付属肢として認めれば、ワプティアの頭部は他の大顎類と同様の体節数(先節+第1-5体節)をもつとなる。 ワプティアの頭胸部の体節構成解釈体節先節12(間挿体節)345678付属肢 上唇? 触角 (退化) 大顎 第1小顎 第1歩脚型付属肢(第2小顎?) 第2歩脚型付属肢 第3歩脚型付属肢 第4歩脚型付属肢
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