症状と血液学的所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/24 00:01 UTC 版)
真性多血症では無症状のこともあるが、各血球が増え血液が濃くなり血液粘度が上昇して流れにくくなるため、中枢神経系の血液循環が障害されることで、頭痛、めまい、ほてり、のぼせ、耳鳴りの症状が起きることが多い。入浴後の全身のかゆみがよく見られ、血液の絶対量が増えるために赤ら顔や高血圧も一つの特徴である。血栓症や、逆に出血などの血管イベントが起こりやすく、脳梗塞や心筋梗塞が起きると重大なことになりかねない。また、自覚はしないことが多いが肝脾腫、特に脾腫は多い。極端な例では2次性の尖端紅痛症を伴うこともある。 真性多血症は正確には循環赤血球量(RCM:Red cell mass)の絶対量が増加する疾患であり、National Polycythemia Vera Study Groupの診断基準も循環赤血球量で決められていたが、循環赤血球量を正確に測定するのは容易ではなく、そのためRCMの代替として血液単位量あたりのHb量を用いても十分に相関することが分かっているのでWHO基準では男性でHb18.5g/dL、女性で16.5g/dL以上、あるいは各人の基礎値から2g/dL以上増加して、Hb17g/dL、女性で15g/dL以上になればRCMの増加とみなしてよいとされている。 血液では赤血球数の絶対的な増加に加え、幼若な白血球や赤芽球の出現が見られ、大小、楕円、涙滴状などの形態異常の赤血球も見られるようになる。赤血球は正球性正色素性であるが、出血があったり、貯蔵鉄を使い果たすと小球性低色素性になる。 骨髄では三系統すべてでの過形成であり、診断時に線維化していることは稀である。骨髄では赤血球系の著明な増加に加え、巨核球の巨大化、多分葉化、増加と集中などの異常が見られる。線維化すると特発性骨髄線維症と同様の所見が見られる。
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