第1幕への前奏曲とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 第1幕への前奏曲の意味・解説 

第1幕への前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 12:47 UTC 版)

第1幕への前奏曲(だい1まくへのぜんそうきょく、Prelude to Act 1)とは、ジョルジュ・ビゼーのオペラ『カルメン』の前奏曲。1875年作。




「第1幕への前奏曲」の続きの解説一覧

第1幕への前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 19:18 UTC 版)

ニュルンベルクのマイスタージンガー」の記事における「第1幕への前奏曲」の解説

前奏曲は以下の4つ構成部分からなり前作トリスタンとイゾルデ』と比べると、一見穏やかな全音階法、古典的なソナタ形式回帰している。また、この4部分については、ソナタ形式対応する同時に交響曲4つの楽章にも対応しているという形式面での多重性も指摘されている。 呈示部第1主題群(第1 - 96小節ハ長調冒頭は「マイスタージンガー動機」であり、決然とした完全4度跳躍下行始まり同音反復1点ホ→2点ホまでの1オクターブ順次進行し、さらに上昇して2点ヘ→2点ハへ完全4度順次下行する。これに伴う低声部も臨時記号のない全音階進行である。しかし、第2小節第4拍から第3小節第1拍にかけて不協和音程イ音ト音衝突)があるため、ここに音階固有音でない嬰ハ音を導入してイ音上の七和音を形成している。この和音からはニ音上の短三和音への進行予想されるが、音楽ハ長調固定されたままであり、ニ短調にはならない。したがって、これは自然な全音階とはいえず、きわめて人工的な全音階法である。 「マイスタージンガー動機」につづいて、第27小節から木管楽器新たな求愛動機」を示す。この動機音高線は、4度下行3度上行→4度下行3度上行→4度順次下行であり、ここでも完全4度支配的である。ただし、完全4度中に半音階含まれている。すなわち「嬰ヘ→ロ」の間に見られる短2度増1度短3度という新し性格的音程配置である。 第41小節からは、「ダヴィデ王動機」(「組合動機」、「行進動機」とも)。同音反復オクターヴ突き抜けたイ音は、「マイスタージンガー動機」にすでに示されいたもの。 第58小節からは「芸術動機」。対位法的にホルンヴィオラチェロ対旋律伴っており、この対旋律もまた完全4度順次進行である。 第89小節からはオーボエが「情熱青春)の動機」を示す。これは経過句として第2主題ホ長調準備する呈示部第2主題群(第97 - 121小節) 「愛の動機」はホ長調冒頭5度下行音程は「マイスタージンガー動機冒頭4度下行転回形である。4度枠組み転回させて、それより幅広い音程を取ることで、マイスタージンガー芸術ヴァルター芸術の関係を象徴する同時にこれは「求愛動機」の拡大形でもある。つづく主和音分散音型は、「ダヴィデ王動機」と関連しており、この動機においてはライトモティーフ相互の関連性が際だっている。 「愛の動機」が発展して衝動苦悩)の動機」となる。この動機は2連符と3連符交替冒頭減4度音程特徴であり、劇中では第1幕ヴァルターの「資格試験の歌」の背景となって現れさらには第2幕ニワトコモノローグ」を支配する「春の促し動機」へと変容していく。 展開部(第122 - 157小節イ長調から変ホ長調へと転じスケルツォ風の楽想となる。木管楽器によって「マイスタージンガー動機」が縮小リズムスタッカート喜劇的変容する。つづいて弦楽器群が「衝動動機」を出す。これらは、ワーグナー標題注釈によればやきもち焼き徒弟たちが子供じみた学者気取りで邪魔をし、それに苛立つヴァルター」の心理描写である。 第138小節からは、「芸術動機」もやはり木管楽器によって縮小リズムスタッカート再現されフーガとして処理される。ここでは飛び跳ねるような「哄笑動機」を伴っており、「芸術」が揶揄対象となっている。 再現部(第158 - 210小節再現部は計53小節で、呈示部121小節に対して極端に切りつめられている。第158小節から「マイスタージンガー動機」がコントラバスバス・チューバファゴット低声部に再現その上にダヴィデ王動機」(木管ホルン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ)、「愛の動機」(1番クラリネット、1番ホルン、第1ヴァイオリンチェロ)が重なりすぐれて対位法的な処理となる。ただし、これら動機重ね合わせによって、「マイスタージンガー動機」の再現効果自体弱められている。 第170小節から「哄笑動機」、第174小節から「芸術動機」、第188小節アウフタクトから再び「ダヴィデ王動機」が再現しコーダ向けて高揚する。第207小節からは長いドミナント保持トリル音型の度重なる上昇となる。 コーダ(第211 - 221小節再現部からの高揚シンバル一撃を伴う最終的な頂点迎え輝かしい「マイスタージンガー動機」、飛び跳ねるような「哄笑動機」、祝祭的なトランペットファンファーレ音型によって高揚重ねつつ、第1幕聖カタリーナ教会礼拝の場へとつながる。 この前奏曲用いられる主要動機のすべては「マイスタージンガー動機」から派生しており、こうしたライトモティーフ相互の関連性は、この前奏曲大きな特徴となっている。前奏曲中心となるマイスタージンガー動機」は、呈示部から数々動機生み出し再現部では、自ら生み出した「愛の動機」と「ダヴィデ王動機」に重ね合わせられる。ただし、このことは一見すると「単純から複雑へ」というプロセス意味するようで、実際異なっている。すでに述べたように、冒頭動機処理はそれ自体がすでに複雑であり、展開部変容再現部動機重ね合わせ過程で、複雑さはさらに増していく。前奏曲コーダ至って、「マイスタージンガー動機」は初めて本来の単純さ獲得する。つまり、この前奏曲理念は「祖型への回帰」であり、第3幕大詰め音楽において、この理念がさらに拡大された形で再現することになる。

※この「第1幕への前奏曲」の解説は、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の解説の一部です。
「第1幕への前奏曲」を含む「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の記事については、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の概要を参照ください。


第1幕への前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 10:00 UTC 版)

ローエングリン」の記事における「第1幕への前奏曲」の解説

イ長調8分割されたヴァイオリン奏する縹渺とした和音から始まり聖杯象徴する旋律奏される旋律柔らかな管楽器受け継がれ次第音程低く厚くなっていく。やがて啓示的なフォルティッシモ爆発に高まるが、再びもとの天空戻っていくかのように消えていく。1853年ワーグナー自身書いた解説によればこの前奏曲は、天使群れによって運ばれてきた聖杯が、まばゆいばかりの高みから降臨してくる印象である。 この前奏曲オペラ中でも特に名高く独立して演奏されることも多い。1851年リスト発表した論文には「虹色反射する紺碧の波」と書かれている1860年パリこの前奏曲聴いたベルリオーズは「どの観点からして驚嘆値する。」と述べたまた、1871年にはチャイコフスキーも「おそらくワーグナーの手による最も成功した、かつ最も霊感満ちた作品」としている。下って1918年にはトーマス・マンが「存在するすべての音楽のうち、最もロマンティック恩寵あふれた前奏曲」だと述べている。マン1949年にもこの前奏曲について触れ、「青と銀で輝く」と表現した。これらのうち、リストマンが「青色」について言及している点は、イ長調調性色彩イメージとの関連興味深い。 「共感覚」も参照

※この「第1幕への前奏曲」の解説は、「ローエングリン」の解説の一部です。
「第1幕への前奏曲」を含む「ローエングリン」の記事については、「ローエングリン」の概要を参照ください。


第1幕への前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 18:54 UTC 版)

トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の記事における「第1幕への前奏曲」の解説

ここでは作品主要動機のいくつか紹介される冒頭半音階的下行フレーズAが現れ、これにつづいて4音による上行フレーズBがつづく。フレーズBは冒頭フレーズAの反行形である。フレーズAの終わりフレーズBの始まり連結される際に生じ和音ヘ-ロ嬰ニ嬰ト)が「トリスタン和音」呼ばれるもので、劇中さまざまな重要な場面で現れる。これが繰り返され一段落すると、チェロに「眼差し動機」が現れ上昇していく。 冒頭下行する半音階的フレーズAは「トリスタン」、「トリスタン負傷」、「悲嘆」、「告白」などの名称が与えられるが、究極的な分類拒む点で、この作品特徴的である(#ライトモティーフの用法参照)。つづくフレーズBとの対照から、フレーズAを「憧憬動機A」、「トリスタンの愛」または「苦しみ」、フレーズBを「憧憬動機B」、「イゾルデの愛」または「歓び」などとする場合もあり、後述する解釈につながる。 また、第1幕への前奏曲はそのまま第1幕音楽へとつながっているが、この前奏曲第3幕終結部組み合わせた形で演奏会でも独立して演奏される。「初演の経緯」で述べたように、作曲者ワーグナー自身終止部を書き残しており、こうした演奏仕方認めている。この演奏会形式について、ワーグナー自身は「愛の死」と「(イゾルデの)変容」と呼んでいたにもかかわらず前奏曲と「愛の死」というタイトル伝統的に定着している。

※この「第1幕への前奏曲」の解説は、「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の解説の一部です。
「第1幕への前奏曲」を含む「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の記事については、「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の概要を参照ください。


第1幕への前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 15:48 UTC 版)

パルジファル」の記事における「第1幕への前奏曲」の解説

変イ長調ワーグナー自身は、前奏曲は「劇的」でなく「根源的」に演奏されねばならない語っていたとされるまた、ワーグナールートヴィヒ2世のために書いた注釈には、「愛-信仰-:希望?」と記されている。前奏曲では、主として愛餐動機」(イングリッシュホルンクラリネットファゴット弱音器付きヴァイオリンチェロ)、「聖杯動機」(金管順次上行。ドイツ賛美歌『ドレスデン・アーメン(英語版)』を借用)、「信仰動機」(ホルントランペット)が扱われる。とくに「愛餐動機」は、多種楽器重ねることで楽器独自の響きぼかされており、これはバイロイト祝祭歌劇場の上演を意識した音色と見られる。『ローエングリン前奏曲イ長調であるのに対し、『パルジファル前奏曲それより半音低い変イ長調書かれていることも、より柔らかいくぐもったような雰囲気表出することに役立っていると考えられる。曲は次第重苦しくなっていくが、やがて「聖杯動機」が希望を示すかのように繰り返され第1幕へとつながっている。

※この「第1幕への前奏曲」の解説は、「パルジファル」の解説の一部です。
「第1幕への前奏曲」を含む「パルジファル」の記事については、「パルジファル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「第1幕への前奏曲」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第1幕への前奏曲」の関連用語

第1幕への前奏曲のお隣キーワード

第1幕 夕暮の森の中

第1幕 懺悔の月曜日と、その翌日の懺悔の火曜日

第1幕 月明かりの平原

第1幕: 竜巻

第1幕「遺産」

第1幕『ブライアンの黙示録』

第1幕への前奏曲

第1幕・第1場

第1幕前奏曲 "Preludium" – Nunsサウンド・オブ・ミュージック "The Sound of Music" – Mariaマリア "Maria" – Sister Berthe, Sister Sophia, Sister Margaretta, and the Mother Abbess私のお気に入り "My Favorite Things" – Maria and the Mother Abbess私のお気に入り – Mariaドレミの歌 "Do-Re-Mi" – Maria and the childrenもうすぐ17才 "Sixteen Going on Seventeen" – Rolf and Lieslひとりぼっちの山羊飼い"The Lonely Goatherd" – Maria and the childrenひとりぼっちの山羊飼い – Gretl恋の行方は "How Can Love Survive" – Max and Elsaサウンド・オブ・ミュージック – Maria, the Captain and the childrenレントラー "Ländler" さようなら、ごきげんよう "So Long, Farewell" – The children朝の賛美歌 "Morning Hymn" – Nunsすべての山に登れ "Climb Ev'ry Mountain" – Mother Abbess 第2幕私のお気に入り – Maria and the children誰も止められない "No Way to Stop It" – Elsa, Max and the Captain.ありふれたカップル"?An Ordinary Couple" – Maria and the Captain †主に向かいて喜ばん "Gaudeamus Domino" – Nunsマリア – Nuns恵み深き主に感謝せよ "Confitemini Domino" – Nunsもうすぐ17才 – Maria and Lieslドレミの歌 – Maria, the Captain, and the children ‡エーデルワイス "Edelweiss" – The Captain さようなら、ごきげんよう – Maria, the Captain, and the childrenフィナーレ "Finale Ultimo" – Nuns 註

第1幕:アルコ公爵の宮殿の庭

第1幕:ローマ市内のリエンツィ家の前

第1延坪海戦

第1後方支援旅団 (フランス軍)

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第1幕への前奏曲のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの第1幕への前奏曲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのニュルンベルクのマイスタージンガー (改訂履歴)、ローエングリン (改訂履歴)、トリスタンとイゾルデ (楽劇) (改訂履歴)、パルジファル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS