福島幹線
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福島幹線(ふくしまかんせん)は、東京電力が建設した基幹系統の一つである。亘長の大半は50万Vでの送電が可能なように設計された。福島第一原子力発電所で発電した電力を超高圧外輪線に連系して首都圏に送電し、また、東北電力との電力融通に資する事を目的にしている。
注釈
- ^ 本線開通前に福島原子力建設所が東北電力と結んだ契約最大電力は1000kWに過ぎなかった。
「表30 福島県における電力大口需要家一覧表(昭和43年6月30日現在)」(編集 福島県 1970, p. 1221) - ^ 福島幹線建設所は水戸市内に設置された。建設所設置は同社送電線の工事としては異例で、工事が当時「東洋一」の規模であることに対応したものだった(政経人編集部 1969, p. 118)。
- ^ 後年、原子力発電のコストを論じる際に、大島堅一のように送電線への投資を包含して論じる者が現れた。当線の場合物騰の上昇が恒常的な時代の建設であるため、後の時代との単純な比較は出来ないが、参考として同時期に建設された1号機の建設費は390億円であった。福島県生活環境部原子力安全対策課『原子力行政のあらまし 平成21年版』(レポート)、2009年12月。NCID BN05378809。。
- ^ 位相比較方式は各端子電流の位相を判定する方式であり、外部事故時は事故回線と事故回線の位相差は180°となるが、内部事故の場合は同相 (0°) となる。
- ^ ASCR410mm2の送電容量は300万kW、電流容量は短時間定格で3780Aとなる(交流長距離送電では充電容量や安定度、温湿度、熱の制約から電圧×電流がそのまま送電容量とはならない。また、送電距離により幹線ごと容量は左記容量以下で固有の範囲を取る)(矢部宏 1973, pp. 25)。ASCR410mm2導体1本の直径は28.5mm、1m当たり重量は1.67kgである(前田弘 1971, p. 39)
- ^ 技能労務者の不足や気象条件に悩まされることもあった
出典
- ^ 工事当初の受電については右記。座談会 1969, p. 29
- ^ 「50万V送電時代へ 東電、2ルートを内定 原子力送電も含める」『読売新聞』1965年11月16日朝刊5面
- ^ 経過地選定過程は前田弘 1971, pp. 36–37
- ^ 社報編集部(特集) 1969, pp. 20「最盛期を迎えた福島原子力建設工事」
- ^ 福島幹線の建設については社報編集部 1970, p. 13-14
- ^ 「福島の原子力発電所から50万ボルト送電」『読売新聞』1969年4月9日朝刊13面
- ^ 『電気現場技術』1981年3月P59
- ^ 初期に採用された50万V/27万5000Vによる2段階昇圧方式については川路恭郎 1971, pp. 46
- ^ 編集 福島県 1970, p. 1231.
- ^ 矢部宏 1973, p. 27.
- ^ a b 後藤悌二 1970, p. 243.
- ^ 前田弘 1971, pp. 37–38.
- ^ a b c 前田弘 1971, p. 37.
- ^ a b c 前田弘 1971, p. 36.
- ^ 政経人編集部 1969, p. 118.
- ^ 前田弘 1971, p. 40.
- ^ a b 「電力輸送の近代化になう 関電工変電部」『電気新聞』1970年2月4日6面
- ^ 各塔の位置選定も土砂崩れの恐れがないと思われる場所に選定した
- ^ 2万kVAでの受電については右記。座談会 1969, p. 40
- ^ 「超々高圧送電系統、急テンポ」『電気新聞』1973年8月30日10面
- ^ 川路恭郎 1971, pp. 47.
- ^ 福島幹線の当初の昇圧予定については下記
「進む超々高圧変電所の整備 新古河房総6月に50万Vに 新佐原は来年1月運開」『電気新聞』1973年1月18日2面
「50万V送電工事が活発化 今年度末千六百キロメートルに」『電気新聞』1973年6月19日6面 - ^ a b 「電力安定輸送の"大動脈" 五十万Vの東京電力・福島幹線」『電気新聞』1975年5月29日9面
- ^ 「超高圧系統が中心 本年度の送電線工事」『電気新聞』1974年4月24日4面
- ^ 系統計画課 1974, p. 13.
- ^ 「東電・福島幹線 房総、新袖ヶ浦線につづき下旬、待望の50万V運転 原子力流通網、大幅に強化」『電気新聞』1975年5月17日2面
- ^ 「東電・福島幹線50万V送電を開始」『電気新聞』1975年5月20日2面
- ^ 昇圧実施時期は「電力の大動脈 50万V送電網の姿」『新電気』1979年7月P38掲載の一覧表でも年月単位までは確認できる。
- ^ 浅野直則他「山岳地高張力架線工法の開発」『送電線建設資料』、送電線建設技術研究会、1977年12月。p65
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