東南アジア外交とは? わかりやすく解説

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東南アジア外交

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:48 UTC 版)

三木武夫」の記事における「東南アジア外交」の解説

三木1966年昭和41年4月東京開催された、日本政府戦後初め主導した国際会議である、東南アジア開発閣僚会議実現強力に押し進めた三木かねてからアジア外交重視姿勢見せていた。アジア貧困を、共産勢力アジアへの浸透促すアジア情勢最大の不安定要因であると見なしており、日本の安全保障観点からもアジア貧困問題対す対処が必要であると考えていた。そして通産相となった三木は、日本国内不況克服のためにも東南アジア諸国への輸出拡大効果的であると判断した更には首相の座を目指していた三木にとって、これまでの日本外交過度な対米偏重正しアジア重視姿勢訴えることが政治的に見てプラスになるとの判断もあったと推測される当時ベトナム戦争最中であり、対東南アジア政策苦心していた米国も、日本東南アジア経済建設大きな役割を果たすことを期待するようになっていた。高度経済成長遂げた日本東南アジア経済建設協力するようになれば、東南アジア諸国での共産化進展歯止めがかかることが期待できるとともに何よりも米国負担軽減に繋がる。しかし日本国内では財政上の負担大きさなどを懸念する声が強く当初なかなか話が進まなかった。 三木通産相として東南アジア諸国農業軽工業への支援積極的に乗り出すべきであると考えた三木先述たように、まず東南アジア農業軽工業支援して貧困からの脱却を図ることが大切であるという点と、農産物などの一次産品供給先、そして工業製品輸出先として東南アジアが有望であるという点を主張した米国側の更なる要請もあり、三木通産相椎名悦三郎外相東南アジア諸国への経済開発積極的に取り組むべきとし、東南アジア諸国との貿易拡大期待する財界三木らの意見賛同した。そして財政負担拡大不安視して消極であった福田赳夫蔵相も、東南アジア諸国への経済開発取り組むことを了承した。 しかし東南アジア開発閣僚会議開催計画については、財政負担不安視していた大蔵省反対続いた閣内では三木椎名閣僚会議開催積極であったが、佐藤福田積極的ではなかった。結局東南アジア諸国との貿易拡大を望む財界からの説得もあり、東南アジア開発閣僚会議開催決定された。 1966年昭和41年12月3日内閣改造により三木通産大臣から外務大臣横滑りする外相就任直後アジア太平洋構想発表する日本アジア一員であるとともに先進国であり、日本アジア唯一の先進国としてアジア諸国開発イニシアチブを取るべきであるが、日本一国ではアジア開発問題対応しきれないことも明白であるため、米国、カナダオーストラリアニュージーランドといった太平洋諸国協力してアジア開発問題取り組む必要がある、という趣旨である。三木構想の背景には、アジア諸国への経済協力推進することが当時日本国力から見て困難であったとともに日本イニシアチブ強調することが、アジア諸国中に戦前大東亜共栄圏記憶呼び起こしかねないという懸念があった。 三木構想具体化向けて、まずオーストラリア対す働きかけ図った。しかし第二次世界大戦日本敵対したオーストラリア間には、まだ十分な信頼関係構築できる情勢ではなく、そしてオーストラリア自身まだ旧宗主国である英国との繋がり強かったため、三木もくろみ上手く運ばなかった。また三木通産相時代進めた東南アジア開発閣僚会議も、日本東南アジア諸国との思惑違い表面化し定着するには至らなかった。 三木アジア太平洋構想自体は、「日本アジア一員でもあり、西側先進国でもあるという一種境界国家ともいえる不安定なアイデンティティ」という弱点逆手にとって、「アジア諸国西側先進国との架け橋となることにより日本境界性を生かす」という長所へと変えるしたたかな構想ではあったが、具体性現実性欠ける面も多く三木在任中には思うよう成果挙げられなかった。しかし三木構想日本外交アジア太平洋という新たな枠組み与え1989年発足したアジア太平洋経済協力会議APEC)へと繋がっていくことになる。

※この「東南アジア外交」の解説は、「三木武夫」の解説の一部です。
「東南アジア外交」を含む「三木武夫」の記事については、「三木武夫」の概要を参照ください。

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