父の転勤――東京~鳥羽とは? わかりやすく解説

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父の転勤――東京~鳥羽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:46 UTC 版)

梶井基次郎」の記事における「父の転勤――東京~鳥羽」の解説

1909年明治42年12月上旬、父の安田商事合名会社東京本店(のち安田商事)への転勤に伴い一家祖父秀吉大阪残留希望)を残して上京品川旅館若木屋に数日滞在した後、東京市芝区二本榎西町3番地(現・港区高輪2丁目6番地)の狭い借家転居した。泉岳寺を見下ろす高台の家で、電灯もなくランプ生活していた。 1910年明治43年1月、基次郎は兄・謙一と共に白金(現・港区白金台)の私立頌栄尋常小学校転入し紺絣に袴を穿き下駄通学した。この学校プロテスタント系頌栄女学校付属校で、ハイカラ気風西欧的な自由主義教育英語教育がなされ、巖谷小波アンデルセンなどのお伽話講話行っていた。兄弟当初大阪っぺ」とからかわれたが、兄が紙ヒコーキ学校広め、基次郎も兄と一緒に徐々に東京山の手校風馴染んでいった。 父・宗太郎左遷されたという憤懣もあって酒びたりの日々であったが、やがて基次郎異母弟網干順三の親子らも上京させ、別宅養い始めた。そのため梶井家の家計質屋に通うほど窮迫し、母・ヒサ内職励み高等小学校に通う姉・冨士までレース編み内職家計支えた祖母・スヱの肺結核進行していた。この年9月30日末弟・良吉が生まれた1911年明治44年5月、再び父が転勤となり、一家三重県志摩郡鳥羽町1726番地(現・鳥羽市鳥羽3丁目7番11)の広い社宅転居した。社宅漁船が行来す入江近く高台にあり、日和山見えた安田系の鳥羽造船所(現・シンフォニア テクノロジー)の営業部長となった宗太郎羽振りがよくなり、一家東京から来た重役家族として地域の人から敬われた。 漁師の子がみな草履の中、革靴を履いている基次郎重役坊ちゃん呼ばれ東京の頃と扱い一変した。基次郎は姉と共に社宅の左隣の鳥羽尋常高等小学校転入(姉は同校高等科)。兄・謙一は三重県立第四中学校(現・三重県立宇治山田高等学校)に入学して宇治山田市(現・伊勢市)の寄宿舎生活となった。 基次郎夏休み帰省した兄や友だちと海で泳いでサザエ獲ったり、裏山の「おしゃぐりさん」(大山祇神社)や城跡駆けめぐったりした。自然に囲まれ環境健康的な少年日々過ごし、最も幸福で充実した日々であった鳥羽の海の景色遺稿断片「海」描かれている。しかし、兄弟たち祖母しゃぶっていた飴玉貰ってなめたりしたため、やがて5人が初期感染することになる。 この年異母弟・順三の母親磯村ふくが腎臓病死去し、順三とその養祖母・きくが梶井一家同居するようになった。翌1912年明治45年4月、基次郎6年生進級し級長選ばれた。同月大阪時代江戸堀尋常小学校6年生一行150名が鳥羽卒業記念旅行に来た。基次郎が彼らのいる旅館訪れると、かつての同級生先生らは歓迎し人気者だった基次郎をたちまち取り囲んだ1913年大正2年3月、全甲の優秀な成績小学校卒業した次郎は、4月に兄と同じ三重県立第四中学校入学し宇治山田市一志町(現・伊勢市一志町)にある兄の下宿先同居した。そこは兄の同級生杉本郁之助の家で、茶人郷土史家杉木普斎であった第四中学では、洋楽造詣の深い音楽の先生楽譜読み方習い、これが音楽愛好基礎となった6月5日64歳祖母・スヱが肺結核死去し祖父秀吉は数か月前の2月大阪死去した9月鳥羽宇治山田間の鉄道開通し新学期から実家鳥羽より兄と一緒に汽車通学した。この頃2人近所の旧城主老人剣道習っていた。10月第四中学懸賞短文で「秋の曙」が3等入選し校友会誌校友』に掲載された。同月中旬、父が大阪安田鉄工所書記として転勤し一家大阪市北区本庄西権現町1191番地(現・北区鶴野町1番地)に転居した。基次郎と兄は再び、宇治山田市一志町下宿から通学するようになった

※この「父の転勤――東京~鳥羽」の解説は、「梶井基次郎」の解説の一部です。
「父の転勤――東京~鳥羽」を含む「梶井基次郎」の記事については、「梶井基次郎」の概要を参照ください。

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