コガネキクバナイグチとは? わかりやすく解説

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コガネキクバナイグチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/06 16:35 UTC 版)

コガネキクバナイグチ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Homobasidiomycetes
: イグチ目 Boletales
: イグチ科 Boletaceae
: キクバナイグチ属 Boletellus
: コガネキクバナイグチ Boletellus aurocontextus
学名
Boletellus aurocontextus Hirot. Sato [1][2]
和名
コガネキクバナイグチ

コガネキクバナイグチ(黄金菊花猪口[2]学名: Boletellus aurocontextus)はコナラアカマツ林に生えるイグチ科キクバナイグチ属の中型のキノコ。赤褐色の鱗片に被われた傘の表皮が、縁を回り込んで裏側を包む形態をしているのが特徴。和名の「コガネ」は肉の色が黄色いことに由来し、空気に触れると青変性を示す。

分布と生育環境

菌根菌[2]。夏から秋にかけて、コナラアカマツが混じる林の地上に発生する[2]

特徴

子実体は傘と柄からなり、傘の直径は6 - 12センチメートル (cm) [1]。上面はひび割れて黄色地の肉が露出し、赤茶色から赤紫色の細かい鱗片が目立つ[1][2]。傘の下面は、若いうちは傘上面から続く表皮で完全に覆われていて、のちに管孔を守っていた表皮が周囲に垂れ下がる[2]。管孔は最大15ミリメートル (mm) で、鮮やかな黄色をしている[1][2]。孔口は最大1 mmで管孔と同色[1]

柄は長さ6 - 16 cm、太さ8 - 16 mm、全体的にはワイン赤色から赤紫色で、上部は縦筋があり、しばしば頂部は黄色を呈することがあり、基部は赤紫色をしている[1][2]。肉は薄黄色で、傘や柄を傷つけると、著しく青変性を示す[1][2]。担子胞子は長楕円形で、大きさ18.5 - 24.5 × 7.5 - 10マイクロメートル (μm) [1]

かつてはシイカシ林に発生するキクバナイグチ(Baletellus empdensis)と混同されたが[注 1]、傘の表面には濃ワイン赤色から黒褐色の大きな鱗片が粗くつき、肉が白色である点で違いが見られる[3][4][2]。同じく混同されていたヒビワレキクバナイグチ(Baletellus areolatus)も、形態的にはコガネクキバナイグチとよく似るが、肉色が白色で、傘の鱗片が薄く、成長段階において黄褐色に退色する点が異なる[1]。またかつてキクバナイグチ属とされ、本種と似たような場所に生えるセイタカイグチ(Aureoboletus russellii)は、傘の表面が枯草色から淡黄土色で、管孔がはじめ黄色であるが後に褐色となり、柄が長く赤茶色で上から下まで白い縦長の網目模様が見られ、肉が空気に触れても青変性がない[5][2]

脚注

注釈

  1. ^ 2015年に、DNA鑑定を基にキクバナイグチ、ヒビワレキクバナイグチ、コガネキクバナイグチの3種に再分類された[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 佐藤博俊「オニイグチ類とキクバナイグチ類の菌類で発見された新種とその形態的特徴」(PDF)『第15回 日本植物分類学会奨励賞 受賞記念論文』第16巻2号、2016年8月、doi:10.18942/bunrui.01602-042024年10月7日閲覧 
  2. ^ a b c d e f g h i j k 秋山弘之 2024, p. 29.
  3. ^ 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著 2011, p. 350
  4. ^ 前川二太郎 編著 2021, p. 272.
  5. ^ 前川二太郎 編著 2021, p. 269.

参考文献




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