江戸時代の論議とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 江戸時代の論議の意味・解説 

江戸時代の論議

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/19 00:48 UTC 版)

つぼのいしぶみ」の記事における「江戸時代の論議」の解説

1691年元禄4年)、水戸藩丸山可澄が、徳川光圀の命を受けて奥羽各地史料調査行い多賀城の壺碑も調べた後に、七戸から野辺地に向かう途中石文坪川などを通り小山石文神社参拝した縁起見たい思って尋ねた果たせなかったという。丸山そのことを『奥羽道記(おううみちのき)』に記しているが、その中につぼのいしぶみという名は出て来ない。 元禄1688年-1704年)の頃、南部藩漫遊し花巻住んだ松井道圓という医師がいて、『吾妻むかし物語』を著した。その中に、「奥羽名所旧跡所々相違ある事」という一条がある。壺碑、野田の玉川磐手の山など、仙台領にも南部領にもあるが、南部領内の方が理があるという趣旨の文である。「宮城郡市川立石といへるを壺の石碑と名づくるは後人附会の説なるべし。故は立石石文とはいふべし、壺とはいかでいふべき。実は糠部郡七戸の内壺にこれあり。碑名今は絶えたり。」と記している。 18世紀中頃南部藩学者清水秋全が、『名所追考抜書』という書の余白自分意見書き入れている。「寛延3年1750年)春3月君命を蒙り、仙台石碑真偽矣を見にまかりしに、其処古城のあとあり、図に記して奉りぬ。予、石碑の図を見侍るに是は東西南北遠近記せるのみにて貴む可き義みえず。壺碑、南部七戸に坪にありて古へよりに名処、証歌明か也。殊に勝れたる文あり。日本中央有り意味深長にして尊む可し。東にありて中央と云事誠に故ある哉。」とした。また本文に「坪の名は後生の人私に付けし事か」と書いているのに対し「坪在名何ぞ私になづくべき。古よりの石ふみ有、出所明か也。石碑仙台幾らありといへども、壺といふ在名あらざる故偽也。」とし「仙台の曲(くせ)にて、ややもすれば南部御領名所を誠しやかに取り、美を尽くし故に廻国よすてびと亦は虚実を知らざる類族(たぐいのやから)、仙台方にある似た名所を実(まこと)と思ふは、目無く心無く文盲至り言語に絶たり。」と記している。この時点では南部藩つぼのいしぶみ世の中知られていなかったが、その後、まもなく水戸地理学者長久保赤水の『東奥紀行』が著され、これがかなりの影響世の中与えた1778年安永7年4月平沢旭山多賀城訪れて多賀城碑見て城跡基礎石を確かめた5月七戸至って、坪石文のことを聞き、坪坪川千曳などの地名知り、坪石文尋ねて歩いたが見ることはできなかった。彼はこれを『遊奥暦』に記している。 1785年天明5年)橘南谿東国旅し東遊記』をまとめた。その中で多賀城碑について詳記した後に、東の壺碑というものが南部の壺山という山に存すること、その石碑氏神として祭られみだりに開くことがないので、拓本世に広まることもないこと、碑面の上部に東という大字彫りつけてあること、多賀城碑は西という大字有するから、東の碑も当然あるはずだとした。この説は後に武田信英(『草廬漫筆』、19世紀中葉)などが継承している。 1788年天明8年)には古川古松軒菅江真澄などが相次いで南部藩訪れ、壺碑は南部千引明神埋められているものが真碑であることを書き残している。 石原正明によって享和年間1801年)から文化元年1804年)に著された『年々随筆』や、栗原信充によって1819年文政2年)に著された『柳庵随筆』では、多賀城碑は壺碑ではなく南部の碑が本物である由を書いている。 1806年文化3年)に南部藩内で上梓され、三輪秀福らが著した旧蹟遺聞』の巻4の「壺碑、千曳神社」の項では「つぼの碑は北郡七戸野辺地との間に、壺石文といふところあり。この所にむかし碑ありしゆゑに壺碑と名づけしといひ伝ふ。今はその碑なし。」としている。 江戸時代後期南部藩儒学者市原篤焉が編纂した『篤焉家訓』でも「七戸の壺と云在名正しきが上に、壺川云う古き名の残りし川に、石面四、五丈計なる岩あり。其岩のある所を渕と云。昔は川岸に此岩あり。今は川岸崩れて岩のなかば川横たわる日本中央といへる文字土中方に成たるへし。壺の在名小村なり、高三十石)同壺川ある上は不可疑正しき碑也」と朱書きされていて、少なくとも江戸時代後期には南部壺碑が川の中にあったとする説は存在しており、谷底にあったとする巨石記述複数あった。

※この「江戸時代の論議」の解説は、「つぼのいしぶみ」の解説の一部です。
「江戸時代の論議」を含む「つぼのいしぶみ」の記事については、「つぼのいしぶみ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「江戸時代の論議」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「江戸時代の論議」の関連用語

江戸時代の論議のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



江戸時代の論議のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのつぼのいしぶみ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS