田中屋、松屋の再建とは? わかりやすく解説

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田中屋、松屋の再建

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 10:16 UTC 版)

山中鏆」の記事における「田中屋、松屋の再建」の解説

1975年社長小菅から命を受けて松坂屋増床西武百貨店進出業績悪化していた静岡市田中屋田中屋伊勢丹経て静岡伊勢丹)の再建取り組んだ当時田中屋売場面積他店半分以下の9,000m2しかなかったため、隣接地買収して増床する方針打ち出している。その一方で翌年には建築基準法厳格化される事が決まっていたため買収融資の手続き奔走し三菱銀行伊夫伎一雄理解もあって200億円の融資受けた。また静岡でも労働組合との綿密な関係を築き新店開業への道筋をつけた(新店舗の開業1977年10月)。 1976年3月に、経営難無配に陥っていた松屋古屋竜太郎社長労組委員長鈴木健勝からそれぞれ出向要請受けた。これは断ったものの、徐々に軋轢生じていた伊勢丹オーナー小菅丹治から4月厳命を受け、5月松屋副社長就任した伊勢丹社員10名以上が同行申し出たが、小菅移籍禁じた事もあって担当だった秘書だけが一緒に転出している。 当時松屋は多店舗戦略ゴルフ会員権販売失敗、またオイルショック影響を受け、売上は対前年比マイナス97%経営危機瀕していた。売り場士気低く商品ケース汚れてほこりをかぶり、従業員意気消沈していたという。着任まで1か月方針おおむね固め創業地でもあった横浜店1978年横浜松坂屋売却し、約400名の希望退職募集、約140億円にも及んだ借入金当時メインバンクであった三菱銀行一本化するなどの対策行ったまた、銀座店では売上減少していた呉服売場移転縮小、1フロアまとまっていた婦人服売場複数階に分けた立体的な展開、縦横加えて放射状通路導入などの改装行い1978年9月リニューアルオープンしている。同月には、経営再建一環として1年以上かけて検討したコーポレートアイデンティティCI)を阪神百貨店同時期に導入するCI導入に際しては、日本CI導入史に残るプロジェクトともなった現在のロゴはこの1978年導入されたものが基本となっている。その後1980年1月まで3次渡って銀座本店全面的な大改装行いその際社員参加求めた。特に社内的に常務会よりランク上のリニューアル常任委員会にも組合委員長と書記長を配置した姿勢は、元執行委員長鈴木評価されている。 一方でハード面投資とは別にソフト面での再建対策として、全社に対して経営参加姿勢促すため、閉店後に売場社員集会開き、40-50分かけて直接対話により徹底討論する機会毎週1回ペース設けた事前指名した売場責任者商品計画顧客分析など年間データ調査し、それに基づいて報告した販売計画利益見通しに対して山中質疑行い社員からも活発な質問受けたという。この集会松下村塾をもじって『松屋村塾』、または『山中塾』、『山中村塾』、『山中学校』などと呼ばれたという。 これらが功を奏し売上3年連続で対前年同月二桁成長という結果つながり1981年にはわずか3年足らず復配果たしたまた、この間1979年松屋社長に就任している。なお、『松屋村塾』の中から出た木曜日定休日時代そぐわないという意見により定休日火曜日変更しこの際生み出され言葉『ハナモク』は1988年の流行語大賞新語部門銀賞にもなっている。さらに、山中姿勢として全社員に売上収益などの経営情報のすべてをガラス張り徹底して公開した事で、社員勤労意欲をかき立て再建への礎を積み上げた松屋副社長就任した当時600億円程度だった売上1990年には1,000億円台にまで伸長しており、山中築いた松屋スタイル銀座における人気店としての地位後々に至るまで不動の物にしたといって過言ではない。

※この「田中屋、松屋の再建」の解説は、「山中鏆」の解説の一部です。
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