生活習慣病と疫学研究とは? わかりやすく解説

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生活習慣病と疫学研究

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 21:52 UTC 版)

栄養学」の記事における「生活習慣病と疫学研究」の解説

1977年、「米国食事目標」が報告される報告書にはハーバード大学公衆衛生大学院栄養学教授であるマーク・ヘグステッドも非常に関わった。この報告によって食事肥満はじめとして心臓疾患といった生活習慣病の関係が大きいことが分かり食生活指針策定つながっていった。まだ、この時点では科学的な証拠はっきりしていない結論もあったため、疫学研究盛んに行われるうになるこうしたコホート研究といったものには、数年から十年上の研究期間を要するので早急に結果出ない1980年より、米国農務省USDA)と米国保健福祉省HHS)によって「アメリカ人のための食生活指針」という、生活習慣病予防するための食生活指針発表される以降5年ごとに改訂される。 ハーバード大学公衆衛生大学院による、女性看護師疫学研究NHS)、男性医療従事者疫学研究HPFS)といった大規模なコホート研究が行われるようになる。この研究指揮している人物ウォルター・ウィレットである。 1982年アメリカ国立研究所全米科学アカデミー下位組織NRC食事とがんに関する科学的な分析依頼し、その報告として「食生活栄養とがん」としてまとめられ1977年報告支持した1983から1990年にかけて「中国プロジェクトが行われ、アメリカ国立研究所アメリカがん研究協会資金提供し、アメリカコーネル大学イギリスオックスフォード大学中国のがん研究機関やほかのいくつかの国の研究機関関与したマーク・ヘグステッドは、中国プロジェクトに対してアメリカでは食事内容均質的なのでこのような重要な研究できない評した中国プロジェクト中国では乳製品をまったく摂取しないが骨粗鬆症は非常に珍しく、また中国では植物から鉄分摂取されており、鉄欠乏性貧血は肉の摂取関係ないことを示した中国プロジェクト指揮したコリン・キャンベルは、研究結果受けてもっとも安全な食事完全菜食であると述べ完全菜食になり、5人の子供も完全菜食育てたコリン・キャンベルは、コーネル大学栄養学教え菜食主義栄養学教えているが、1980年代以降菜食に関する科学的な研究蓄積されているのに肉と乳製品摂取必要だという視点変えようとしない、今では科学的な研究結果があるのに教育受けた時代常識信じ込んでしまっていると指摘している。なお、菜食議論については、菜食主義記事参照されたい。 1989年NRCは『食事と健康-成人病予防のための食事と健康の科学』という報告書まとめあげる1990年日本でも厚生労働省によって数万人以上を対象とした多目的コホート研究(JPHC Study)がはじまる。 2003年世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関FAO)は「食事栄養生活習慣病予防 」を公開するハムなどの保存肉とがんのリスクとの強い関連動物性脂肪に多い飽和脂肪酸2型糖尿病心臓疾患発症リスク高めると報告されている。2003年には、アメリカとカナダ栄養士会は合同で、専門家が質の高い256論文から結論し牛乳や卵も摂取しない完全な菜食においても栄養摂取でき、また菜食者はがん、糖尿病肥満高血圧心臓病といった主要な死因関わるような生活習慣病リスクが減る、認知症リスクも減ると報告している。6つ前向きコホート研究メタアナリシスし、20年上の菜食者は平均余命3.6年長いと報告された。 2004年NHSHPFS赤肉からの鉄分摂取2型糖尿病との相関関係示したという大規模な統計結果報告された。 ウォルター・ウィレットは、大規模な前向きコホート研究でも乳製品をたくさん摂取すれば骨折リスクが減るという結果はなく、逆に男性では前立腺がん女性では卵巣がんリスクが高まると述べているなど、アメリカ、イギリススウェーデンでの7つ前向きコホート研究で、カルシウム摂取量増加して骨折率が低下していない。これらの理由のため、カルシウム様々な摂取源から摂取し骨折予防するためには他の有効性確認され手段である運動ホルモン療法ビタミンDビタミンK摂取紹介し、もしカルシウム多く摂取したいならサプリメントがあるとしている。 ヘルシーフードピラミッド ウォルター・ウィレットは、米国農務省作成するアメリカ人のための食生活指針」は産業影響強くそのような影響のない食事ガイドライン作成すべきだとし。NHS数百疫学研究反映した健康な食事ピラミッド」を作成している。健康に悪影響のある、精白された穀物赤肉砂糖をなるべく控えることが分かりやすく図示された指針である。 2010年版の「アメリカ人のための食生活指針2010年版」が発表される。これは数百疫学研究をもとに科学的根拠強弱概念採用している。

※この「生活習慣病と疫学研究」の解説は、「栄養学」の解説の一部です。
「生活習慣病と疫学研究」を含む「栄養学」の記事については、「栄養学」の概要を参照ください。

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