コガネグモ科とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > コガネグモ科の意味・解説 

コガネグモ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/02 00:19 UTC 版)

コガネグモ科
コガネグモ(メス) Argiope amoena
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 鋏角亜門 Chelicerata
: クモ綱 Arachnida
: クモ目 Araneae
亜目 : クモ亜目 Opistothelae
下目 : クモ下目 Araneomorpha
階級なし : 完性域類 Entelegynae
上科 : コガネグモ上科 Araneioidea
: コガネグモ科 Araneidae
学名
Araneidae
Simon, 1895
英名
Orb-weaver spider
本文参照)
コガネグモ科の分布図

コガネグモ科Araneidae)は、節足動物門鋏角亜門クモ綱クモ目に属するクモの一群である。クモ類の中で最も大きい分類群のひとつで、種類が多く、コガネグモオニグモなど、ごく身近なクモを数多く含むほか、多様な形や習性をもったものがいる。丸網を張るクモが所属する。

形態

体はあまり高く盛り上がるものは少ないが、厚みがあり、歩脚は太く、しっかりしている。は2列8眼で、両端の眼は中眼から大きく離れて頭部の両端に寄る。雄は雌よりはるかに小さいのが普通である。

腹部は前方が幅広いものが多く、三角形から野球ホームベースに近い形の、後ろにややとがった形のものが多い。また、腹部前の両側に肩のような突起を持つものも多い。しかし、これとは掛け離れた形のものも多々ある。ゴミグモ類は、縦長の腹部にさまざまな突起を持つ。ゲホウグモは腹部前方が前に迫り出し、その中央の突起が突き出して、天狗の顔に見える場合がある。オヒキグモの腹部は、その後端が細く伸びて先端に小さな突起がいくつかつく。この腹部は曲げることができる。トゲグモの腹部は、表面が固くキチン化しており、側面の前と後ろに1対、後方に1対、合計6本のがある。この仲間は熱帯に多くの種があり、日本の種では低い刺があるだけであるが、東南アジアなどではさまざまな形の刺や派手な色彩を持つ種が多い。

習性

造網性のクモで、垂直に丸網を張るのが基本であるが、さまざまな形で変わった網を張るものが含まれる。コガネグモはやや小型の丸網で、常に網の中央に止まる。オニグモ類は大きな丸網を張り、クモは網の隅に隠れている。また、夜間だけ網を張るものも多い。ドヨウオニグモやマルゴミグモは、水平丸網を張り、クモは網の上面に止まる。トリノフンダマシ類は、夜間に水平丸網を張るが、構成する糸が極端に少ない。ツキジグモ類やサカグチトリノフンダマシはその変型として、扇形の網を張る。

ゴミグモやハツリグモは、小型の丸網を張り、その中央に隠れ家としてゴミや枯れ葉をつるす。スズミグモはサラグモの張る皿網のような全形の網を張るが、よく見ると網面の糸は格子状に張られており、丸網の変形と考えられる。

さらに特殊なものとして、イセキグモ類はいわゆるナゲナワグモの習性を持つ。コオニグモモドキは網を張らず、足を広げて通りすがりの昆虫を抱えるようにして捕らえる。カナエグモは小型の造網性のクモを攻撃する。

雄は雌より小型で、成虫になると、網を張らずに雌の網を訪れる。雌の網を見つけると、枠糸に止まって、それぞれの種に独特の方法で糸を弾き、雌の機嫌を伺う。

分類

世界で160属2600種が知られる。日本では120種ほどが知られる。

ただし分類はかなり変遷がある。古くはヒメグモ科サラグモ科もこの科の下で亜科の位置に置かれ、その後独立の位置になった。コガネグモ科の学名としてもArgiopidaeを用い時期が結構長く、八木沼の図鑑の初期までは使われた。また、ジョロウグモ、ドヨウグモなどもこの科に含めたこともある[1]

現在では同じように円網、あるいはそれに類する網を作るジョロウグモ科、アシナガグモ科ヨリメグモ科などと縁が近く、さらにサラグモ科ヒメグモ科などを含むコガネグモ上科が単系群であると推測されている。

非常に数が多いので、ごく目立つもののみをあげる。それ以外のものについては以下の記事を参照されたい。

オニグモ属 Araneus
オニグモ・ニワオニグモ・アカオニグモ・アオオニグモ・マメオニグモ 他
ニワオニグモ
ヒメオニグモ属 Neoscona
ヤマシロオニグモイエオニグモドヨウオニグモサツマノミダマシ
コオニグモモドキ属 Pronus
コオニグモモドキ
トリノフンダマシ属 Cyrtarachne
トリノフンダマシ・オオトリノフンダマシ 他
トゲグモ属 Gasteracantha
トゲグモ

チブサトゲグモ属 Thelacantha

チブサトゲグモ Thelacantha brevispina
イセキグモ属 Ordgarius
マメイタイセキグモ・ムツトゲイセキグモ
キオヒキグモ
コガネグモ属 Argiope
コガネグモコガタコガネグモナガコガネグモ
オヒキグモ属 Arachnura
キジロオヒキグモ
ハツリグモ属 Acusilas
ハツリグモ
スズミグモ属 Cytophora
スズミグモキヌアミグモ・ハラビロスズミグモ
ゲホウグモ属 Poltys
ゲホウグモ
ゴミグモ属 Cyclosa
ゴミグモヨツデゴミグモ・マルゴミグモ・カラスゴミグモ 他
カナエグモ属 Chorizopes
ヤマトカナエグモ

出典

  1. ^ 八木沼(1986)p.91-92

参考文献

  • 浅間茂・石井規雄・松本嘉幸 『改訂 校庭のクモ・ダニ・アブラムシ』 全国農村教育協会〈野外観察ハンドブック〉、2002年、ISBN 4-88137-084-7
  • 小野展嗣,『クモ学』,東海大学出版社
  • 八木沼健夫,『原色日本クモ類図鑑』、(1986),保育社

「コガネグモ科」の例文・使い方・用例・文例

  • コガネグモ科の標準
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コガネグモ科」の関連用語


2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||

8
100% |||||

9
100% |||||

10
100% |||||

コガネグモ科のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コガネグモ科のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコガネグモ科 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS