口径による種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 07:37 UTC 版)
詳細は「ゲージ (銃器)(英語版)」を参照 ゲージ番号は1ポンドの鉛球の(1/ゲージ)直径に対する一定の割合の実包を使用できる口径を持つ物をさす。 2番(英語版)(2ゲージ・2GA)、4番(英語版)(4ゲージ・4GA)、6番(英語版)(6ゲージ・6GA)、8番(英語版)(8ゲージ・8GA) 口径が1/2、1/4、1/6、1/8 ポンドの鉛球に相当する直径の実包を使用するもの。無煙火薬ではなく黒色火薬の時代に使用された。ケースは真鍮ケースを用いる。現在これらの口径を持つ散弾銃の製造はほとんどされておらず、僅かにKS-23というロシア連邦の23mm口径ライアットガンのバリエーションの一つに4番の設定が見られる程度である。この4つ以外にも数多くの番径が存在したが、これらの口径の薬莢は多くの場合、パントガンと呼ばれる平底船積みの巨大な鳥撃ち砲の為に用いられた。 10番(10ゲージ・10GA) 口径が1/10ポンドの鉛球に相当する直径19.6ミリ(約0.775インチ)の実包を使用するもの。充填可能な火薬量及び散弾質量が大きくなるため強力な破壊力を持つ。日本国内では10番以上の口径を持つ散弾銃は過度の多獲狩猟につながるとしてトド、熊などの大型獣の捕獲を目的とした場合以外は所持と使用を制限されている。 12番(12ゲージ・12GA) 口径が1/12ポンドの鉛球に相当する直径18.4ミリ(約0.729インチ)の実包を使用するもの。世界的に最も多く用いられている口径。日本国内では一般に許可される実質的に最大口径である(銃刀法上の最大口径は8番)また、クレー射撃公式競技は基本的に12番が使用される。 16番(16ゲージ・16GA) 口径が1/16ポンドの鉛球に相当する直径16.8ミリ(約0.663インチ)の実包を使用するもの。海外ではレミントンM1100などのモデルで使用できるが、日本では12番や20番ほどメジャーな番径ではない。 20番(英語版)(20ゲージ・20GA) 口径が1/20ポンドの鉛球に相当する直径15.6ミリ(約0.615インチ)の実包を使用するもの。口径が小さく12番に比べ破壊力が弱いため主に鳥や小動物猟に使用されるが、反動も軽いため日本・海外共に女性や射撃入門用の散弾銃としての需要も多く、12番に次いで世界的に広く用いられている口径である。また、12番に比較して良好な弾道特性を生かしてライフルドスラッグ・サボスラッグに特化した銃にも用いられることが多い。 24番(24ゲージ・24GA) 口径が1/24ポンドの鉛球に相当する直径14.7ミリ(約0.579インチ)の実包を使用するもの。19世紀に軍用銃として用いられたマスケット銃とほぼ同じ口径(58口径)であり、かつては20番・28番と並び小動物猟や入門者向け口径として利用されていたが、現在では海外でも既製実包は稀少で、真鍮薬莢を用いる旧式銃を除いてはほとんど使われていない口径となっている。 28番(28ゲージ・28GA) 口径が1/28ポンドの鉛球に相当する直径14ミリ(約0.55インチ)の実包を使用するもの。威力も反動も24番より更に弱い。海外では現在もユース・モデルと呼ばれる若年入門者向け狩猟銃の口径としてそこそこの需要があるが、日本では16番と同じくあまりメジャーでない番径のため、日本で販売されている銃の中でこれに該当するものはあまり多くはない。かつては軍用銃を改造した旧式の村田銃でも後述の30番と並びよく用いられた番径でもあるが、日本の旧JIS規格上は口径が13.5ミリとなっている。 30番(30ゲージ・30GA) 口径が1/30ポンドの鉛球に相当する直径12.3ミリの実包を使用するもの。明治中期に村田銃の民間払い下げに際し11mm村田ライフル薬莢をベースに砲兵工廠で製造された日本独自の番径で、真鍮ケース専用の規格。軍用銃を改造した旧式の村田銃専用と呼んでもよい口径で、現在ではほとんど使用されていない。 32番(32ゲージ・32GA) 口径が1/32ポンドの鉛球に相当する直径13.3mm(約0.526インチ)の実包を使用するもの。黒色火薬の時代に使用された海外の真鍮ケースの規格で、現在ではほとんど使用されていない。 36番(36ゲージ・36GA) 口径が1/36ポンドの鉛球に相当する直径12.8ミリ(約0.506インチ)の実包を使用するもの。黒色火薬の時代に使用された真鍮ケースの規格で、現在ではほとんど使用されていない。実際に英国以外の欧州諸国で製造された36ゲージ薬莢は、その多くが「口径12mm、インチでは.410インチとして表されるが、後発の410番とは互換性がない」という状況が状態化しており、後世の分類上の混乱を引き起こしていた。旧式の村田銃でも用いられた番径であるが、日本の旧JIS規格上は口径が11.3ミリとなっており、英国規格とも欧州で流通した36ゲージ薬莢とも異なっている。 40番(40ゲージ・40GA) 口径が1/40ポンドの鉛球に相当する直径12.4ミリ(約0.488インチ)の実包を使用するもの。黒色火薬の時代に使用された真鍮ケースの規格で、現在ではほとんど使用されていない。旧式の村田銃でも用いられた番径であるが、日本の旧JIS規格上は口径が10.3ミリとなっている。 410番(英語版)(.410口径・410ゲージ・410GA) 口径が0.410インチ(10.4ミリ)の実包を使用するもの。410ゲージとも呼ばれる事があるが、0.410インチは厳密には1/67.62ポンドの鉛球に相当する為、ゲージで表すと67.62ゲージとなる。元々は英国のエレー・ブラザーズ(英語版)が19世紀中頃に発表した規格で、下位には.360口径と呼ばれるものも存在していた。 20番より更に破壊力も弱いため主に近距離の鳥や小動物猟、罠猟での止め矢に使用される。20番同様海外では女性や若年者、射撃入門用の散弾銃として専用モデルも少なくない。口径がライフル弾に近く、強装薬のマグナム実包なども用意されているため、旧式ライフル銃やフリントロック銃に改変を加えたバリエーションとして商品化されている銃もある(ウィンチェスターM9410など)日本ではライフル所持に較べ散弾銃が比較的容易に所持できることから、三八式歩兵銃等の旧式のライフル銃を410番用に改造しスラッグ射撃用散弾銃として所持できるようにした商品もある。 9.1mm(9.1GA) 直径9.1mmの実包を使用するもの。黒色火薬の時代に使用された海外の真鍮ケースの規格で、現在ではほとんど使用されていない。 7.6mm(76番) 直径7.3mmの実包を使用するもの。黒色火薬の時代に使用された日本の真鍮ケース専用の規格で、旧式の村田銃を除いてほとんど使用されていない。
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