【歩兵砲】(ほへいほう)
曲射砲の中でも榴弾砲に類し、自走砲でなく、専門の砲兵ではなく歩兵が運用するもの。
近年では戦車の登場によって需要が大幅に縮小している。
あまり定義の明快な語ではない。
野砲や山砲なども歩兵が運用していれば歩兵砲である。対戦車砲を歩兵砲と呼ぶ事も多い。
また、迫撃砲が歩兵砲に含まれる場合もあれば除外される場合もある。
近年、歩兵砲は基本的に迫撃砲・無反動砲・対戦車ミサイルを指す。
定義上これらを歩兵砲に分類せず、歩兵砲は完全に存在意義を失って戦場から消えたと見る向きもある。
多くの場合、歩兵砲の存在は砲兵科と歩兵科との間での政治的・官僚制度的な対立を誘引する。
このため、砲兵科の職分を侵さないよう破壊力や有効射程などが故意に落とされたり、旧世代の兵器を割り当てられる場合が多い。
とはいえ、それが戦略的に不適切であるとも言い切れない。
砲兵に適した命令は砲兵に命じればいいのだから、砲兵の特性全てを歩兵が備える必要はない。
歩兵は砲兵よりも接近した位置で敵と相対するため、危害範囲や有効射程はある程度まで犠牲にしても良い特性である。
歩兵砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 01:04 UTC 版)
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歩兵砲(ほへいほう)とは、歩兵に対する直接火力支援を行うため歩兵科が独自に運用する大砲の一種。多くの対戦車砲と同様に、砲兵科の管轄下ではないことが最大の特徴であり、比較的小型軽量な榴弾砲であることが多い。英語ではしばしばIG (Infantry Gun)と略される。広義には迫撃砲を含むが、一般に歩兵砲と呼ぶ場合は閉鎖機と駐退復座機をもつ通常形式の火砲を指す。
歩兵砲の機能は、歩兵がトーチカ・機関銃陣地・戦車など、標準装備である小火器では対処が困難な敵目標に遭遇した場合、これに打撃を加え、無力化することである。
本来、砲の運用は専門の砲兵の任務であるが、頑強な敵陣地や戦車の攻撃に遭遇した歩兵部隊が現場から砲兵に連絡するには、前線 → 歩兵部隊司令部 → 砲兵司令部 → 砲兵の現地部隊 という正規の経路では時間がかかりすぎた。まして無線がなく、作戦連絡を有線電話か伝令に頼っていた時代はなおさらであった。
そのため、歩兵部隊の前進に随伴し、歩兵自身が扱える、軽量で移動性に優れた火砲が、どうしても必要であった。そのため歩兵砲は一頭か二頭の馬、あるいは人力でも移動できる軽量性と機動性が最優先で設計され、射程や威力は犠牲にされた。
日本の歩兵砲の射程や威力は、砲兵の用いる同クラスの口径の榴弾砲よりも小さい場合が多いが、これは敵陣に対する直接射撃など比較的近距離で用いられることと、歩兵科と砲兵科の管轄争いの結果、砲兵科の領分を侵さない程度に性能が抑えられたものである。その程度は各国陸軍部内における両兵科の発言力など国によって異なり、ドイツでは口径150ミリの強力な大型歩兵砲も運用された。
また山砲は分解搬送が容易で比較的軽量であることから、歩兵砲用途にも適しており、旧式化した山砲を歩兵科に融通転用した例も少なくない。
現代ではRPGなど打撃力に優れた携帯用歩兵火器が普及したこと、また無線の発達で航空支援が迅速かつ容易になったことで、歩兵砲という分類の火砲は完全にすたれた。
各国の歩兵砲
関連項目
歩兵砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/05 14:14 UTC 版)
満州事変において歩兵連隊に配備し実戦投入された際の戦訓などから、歩兵(歩兵連隊)が運用する歩兵砲(連隊砲、歩兵連隊砲)として射撃効力に優れた本砲を四一式山砲(歩兵用)として転用することになり、1936年(昭和11年)にはほぼ全ての歩兵連隊に配備された(1個連隊にはほぼ4門ずつ)。この用途に使用するため1935年(昭和10年)から生産が再開され、日中戦争(支那事変)・ノモンハン事件・太平洋戦争を経て終戦に至るまで主力連隊砲として運用された。 転用に際して外観や属品に小改修が行われており、大きな点として歩兵用では砲手を防護する防盾(防楯)の横幅が車輪内へと狭くなり(山砲兵用は車輪外へ伸びる幅広)、下部に延伸されている。 四一式山砲(歩兵用) 四一式山砲(歩兵用) 上海海軍特別陸戦隊によって運用される四一式山砲(山砲兵用) 九九式七糎半戦車砲を搭載した二式砲戦車 ホイ
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