症状と経過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 20:06 UTC 版)
上記のようにこのヒルはあまり人里には出ないものであり、山間渓流域で野生動物を宿主とするものである。したがって、そういう場所に入って渓流で顔を洗ったり、水を飲んだ際に幼生の寄生を受ける。幼生は上記のように細くて白っぽいため、見つけるのは困難である。寄生する部位は多くの場合に下・中鼻道である。 感染初期には自覚症状はほとんどない。しかし虫体が成長し大きくなるにつれ、その運動を異物感や痒痛感として感じるようになり、また蛭が吸血部位を変える度にそこからの出血が見られるようになる。ヒル類は吸血のための傷口から血液凝固阻止剤を注入するので、出血は止まりにくく、極端な例ではそのために貧血が起きる。また、下記参考文献の真喜屋他(1988)は福岡での症例を扱ったものであるが、その患者は出血の他に鼻汁の異常分泌に悩まされたという。 しかしこれら以外に身体症状を引き起こすことはほとんどなく、この患者の場合も鼻腔内に潰瘍等はなく、耳内、口腔内も問題なかった。血液検査等に於いてもほとんど異常を認められていない。しかし、鼻腔内に奇妙な「虫」が住み着いていることは大きな不安感を引き起こす。上記のような症状の他に、ハナビルの幼生が成長してくると、体を伸ばした際には外から見えるようになり、この患者も手鏡でこれを見てこれを取り去ることを画策、最後に洗面器に水を張って顔をつけ、虫体が伸びたところをぬれタオルで確保、引きずり出したと言うが、その際に虫が鼻腔内壁に吸い付いてなかなか外れず、「鼻がもぎ取られるように(同p.206)」痛んだという。 なお、鼻腔であれば幼生が成長すると脱落して、それで終わりであるが、それ以外の部位に寄生した例もある。水と共に入り込んだ虫が気管に達し、声帯や気管に吸着して呼吸困難になった例や、たまたま眼にこすり込んだために結膜に寄生された例、外耳道に入り込んで化膿を起こした例、尿道に入り込んで血尿を起こした例なども知られている。 治療としては、虫の麻酔と吸着部位の麻酔薬を効かせつつ、取り出すような方法がとられる。
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症状と経過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/29 04:40 UTC 版)
深在性真菌症は一般に免疫機能が低下した患者に日和見感染症として発症するがクリプトコッカス症に限っては健常人に発症することがある。カンジダ症、アスペルギルス症は好中球の機能不全で発症するがクリプトコッカス症は細胞性免疫不全状態や鳩の飼育者に多い。真菌性髄膜炎の症状は他の髄膜炎と同様であり頭痛、発熱、項部硬直、嘔吐、意識障害などである。クリプトコッカス性髄膜炎では2~3週間ないし6ヶ月の経過で亜急性に進行することが多い。アスペルギルス性髄膜炎、カンジダ性髄膜炎は患者の免疫状態にも関係しているが急性、亜急性、慢性と様々な発想経過をとる。 クリプトコッカス性髄膜炎 cryptococcus neoformans は鳩の糞などで汚染された土壌に豊富に存在する。経気道的に感染する。細胞性免疫低下状態では肺クリプトコッカス症を起こす。血行性散布では中枢神経に強い親和性をもち髄膜炎を起こしやすい。2~3週間ないし6ヶ月の経過で亜急性に進行することが多い。肺病変なしで髄膜炎を起こすこともある。治療はアムホテリシンB(リポソームアムホテリシンB)とフルシトシンの併用療法を行うことが多い。第二選択はフルコナゾール(ホスフルコナゾール)である。健常者に発生する原発性クリプトコッカス症と細胞性免疫が低下する基礎疾患を有する患者に発生する続発性クリプトコッカス症に分類される。続発性クリプトコッカス症はより重篤で治療抵抗性であり、再発率も高い。 アスペルギルス性髄膜炎 Aspergillus fumigatus は暖かく湿った場所、空調のエアフィルターなどに生息し経気道的に感染する。肺に好発する。局所性(耳、鼻、目、皮膚、子宮付属器からの波及)、呼吸器を介した二次的な血行性波及、手術時の直接感染などが知られるが呼吸器を介して二次的に波及することが多い。動脈、静脈を侵襲する傾向が強く、脳に出血性梗塞を起こし隣接した部位に髄膜炎を併発する。治療はポリコナゾールであり重症例ではポリコナゾールにミカファンギンを併用する。 カンジダ性髄膜炎 健常人でも20〜40%の頻度で口腔、腸管に常在するが通常菌数は少ない。抗菌薬による菌交代現象や麺系抑制状態で常在カンジダが粘膜下組織に侵入し血行性、リンパ行性に臓器感染を起こす。中心静脈カテーテルから侵入する場合も多い。治療はアムホテリシンB(リポソームアムホテリシンB)とフルシトシンの併用療法。第二選択はフルコナゾール(ホスフルコナゾール)である。
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症状と経過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 07:23 UTC 版)
肺分画症の多くは何らかの臨床症状を有し、頻度の多い症状としては咳嗽、喀痰、喀血、頻回の感染などが挙げられるが、肺葉内分画症の15%、肺葉外分画症の10%程度では明らかな症状がなく偶発的に発見されたとの報告がある。一般に肺葉外分画症は胎生期~新生児のうちに診断されることが多く、その他の先天奇形を合併することも多いのに対し、肺葉内分画症は頻回な感染を契機に診断されることが多く、成人期に診断されることもある。 上記の診断的特徴などを加味して近年は肺葉内分画症は先天性奇形ではなく後天的な気道閉塞の結果生じた病態とも考えられている。
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