福島弁とは? わかりやすく解説

福島弁

(相馬弁 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/10 10:55 UTC 版)

福島弁(ふくしまべん)は、福島県で話される日本語の方言である。東北方言に属し、そのなかでも山形県内陸方言仙台方言と同じ南奥羽方言(南奥方言)に属する(檜枝岐村を除く)[1]東関東方言栃木方言茨城方言)とも共通点が多く、福島県南部を関東方言圏とする研究者もいる[2]。本記事では中通り地方と浜通り地方の方言を中心に扱うが、場合によっては会津地方の方言についても注釈を付けて解説する(会津方言の詳細は会津弁を参照)。

地域差

西から順に、会津、中通り(濃緑)、浜通り

福島県は阿武隈山地奥羽山脈の二つの山脈によって浜通り・中通り・会津に3区分され、方言の区分に関してもそれらの山脈が基線をなすが[3]、一方で東北的な北部と関東的な南部という傾向も見られ、縦割りではなく横割りに方言が分かれているとの見方もある[1]。菅野宏は福島県の方言を以下の10の方言に区画している[3](自治体名は現行のものに改めた)。

浜通り北端の新地町は、旧仙台藩領であり、大部分は亘理伊達家の所領であったため、隣接する宮城県亘理郡と同種の方言(仙南方言)が使用されている。

新潟県東蒲原郡は、旧会津藩領で会津地方との関わりが深く(廃藩置県後も1886年まで若松県ならびに福島県に属していた)、会津方言と同じ南奥羽方言圏に入る[2]北越方言を参照)。

音声

檜枝岐村を除いて、音韻・音声の地域差に明確な境界線は存在しないが、宮城県・山形県に近い地域ほど南奥方言らしい特徴を多く備え、南に行くほど関東方言的になる傾向がある[3]

  • 他の東北方言と同じく、語中のカ行音とタ行音は有声化する[4]。ただし、促音・撥音・長音・無声化母音のあとは有声化せず、また擬音語や接尾辞、比較的新しい漢語・外来語でも例外的に有声化しない[4]。なお、カ行音・ガ行音ならびにタ行音・ダ行音の区別がないわけではなく、例えばカ行(清音)子音が有声化して[ɡ]となるのに対し、正真正銘のガ行(濁音)子音は鼻濁音化して[ŋ]と発音され、清濁の弁別は保たれる。以下、鼻濁音であることを明示する際は「か゜」のように表記する。
  • 南奥羽らしく、「す・し・しゅ」「ず・じ・じゅ」「つ・ち・ちゅ」の区別がはっきりせず、相馬・信達・会津平では「にゅ」「りゅ」「きゅ」「ぎゅ」「き゜ゅ」も「に」「り」「き」「ぎ」「き゜」になる傾向がある[4](いわゆるズーズー弁)。ただし、磐城・県南・南会津では「しゅ」「じゅ」「ちゅ」の発音が明瞭である(特に南会津)[3]
  • 信達地方などで「しぇ」「じぇ」「ちぇ」「にぇ」が頻用される[4]。信達地方では在方の農民層に多い発音で、町方では鄙びた発音として扱われるが、会津地方では正当な発音として扱われるという[4]
    • (例)いか゜っしぇ(行きなさい)、こんじぇ(これで)、くんちぇ(ください)、かっちぇ(借りたい)、しんにぇ(知らない)[4]
  • 連母音「あい」「あえ」は[ɛː]となるが、長音が弱まり、同時に[e]に交替することが通例である[4](県南部ではその傾向は弱い[3])。そのため、例えば「今寝んだ(今寝るのだ)」と「今無いんだ」はどちらも「えまねんだ」となる(「無いんだ」を「ねーんだ」とはっきり発音すれば両者の識別は可能だが、「寝んだ」も誇張して「ねーんだ」と発音されうるため、確実な識別方法にはならない)[4]
  • 信達などのくだけた発話では、助詞などが前の付属語に合わせて、促音や撥音とともに盛んに語形変化する[5]
    • (例)今日も山さえく゜が、それとも仕事わ休むが→今日も山さえんか、それとも仕事わ休んか[5](今日も山へ行くか、それとも仕事は休むか)
  • 磐城・県南では「ひ」と「し」の区別がはっきりしない[3]
  • アクセントは東北地方南部から関東地方北東部で共通する無アクセント(崩壊型アクセント)である。そのため、例えば「橋」と「箸」でアクセント上の区別がなく、県外人に両者のアクセントの違いを説明されても使いこなせないことがある。また、「カキ(柿)」と「ザガキ(牡蠣)」、「クモ(雲)」と「クボ(蜘蛛)」など、アクセント以外で同音異義語を区別する工夫が行われる[1]。ただし、檜枝岐村には型の種類が少ない東京式アクセント(準二型式アクセント)が分布する。

文法

  • 意志・推量・勧誘表現に「…べ(ー)」を用いる[1][5](いわゆるベェベェ言葉)。浜通りと中通りでは「…っぺ」となることが多く、磐城・県南・田村では断定「だ」および過去「…た」でも「だべ→だっぺ」「…たべ→…たっぺ」となる[5]。「…じゃないですか」と相手に同意を求める用法では地域によって様々な言い方があり、「言ったじゃないですか」を例にすると、ゆったべした(相馬市・福島市・会津若松市付近)、ゆったばい(郡山市付近)、ゆったっぱい(白河市付近)、ゆったっぺよ(いわき市付近)などがある[1]
  • 方向を表す格助詞に「さ」を用いる(共通語の「へ」「に」にあたる)[5]
    • (例)まっちゃ えく゜(町へ行く)[5]
    • (例)りんこ゜うっしゃくる(りんごを売りに来る)[5]
  • 動詞の進行形は共通語と同じく「…てる」であるが、動詞によっては「とれでる→とっちぇる/とっちる(取れている)」「とれでだ→とれった/とっちぇだ/とっちだ(取れていた)」のように特色ある音変化を起こす[6]
  • 尊敬表現には、「…(ら)る」が信達と会津各地と相馬の一部に、「…なる」が相馬の一部に、「…なはる」「…はる」「…さる」が会津平に、「…んさる」「…やる」が南会津西部に、「…(ん)さる」が南会津東部にある[7]。相馬の旧士族では「おそけ゜ーる(仰る)」など特殊な表現があった[7]。信達以外の中通りと浜通りの大部分は命令形や禁止形以外では尊敬表現を持たず、共通語の尊敬語で代行する[7]
  • 丁寧体は様々な終助詞を付けることによって表現し、地域によって細かく異なる[8]。信達には「し」(旦那衆など特定階層)、「え」(町方)、「ん」(在方・農民)の3種類あり、ほかの中通りは「し」を用いない(「え」の用法も信達より限定的)[8]。会津平には「し」「よ」「おん」の3種類あるが、「おん」は農民や山家者の表現として下に見られている[8]。南会津では「や」を頻用するほか「む」「も」がある(信達では「や」は丁寧体ではなく同輩用の表現)[8]。相馬には「し」「え」が散在するが昭和50年代の時点で衰退傾向にあった[8]。磐城には「え」「ん」が散在するが、普通は「ね」「げ(け)」「じぇ」という融合形を用いる[8]
    • (例)「あら、どごさえかるえ」「ちょこっと、たがゆさえ」[8]
    • (例)「あねさんえ、きてくなんしょでえ。こまっちまったがらえ」「なにえ、どーしたのえ。すぐえんからえ、ちょこっとまってでなえ」[8]
  • 「…なんだっけぇ」「…したんだっけぇ」という表現も使用されている。

語彙

語彙の分布は先述の方言区画にぴたりとあてはまらないことが多い[3]

  • 言葉が使用されている地域の凡例。※例文中の()付地域の例は以下の参考文献[9]で確認されたものである。
    • (県) - 県内全般で用いられる言葉
    • (浜) - 浜通り地方で用いられる言葉
    • (北) - 県北で用いられる言葉 (福島市、伊達郡、伊達市、二本松市、安達郡、本宮市)
    • (中) - 県中で用いられる言葉 (郡山市、田村市、田村郡)
    • (南) - 県南で用いられる言葉 (須賀川市、岩瀬郡、石川郡、白河市、東白川郡、西白河郡)
    • (会) - 会津地方で用いられる言葉
  • あっちゃ → あっちへ
  • あだがな(、あったもの) → あんなもの (北、中)
  • あどががぁ → 後妻 (浜、北、中、会)
  • あっぱとっぱする →慌てる
  • あやまった → 困った、まいった。
  • あらほど → あんなに
  • あるって → あるいて
  • あんにゃ → お兄ちゃん(単に目上の男の人を呼ぶ敬称)
  • あんにゃ(さま) → 兄
  • あんべぇわりー → 病気 (県)、塩梅/按排/按配が悪い (北)
  • あんぽんたん→アホ(県)、甘い吊るし柿 (北、中) 関西弁の「アホ」と同じニュアンス。「バカ」ほど人を貶したり蔑む言葉ではない。
  • いまっと→もっと。
    • (例)A「こんぢいいがい?」(このくらいでいいですか?)B「わがんねな、いまっとくんちぇ」(だめだな、もっとください)
  • い→家。
    • (例)我がい(我が家)
  • うっちかっておげ → 投げすてておけ (中)
  • うるがす → (水に)つけける (北)
    • (例)うるがしておげばいいぴした。そだの。(水につけておけばいいんじゃないですか。そんなもの)
  • えんがみた → ひどい目にあった (南、会)
  • 落ぢる → 降りる (北、中、南、会)物が落下した際にも使用。
  • おだつ→調子に乗る。
  • おばんです → こんばんは(県)
  • おぶる→おんぶ、背負う。赤ちゃんを背負う時にも使われるが、リュックやランドセルなどを背負うときにも使われる。
  • おやじ → ダンナさん おじさん 店主 ※お父さんも言われる。
    • (例)新聞屋のおやじ(新聞の集金のおじさん)
  • おんつぁざげす → あほ・ばかの最上級
  • おらい → 自分の家、家庭、家族。
    • (例)おらいに孫生まっちゃんだ〜!(我が家で孫が生まれたんだよ〜!)
  • がい?→ですか?
  • かえって悪いなぃ → 逆に申し訳ない。返礼をいただいた際に使う言葉。
    • (例)なんだべしたぁ!かえって悪い(わり)ない!(なんということでしょう!お気遣いさせてしまい申し訳ありません!)
  • かせる → かぶれる。うるしにかぶれる。 (北・中)
  • カットバン → 絆創膏
  • かつける→人のせいにする。転嫁する。
    • (例)まだぁ!人さかつけてぇ!(また他人のせいにする!)
  • がな → 物
    • (例)なんか書くがなねぇか?(なんか書く物ない?)
  • かねぇ?(かね?・かねぇがい?)→ 食べない?・食べませんか?
  • かまぁねぇ (かまめぇ) → 構わない・一向に差支えない (北)
  • 空ケツ → 何もない
  • かんぷら(いも、えも) → じゃがいも (県)
  • ~がんない?→~からねぇ?
  • ぎっちょ → 左利き。サウスポー。差別的に使用される事はない。
  • きゅうど → 暮れ、年末(いわき〜双葉郡で使われる言葉)
  • 義理 → 冠婚葬祭で主に葬儀関係のことを言う。(双葉郡)
  • くらすける(くらつける) → 殴る、叩く等 子供などに注意のために使う。
    • (例)おめぇ、ほだにおだってっと、お父ちゃんにくらつけられっつぉ?(あなた、そんなに調子に乗っていたら、お父さんに叩かれるよ?)
  • くわっせ → 食べなさい (北)
  • くんちぇ(くんしぇ) → ください(欲しいという意味のものとお願いしますという意味のものが混同)
  • 〜してくんに? → 頼み事をする際に使用。
    • (例)それ取ってくんに?(それ取ってくれる?)
  • げぼ → 嘔吐、ゲロ。
  • げーぼ悪い → 感じ悪い。
  • けーだらばっぱ 、けーだらじっち→ ゲジ
  • ごせやぐ → 腹が立つ (県)
    • (例)ごせやげるなぁ
    • ごせやげる → 腹が立つ、怒り
  • ごしゃぐ →殴る、殴りたくなる。
    • (例)おめぇ、ごしゃぐど!(お前、殴るぞ!)
  • ごんきもぢ(厳気餅)→握りこぶし・グー。
    • (例)(拳を振り上げながら)ごんきもぢくれっつぉ!(グーで殴るよ!)
  • 腰かける → 座る。休む。
    • (例)腰かけらい・腰かげっせぇ(座っていきなさい、休んでいきなさい)
  • こだに・こらほど → こんなに。
    • (例)こだに沢山いんねでば(こんなに沢山いらないよ)
  • こみっちり → 充分に (県)
  • こらっせ、こらんしょ → どうぞ、こちらにお出でください(北)
  • こわい、おっかない → 体調が優れない、具合が悪い、疲れた様 ※恐怖心もこわい(怖い)、おっかないと言う。
  • ごんけ → きちがい(いわき〜双葉郡で使われる言葉) げんこつ(北)
    • (例)言うこど聞がねやづは、ごんけ 食らわせっつぉ!(ワガママな子にはげんこつするよ!)
  • こんだ(ぁ) → この次(は) 、今度(は)(県)
  • コンピニ→コンビニ
  • 〜さ → 〜へ、〜に(方向などを表す助詞)(県)
  • 〜さあるがな、〜のがな → 〜にあるもの、〜のもの
  • さすけーねー (さすけねぇ) → 差し支えない、問題ない (北・中)
    • (例)A「なんだべした、こらほどもらって却って悪りごど!」B「さすけねがら、帰って食わさんしょ」A「んがい、んじゃもらってぐがんね。どうもない」
  • 〜様 → 姑(しゅうと)様、嫁様、姉様、家での女性の立場に対する敬称。
  • さみない 、さみぃ → 寒いね、寒い
  • じさま → おじいさん (県)
    • じっち(さん) → おじいさん (浜、北、中)
  • したっけ→そしたら
    • (例)したっけバイバイ(そしたらバイバイ)
  • しょうあんめ(しゃああんめ、シャーアンメ、シャーンメ) 、しゃーねーべ → 仕方ないでしょ、仕方あるまい (北) 諦めを意味する。
  • 〜してみっせ → 〜してごらん
  • 〜してくなんしょ → 〜してください(しての丁寧語)
  • 〜してくんにがい? → 〜してくれませんか?(しての疑問系)
  • 〜してけらい → 〜してください/してちょうだい。
  • 〜してがんしょ → 〜していきなさい
    • (例)いさあがってちっと休んでがんしょ(家に上がってちょっと休んでいきなさい)
  • しゃで(い) → 弟 (県)
  • 〜しらんしょ → 〜しなさい
    • (例)はやぐ寝らんしょ(早く寝なさい)
  • 〜しらんな → 〜しないでね、(〜するな、〜すんな、より柔らかいニュアンス)
    • (例)ほだごどしらんな(そんなことしない方が良い)
  • 性悪い → 根性悪い
  • しゃばくっち → とぼける、誤魔化す、知らないふりをする。「しらばっくれる」に近い意味。
  • しんしょう → 財産、家計。(「会津磐梯山」の歌詞に出てくる。)
  • しんちゃう→死んでしまう。
  • ず → お風呂。「湯」の変化形。
    • (例)早くずさへれ!(早くお風呂に入りなさい!)
  • ずない → 大きい。
  • ぜぇ→良い。
    • (例)A「(こんぢ)ぜぇが?」((これで)良いか?)B「あぁ、ぜぇ、ぜぇ」
  • せな → お兄ちゃん、跡取り、長男 (県)
  • せわしい → 騒がしい、うるさい (北、中、会)
    • 語尾を下げないで語尾を上げて発音をし、語尾のたいを強く発音する主に指示語として使われる (南)
  • (ん)だから!、だから〜! → そうだよね!そうでしょう!の意味で激しく同意を表す場合に単語として使用。接続語の「だから…」という意味での使用は無い。接続詞としても使用されるが、どちらも無アクセントなため、前後の会話で判断する必要がある。宮城県でも使用される。
  • たてる (たでる)→ 犬猫など動物を飼う (県)
  • 〜(ん)だけんちょ、(ん)だけんじょも → 〜だけれども
  • 〜だちけぇ
    • (例)そうなんだちけ(そうみたいだよ)
    • (例)明日〜さん東京に行くんだちけ(明日〜さん東京に行くんだって)
  • たっちる、たっちゃ → 垂れている、垂れた。
    • (例)鼻たっちっつぉ(鼻水垂れてるよ)
    • 「小便たっちくる」(小便をしてくる)
  • 〜(ん)だど → 〜だってよ
  • 〜(ん)だない → 〜だね
  • たんまげる → おどろく (浜、北、中、会)
  • たるひ → つらら
  • 〜っちゃ → 〜れた(動詞「〜れる」の過去形)
  • 〜ちくね(ちゃくね) → 〜したくない
    • やっちくね、やっちゃくね → やりたくない。
      • (例)やっちゃぐねって言ってっぺでば!はぁ!!(ヤサグレ:さきほども申したように、もうやる意志はありません!)
    • 行きっちくね、行きっちゃくね → 行きたくない。
      • (例)行きっちゃくねんだでば、はぁ!!(ヤサグレ:もう、いきたくありません)
  • ぢっち(さま) → 爺(さま)
  • つかっちゃ(は)ー、やっちぐねー(ではー) → 疲れたー、やりたくない(だるい)
  • 動詞の命令形+で(ではー) → 多少強調したニュアンス。(ex:寝ろで。)「で」の後に「はー」がついていると、せかしている意味合いになる(ex:寝ろではー。)この場合の「はー」は「もう」の意味と同様
  • 「せっかくどうもない」「かえってどうもない」 → 「おせわさまです」「こちらこそ」的な対話のニュアンスで用いる
  • なん → そうだなん(そうだね) (会)
  • でれすけ → 間抜け、馬鹿者、だらしない人を叱る際に使う。
  • 手わすら → 手遊び。主に子供に対し話を聞かずに砂遊びや、紙の切れ端をいじくりまわしている際に注意するために使用する。
  • なかなか → 呆れている(形容詞)
  • なげる → 捨てる
    • (例)ゴミ投げて(ゴミ捨ててちょうだい)
    • ぶん投げる → 散らかす、片付けないで放置する。
    • (例)服ぶん投げとくな!(服を片付けなさい!)
  • なんぼ → いくら、どれくらい(年齢、身長、体重、距離、値段など数字で表すもの全般に使われる)
    • (例)あんだんどごの子供、なんぼになったんだい?(あなたの子供は何歳になったのですか?)
  • なして、なーして → なんで、なぜ、どうして(浜、北、中)
    • (例)なしてほだごどなった?(なんでそんな事になったの?)
  • なじょうだ、なじょした、なじょんした? → どうした?、何かあった?(県)主に心配する際に使用される。
    • なじょうする、なじょする、なじょんする?→どうする?
    • (例)今日なじょして遊ぶ?(今日は何をして遊ぼうか?)
    • なじょんかして→どうにかして
    • なじょ、なじょう?(う、の部分を伸ばす感じで発音する)→ どう
    • なじょして、なじょんした?、なじょんして? → どうした?どうやって?
    • なじょな → どんな (北、中、南、会)
    • なじょうだが → どうだか (浜、北、南、会)
    • なじょったい → どうだかね (浜、北、中)
    • なじょすっぺ? → どうしたらよかろう (北、中、南)
    • なじょーも → なんとも (会)
  • 〜くいよ → 〜してちょうだい。くんちぇと同じ意味。
  • にしゃ、にし → お前、あなた (中、南、会)「お主」に近い。
    • にさ → お前、汝(浜)
  • にっぱす→くっつける。はりつける。
  • ねーぞい → 〜ないよ (県
    • (例)冷蔵庫になんもねーぞい(冷蔵庫に食べる物は何もないよ)
  • ねっぱる(ねばす、ねっぱす) → ねばる。(紙などを貼る、貼り付ける。くっつける。ネバネバする、ネチネチする・食らいつく等の場合にも使用される。) (県)
    • (例)これ糊でねっぱしといて!(これを糊で貼り付けてください)
    • (例)ガムねばってるよー(ガムがついていますよ)
    • (例)(競技者などに)もっと前さねっぱってげ!っこの!(もっと、前に食らいついて行け!がんばれ!)
  • はぁー → さあ、もう (〜だなぁ、ええっと、等のニュアンス)んだはぁー、べしたはぁー、もうはぁ…(県)
  • ばっち(こ) → 末っ子、末子 (県)
  • はだいも → さといも
  • はなぐら → いびき (浜、北、中、南)
  • はねる → 走る
  • はねくら(べ)、はねっくら(べ) → 徒競走、競走 (県)
  • ばっぱ(さま) → 婆(さま) (浜、北、中)
  • はまる → 落ちる (県)
    • (例)川にはまったぞ
  • 腹くっち(くっつぇ) → お腹がいっぱい、満腹。
  • ぴした→べした。でしょう。
    • (例)あそこに大きな川があっぴした(あそこに大きな川があるでしょう)
  • ぶつ → 撃つ、打つ。
    • (例)頭(あだま)ぶった(頭をぶつけた)
  • ぶっつぁぐ → 破く
  • 部落 → 集落。差別的に使用される事はなく、相手に使用しても失礼には値しない。
  • べこ(べご、べえご) → 牛 (県)
    • べこっこ → 牛の子 (県)
  • べっぺ(べっちょご・ぺこちゃん) → 女性器
  • へでなし → つまらないこと、うそ (県)
  • ほだげんちょも → そうだけれども
  • ほおろぐ、ほろぐ→ 落として失くす。「ほろぶ」「ほろった(落とした、落ちた)」とも。(県)用
  • まてい、までい(までえ、まで) → (仕事が)ていねい (県)
    • 用例:「までにやっこどね」(真剣にやんなくていいんだよ)
    • までぇー (浜、北、中、南)
  • まめ → 赤ちゃんが人見知りすること。
    • (例)はー、まめすんのが?(もう、人見知りしますか?)
  • まんぜろくまんぜろく → 拝む行為で使用。もともとは「萬歳楽山」で地震が起こった際に、山仕事をしていた村人が「萬歳楽(まんさいらく)様、助けてください」という意味で咄嗟に拝んだ事から。
  • むうむう→夢中になり周りが目に入らぬ様子。
  • むぐれる→漏らす、漏れる、脇からこぼれる。滴る。
    • (例)おしっこむぐれっちまーでば!(お小水が(我慢できず)漏れてしまいそうです!)
  • めんこい、めんごい、めんげえ、めごい、めげ→ かわいい、かわいらしい
  • めんこたん(めんこたんだねぇー) → 赤ちゃんや小さい子供に「かわいい子ね」という感じで使用。犬や猫にも使用。
  • めど→ 穴。「鼻めど(鼻の穴)」「ケツめど(お尻の穴・肛門)」などに使われ、落とし穴や溝には使われない。
  • もっともだ → 当然だ、当たり前だ。(「会津磐梯山」の歌詞にも出てくる。)
  • (雑巾、台拭き等を)揉み出す → 汚れを揉んで洗ってきれいにする。
    • (例)雑巾揉み出して!(雑巾の汚れを揉んで洗って落として!)
  • もごせ→むごたらしい、可哀想。主に子供相手に使われ「もごせなぁ〜(可哀想だなぁ)」「もごせもごせ(よしよし)」と使う。
  • やべ、やばっせ(やばせ) → いこう、いこうよ
  • よばっちゃ (よばらっちゃ)→ 招待された (県)
  • らいさま(県)、れえさま(浜) → 雷
  • ろぐなもんでねぇ → ろくな者じゃない
  • わ → おまえ、汝 (悪)(浜、北、南)
  • わい、おんねぇ〜 → 家、自分んち、自宅
  • わがい→我が家、自宅
  • わげ → 私の家(自宅)
  • んだ、ほだ → そうだ、そうですね  ほでね(否定)そうではない
  • んだげど → そうだけど
  • んだど、んだなぁ → 「〜なんだってよ」「〜なんだってなぁ」会話口調
  • んだべした → (当然)そうじゃないですか、(当然)そうでしょう

福島弁を使う著名人

福島弁に関連した作品など

参考文献

  • 福島郷土文化研究会編集『誰にでもわかる福島県の方言』歴史春秋出版株式会社、2000年4月2日第3刷発行
  • 飯豊毅一・日野資純佐藤亮一編『講座方言学 4 北海道・東北地方の方言』第2版、国書刊行会、1998年
    • 北条忠雄「東北方言の概説」
    • 菅野宏「福島県の方言」
  • 佐藤亮一編『都道府県別 全国方言辞典 CD付き』三省堂、2009年
    • 小林初夫「福島県」

脚注

  1. ^ a b c d e 佐藤編(2009)、58-65頁
  2. ^ a b 飯豊ほか編(1998)、157-158頁
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 飯豊ほか編(1998)、366-370頁
  4. ^ a b c d e f g h 飯豊ほか編(1998)、370-379頁
  5. ^ a b c d e f g 飯豊ほか編(1998)、380-386頁
  6. ^ 飯豊ほか編(1998)、395頁
  7. ^ a b c 飯豊ほか編(1998)、388-391頁
  8. ^ a b c d e f g h 飯豊ほか編(1998)、393-397頁
  9. ^ 福島郷土文化研究会編(2000)
  10. ^ 大反響! あの通販CMがクセになる! 夢グループ社長、初の自伝エッセイ』(プレスリリース)内外出版社、2022年5月19日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000276.000021817.html2022年5月19日閲覧 
  11. ^ fukushimatweetのツイート(1242688693829128193)

関連項目

外部リンク





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