気候の変化と縄文文化の発展とは? わかりやすく解説

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気候の変化と縄文文化の発展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 17:18 UTC 版)

縄文時代」の記事における「気候の変化と縄文文化の発展」の解説

縄文時代1万年という長い期間にわたり、大規模な気候変動経験している。また日本列島南北極めて長く地形変化富んでおり、現在と同じよう縄文時代においても気候植生の地域差は大きかった結果として縄文時代文化形式歴史的に地域的に一様ではなく多様な形式を持つものとなった。 約2万年前最終氷期終わってから6000年前頃までは、地球気温徐々に温暖化ていった時期である。この間日本列島100m上もの海面上昇経験している。縄文土器編年区分においてはこれは縄文草創期から縄文前期相当する1万3000年前-6000年前)。また、6000年前には海面が現在より4m - 5m高く縄文海進呼ばれており、海岸部遺跡分布考え上で参考になる。 縄文草創期当時日本列島植生冷涼乾燥した草原中心であったが、落葉樹森林一部出現していた。また地学的に見ても、北海道と樺太繋がっており、津軽海峡は冬には結氷して北海道現在の本州繋がっていた。瀬戸内海はまだ存在しておらず、本州四国九州種子島屋久島対馬一つ大きなとなっていた。この大きな島と朝鮮半島の間は幅15キロメートル程度水路であったその後温暖化により海面上昇した結果先に述べた対馬朝鮮半島間の水路の幅が広がって対馬海峡となり、対馬暖流日本海流れ込むこととなった。これにより日本列島日本海側豪雪地帯出現し、その豊富な雪解け水によって日本海側にはブナなどの森林形成されるようになった縄文早期には定住集落登場した他、本格的な漁業開始関東における外洋航行開始など新たな文化要素付け加わった。最も古い定住集落発見されているのが九州南部の上野原遺跡金峰町遺跡で、およそ1万1000年前季節的な定住始まり1万年ほど前に通年定住開始されたと推測されている。定住開始され理由としては、それまで縄文人集団定住避けていた理由、すなわち食料確保廃棄物問題死生観上の要請などが定住によっても解決出来ようになったためではないかと見られる植生面から見ると、縄文早期前半照葉樹林帯は九州四国沿岸部および関東以西太平洋沿岸部に限られており、それ以外の地域では落葉樹優勢であった縄文前期から中期にかけては最も典型的な縄文文化栄えた時期であり、現在は三内丸山遺跡呼ばれる場所に起居した縄文人たちが保持していたのも、主にこの時期文化形式である。この時期には日本列島大きく分けて9つの文化圏成立していたと考えられている(後述)。海水面縄文前期中頃には現在より3mほど高くなり、気候も現在よりなお温暖であった。この時期いわゆる縄文海進によって沿岸部には好漁場増え海産物入手容易になったと林謙作指摘している。植生面では関ヶ原より西は概ね照葉樹林となった縄文後期に入ると気温は再び寒冷化に向かい弥生海退呼ばれる海水面低下がおきる。関東では従来貝類の好漁場であった干潟一気縮小し貝塚消えていくこととなった一方西日本東北では新たに低湿地増加したため、低湿地適した文化形式発達していった。中部関東では主に取れ堅果類クリからトチノキ急激に変化したその他にも、青森県亀ヶ岡石器時代遺跡では花粉分析により、トチノキからソバへと栽培中心変化したことが明らかになっている。その結果食料生産低下し縄文人人口停滞あるいは減少転じる文化圏9つから4つ集約され、この4つ文化圏枠組み弥生時代にも引き継がれ、「東日本」・「九州を除く西日本」・「九州」・「沖縄」という現代に至る日本文化地域的枠組み基層をなしている。

※この「気候の変化と縄文文化の発展」の解説は、「縄文時代」の解説の一部です。
「気候の変化と縄文文化の発展」を含む「縄文時代」の記事については、「縄文時代」の概要を参照ください。

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