武装司偵とは? わかりやすく解説

武装司偵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:37 UTC 版)

一〇〇式司令部偵察機」の記事における「武装司偵」の解説

アメリカ軍が超重爆ことB-29開発中情報得ていた帝国陸軍1943年8月対策委員会設置本格的な日本本土空襲開始先立つ1944年5月陸軍航空工廠に対して一〇〇式司偵三型キ46-III)に20mm機関砲ホ5 二式二十粍固定機関砲)2門を搭載した防戦防空戦闘機)・高戦(高高度戦闘機)に改修試作する指示なされた偵察機、特に司令部偵察機である本機選択され理由として、当時日本陸海軍機の中では最優秀である高空性能をもつことがその理由であり、高高度高速爆撃可能なB-29対抗するには同じく高高度高速飛行可能な一〇〇式司偵三型キ46-III)は応急策ではあるが順当であった優秀な性能をもち「純戦闘機」である四式戦「疾風」当時まだキ84増加試作機審査中、新鋭重武装高高度戦闘機であるキ102甲試作段階制式採用済の一式戦「隼」キ43)・二式戦闘機鍾馗」(キ44)・二式複座戦闘機屠龍」(キ45改)・三式戦闘機「飛燕」キ61)は高高度邀撃には上昇限度上昇力劣り性能不足であった。 なおこれに先立つ1942年12月海軍要請によりソロモンニューギニア航空戦に参戦した陸軍航空部隊は、一式戦進出したラバウルにて重防御B-17対峙苦戦。その重防御かつ高空高速飛来するB-17対策として、一〇〇式司偵二型キ46-II)に大威力九四式三十七粍戦車砲搭載した改造司偵を、同様に四式戦車砲を搭載する二式複戦乙型キ45改乙)とともに少数機をラバウル送付している。これらは第12飛行団隷下の「特殊攻撃隊」として実戦投入されたものの、B-17とは交戦することはなかった。 1944年6月20mm機関砲ホ5)を機首に2門装備したキ46-III乙の改造第1号機が完成続いて審査部テストが行われ、これは三型乙として採用された。続いて7月にはさらに大口37mm機関砲ホ204)を機体背面に「上向き砲」として搭載させることが命じられ、これはキ46-III乙+丙と称し三型乙+丙の名で採用されている。生産数三型乙キ46-III乙)が計75機、三型乙+丙(キ46-III乙+丙)は少なく15であった。さらに同年9月上述の武装司偵のうち50機にクラスタ爆弾であるタ弾懸吊追加装備指示されている。なお、従来の純偵察機型三型甲(キ46-III甲)となった。 これら武装施され一〇〇式司偵は武装司偵・防戦防空戦闘機)・高戦(高高度戦闘機)・一〇〇改・三型改などと呼称され、独立飛行17中隊飛行28戦隊少数配備された。戦果一例としては、11月24日邀撃で独飛17中の武装司偵1機(操縦者中隊長北川禎佑陸軍大尉同乗者:古賀陸軍軍曹)が銚子40~50km地点帰還中のB-29 1機を確実撃墜している(アメリカ陸軍航空軍第21爆撃集団24日戦闘B-29 2機を喪失この内の1機が武装司偵北川機の戦果とされB-29帰途不時着水喪失、なお残る1機は飛行47戦隊二式戦体当たり墜落一方でこの戦闘で独飛17中は1機を喪失している)。 しかしながらB-29防御砲火により実戦投入された武装司偵も少なくない損害出しており、また以降戦果撃墜至らず撃破にとどまることが多かった。もともと武装司偵は応急策であり、四式戦普及やまたB-29が低・中高爆撃戦術変更してからは高空性能持て余すようになり、また硫黄島陥落以後護衛戦闘機(P-51D)を伴うようになる脆弱な武装司偵は自然とB-29邀撃から外れ通常の司偵として運用されるようになっていった。 武装司偵の機体強度不足について、改造担当した池田研爾による以下のような反論もある。「斜め銃銃架部分補強したほかは、とくに機体補強はしなかった。しかし、明野陸軍飛行学校統計見ても、戦闘機はめったに六Gのかかるような運動はやっていない。せいぜい四・五Gくらいだから、偵察機だって三・五一・八倍、つまり六・三Gまでもつはずだからかなり思い切った運動をやっても大丈夫なはず。みんな、偵察機だから弱いだろう、という先入観があるので、そこまでやれなかったのではないか」。

※この「武装司偵」の解説は、「一〇〇式司令部偵察機」の解説の一部です。
「武装司偵」を含む「一〇〇式司令部偵察機」の記事については、「一〇〇式司令部偵察機」の概要を参照ください。

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