構想の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 03:46 UTC 版)
第二次世界大戦以後、質・量共常に世界一の座にあったアメリカ海軍であるが、時代が下ると共に量的縮小を続け、1970年代には総数400隻ほどにまで縮小していた。そこに挑戦者として名乗りを挙げたのがキューバ危機以降、制海権の重要性に気づき、大建艦を推し進めていたソビエト海軍であった。 急速な膨張を続けるソビエト海軍は一部の分野(原子力潜水艦など)においては量的にアメリカ海軍の戦力を上回るまでに成長しており、原子力推進艦のキーロフ級ミサイル巡洋艦やヘリ空母であるモスクワ級ヘリコプター巡洋艦などが配備され始めていたため、本格的な航空母艦の保有も時間の問題という情勢であった。 これらから、当時のアメリカ国防総省はソビエト海軍の本格的空母のアウトラインを以下の様に予測した。 全長:300m 全幅:35m 排水量:5万t 乗員数:3300名 通常推進速力:32–33ノット また、当時模擬着艦テストが行われていると伝えられていたMiG-27がこれに搭載され、最終的には50機近い艦上機が搭載されるとされた。これに危機感を抱いたアメリカ海軍は、ソビエト海軍に対する現状の優位を確保すべく海上戦力の再編計画の立案に着手する。
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