海原雄山との関係
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雄山が自らの芸術のために母を犠牲にしたことで死に追いやったと思い込み、雄山とは長く絶縁状態だった。雄山と母親の関係は誤解だと周りがいくら説得しても頑として受け入れず、士郎の「10代は親父の美食の犠牲になった」という言葉、「おふくろを殺したのはあの海原雄山だ!」等の捨て台詞から雄山を憎んでいた気持ちがはっきりとわかる(1巻『ダシの秘密』、47巻『病の秘密』など)。ただし雄山の考えが正しければ素直に共感して支持することもあった(良三が舌を大切にする料理人であるにも関わらず、喫煙していたことを雄山に激怒されたときは、士郎も良三が悪いと認めていた。)後に真相は異なることが判明するものの、小学館『ビッグコミックスピリッツ』(2008年5月12日発売号)及び102巻『究極と至高の行方』まで歩み寄りは無かった。それは、士郎が長年抱き続けた雄山に対する敵愾心と亡き母親への憐憫の情によるコンプレックスから心に傷を負っていることにより、和解できなかったと窺い知ることができる(18巻『焙じ茶の心』、44巻『心の傷』他)。また、ゆう子や谷村部長など周囲の特に親しい人間は雄山と士郎の間にいくつもの共通点をみており、それが2人の和解が今まで難しかった原因であることを見抜いていた。そして士郎は雄山と過去を乗り越え、父子はついに真の和解を果たすこととなる(小学館『ビッグコミックスピリッツ』2014年第21号)。111巻でついに和解を果たし、雄山を「父さん」と呼ぶようになった。 少年時代 少年時代の士郎は雄山に押し込まれた美食倶楽部で真面目に仕事をしており、進藤にも士郎が一番熱心だったと言わしめるほどで、雄山も士郎に対して何でも教えてくれた。ただし2回同じ事を聞くと殴られた様である。そのため、士郎は殴られないように教えられたことを何冊ものノートに書き留めており、保管してあったノートが再度見直されることもあった。 高校生のころから唐山陶人の家で過ごすことが多く、大学時代は別のところで下宿していた。母の死去後に海原家を飛び出す際(原作では大学生の時、ドラマ版では高校生の時)海原雄山の絵画や陶器を全て破り捨て、破壊している。被害総額は数千万円から数億円とされる。ただし、雄山が幼少時の士郎のために作った食器類は別の所に保管され、全て無事であった。 山岡姓について 名字の「山岡」は母の旧姓であり、通称ではなく戸籍上もそうだと思われる。どのような法手続を経て改姓したかは不明であるが、母方の親戚筋の養子となっていた可能性がある(父方の親類の話は一度も話題に出た事が無いが、9巻「新妻の手料理」で母方の親類に叔父がいると話している)。なお、「氏の変更届」は、現実では家庭裁判所の許可が必要なので相当な理由がなければ受理されない。士郎の場合、雄山との確執であるため、受理されない可能性が高い。また、ゆう子との結婚前、ゆう子の両親に「海原雄山とは縁を切っていて、法的にも無関係である」旨の発言をしているが、現実には実の血縁関係にある親子が法的に縁を切る方法は特別養子縁組以外に存在しない(この特別養子縁組は基本的に家庭裁判所の判断を要する上、年齢制限により確執が生じて出奔した時点では既に特別養子縁組を行う要件を士郎は満たしていない)。これは作中の士郎と雄山の思い込みの可能性があり、戸籍上の養子縁組に出された扱いとして士郎が美食倶楽部などの相続権を有していると思しき描写もある(中川チヨがその旨を指摘している)。 親子対決について 初期の雄山との対決では士郎が勝つことも多かったが、雄山の過去や性格・態度における改善が見られるにつれて次第に勝てなくなり、「究極VS至高」の対決では雄山に勝ちを譲ってもらう、もしくは実質的な助け舟を出してもらうか、審査員の贔屓目がないと勝てないようになってしまった。しかし、雄山が時折独り言などで士郎を認める発言もしている。テレビドラマ『新・美味しんぼ3』ではスカウトした料理人の協力によって勝利している。 76巻『雄山の危機』で、士郎が僅かに「おやじ…」と雄山を呼ぶ声で回復に至った他、82巻『家庭のおやつ自慢大会』の時に周囲に気づかないくらい、さらっと「親父」と言っていたこともあった。 美食倶楽部について 美食倶楽部には11巻『魚の醍醐味』まで足を踏み入れる場面が無かったが、次第に姿を現す回数が増えていき、中川夫妻を訪ねたり、雄山の代わりに料理の指揮を執るまでになった(76巻『雄山の危機』他)。中川夫妻を初めとする美食倶楽部の調理人、従業員からは今も「士郎様」「若」と慕われており、それらの人々は雄山との断絶後に入った者も含めて、士郎が雄山と和解し、美食倶楽部に戻ってくる日を心待ちにしている。
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