口径75mm歩兵砲の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/17 03:26 UTC 版)
「九二式歩兵砲」の記事における「口径75mm歩兵砲の研究」の解説
前述の試製歩兵随伴砲は口径75mmで1927年(昭和2年)8月試製砲が完成し、その後翌1928年3月にかけて各種試験を行っていた。同砲も車軸をクランク式として高・低の両姿勢を持っており、高姿勢では+15度~+65度、低姿勢では-5度~+16度の俯仰が可能だった。同砲はあくまでも試製砲であったが、前述のように1930年9月に試製軽歩兵砲の実用試験を行う際、陸軍省兵器局の意向で同時に試験を委託している。当初はあくまで軽歩兵砲の試験に重点を置き、歩兵随伴砲の試験は従とされたが、同年11月に歩兵連隊の装備する重歩兵砲に関する論議が起こり、本格的に試験を実施する運びとなった。この結果等も踏まえ、口径75mmの重歩兵砲は試製重歩兵砲として研究が改めて開始された。試製重歩兵砲は1932年に竣工し、その後各種試験に供されたが、軽量化の要求と精度・安定性等の兼ね合いの問題が解決せず、1934年(昭和9年)6月、結局歩兵連隊砲には当面四一式山砲を充当することとされ、試製重歩兵砲の開発は中止された。 この後も口径75mmの歩兵連隊砲は研究が続行され、一旦は試製九七式歩兵連隊砲として試作及び試験も実施されたが、最後まで軽量化と精度・安定性・対戦車性能という相反する要素の折り合いがつかず、採用には至らなかった。
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