第1幕:アルコ公爵の宮殿の庭
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「ポルティチの唖娘」の記事における「第1幕:アルコ公爵の宮殿の庭」の解説
序曲 秀逸な序曲は簡潔な数々の主題がフェネッラや一般の人々の世界を想起させる。不穏な雰囲気を持つ冒頭の小節が何度も繰り返され、しばしばその解決が遅らされて緊張感が高められる。 アルコ公爵の宮殿では人々が公爵の息子アルフォンスとその婚約者エルヴィールの婚礼の支度をしている。しかしアルフォンスは、かつて深い仲になってしまったのにもかかわらず捨ててしまった漁師の娘フェネッラが、ショックで口が利けなくなってしまったことを、ひどく後悔している。そこへ現れた親友ロレンツォにフェネッラについて聞くと、ロレンツォは彼女は君の父上が君と別れさせるために、どこかに隠したかも知れないと語る。ますます後悔を深めたアルフォンスは、ロレンツォと共に立ち去る。 代わってアルフォンスの婚約者エルヴィールが侍女達と現われ、喜びを歌う〈アリア〉「愛する人と」(Celui qui j’aimais)。侍女達がスペインの舞曲を2曲踊り、結婚の喜びを歌う。そこへ副王の将校セルヴァと兵隊達に追われて一人の娘が逃げて来て、エルヴィールにかくまって欲しいと救いを求める。何事かと問うエルヴィールに対して、セルヴァはその娘は副王の命で投獄されていたが、隙を見て逃げ出したと説明する。その娘フェネッラは、身振りで恋人に捨てられた後、ある日突然捕らえられ、投獄されたと説明する。不幸な娘の境遇に同情したエルヴィールは、フェネッラを助けることを約束し、結婚式を挙げるために教会へ向かう。 しばらくして、結婚式が終わると、教会から人々の歓声が聞こえ、新郎新婦が姿を現す。しばらく様子を見ていたフェネッラは、突然叫び声を上げ、人々の前に出る。これに気づいたエルヴィールは、夫にこの可哀想な娘を助けて、誘惑した男に罰をと言う。しかし、娘を見たアルフォンスは動揺する。エルヴィールはもしやと思い、誘惑した男は誰かと問うと、フェネッラはアルフォンスを指差す。群衆は騒然となり兵隊がフェネッラを捕らえようとする。その中でフェネッラは人々の助けをかり、なんとか逃げ去ってしまう。
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