日米戦争と原爆開発「ニ号研究」とは? わかりやすく解説

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日米戦争と原爆開発「ニ号研究」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 03:27 UTC 版)

仁科芳雄」の記事における「日米戦争と原爆開発「ニ号研究」」の解説

仁科は、米国科学技術進んでいることから日米開戦太平洋戦争)には反対していた。一方1938年昭和13年)にオットー・ハーンリーゼ・マイトナーらが原子核分裂発見し膨大なエネルギー得られることが判明原子爆弾理論的可能性浮上しつつあった。 仁科は、19391940年八酸化三ウラン天然ウラン)に高速中性子照射してウラン237発見したことで93元素であるネプツニウム237ができていることを示し、またルテニウムRu)、ロジウムRh)、パラジウムPd)、銀(Ag)、カドミウムCd)、インジウム(In)、スズSn)の7元素生成物によって対称核分裂発見した。なお、ネプツニウム237は、核兵器爆発によって生成されることが知られている。 1940年昭和15年4月安田武雄陸軍航空技術研究所長は、雑誌など紹介されている核分裂注目陸軍航空本部付き鈴木辰三郎中佐ウラン用いた新型爆弾開発研究命令した鈴木中佐東京帝国大学嵯峨根遼吉教授指導の下に1940年10月報告書安田中将提出した安田中将東京理化学研究所大河内所長秘密裏研究依頼して大河内仁科研究所研究課題託した。このことにより1941年春頃、仁科研究所原子爆弾理論的可能性の検討入った1942年海軍技術研究所でも原爆研究原子核物理応用研究)が始められ時に仁科長岡半太郎と共に理研の代表で参加したが、仁科陸軍依頼されていたので積極的に発言をしなかった。 1942年12月8日開戦記念日に、仁科理研宇宙線研究グループにいた竹内研究員原子爆弾研究誘った1943年2月28日竹内研究員数値計算報告書提出して理論実現に近づいた。海軍原子爆弾研究解散したが、アメリカで原子爆弾開発マンハッタン計画」が始まった翌年1943年昭和18年5月頃、仁科研究所ウラン分離によって原子爆弾作れ可能性報告書によって軍に提示する陸軍はこの報告飛びついて、陸軍航空本部直轄で、研究続行させる。 仁科は、若く優秀な科学者集めるために、陸軍より召集解除特権得て木越邦彦六弗化ウラン製造)、玉木英彦ウラン235臨界量計算)、竹内柾(熱拡散法によるウラン235分離装置開発)などの研究員集めたこの年から理研仁科研究室中心になって原子爆弾の開発おこなわれることになった。この開発は、仁科の「に」から「ニ号研究」と呼ばれた。しかし結局1945年昭和20年)のアメリカ軍空襲日本本土爆撃)によって設備焼失し日本原爆開発潰えることになる。またサイクロトロンは、戦争のために活躍する事なく(日本の原子爆弾開発参照)、連合国軍最高司令官総司令部GHQ/SCAP)によって11月サイクロトロン東京湾投棄された。 同年8月6日アメリカ軍によって広島市に「新型爆弾」が投下されると、8月8日政府調査団一員として現地被害調査し、レントゲンフィルムが感光していることなどから原子爆弾であると断定政府報告した。この調査ノートは「仁科ノート」と通称される。引き続き8月14日には8月9日に2発目の原爆投下され長崎でも現地調査実施し原爆であることを確認している。また、終戦の日8月15日ラジオ放送において原子爆弾解説をおこなっている。

※この「日米戦争と原爆開発「ニ号研究」」の解説は、「仁科芳雄」の解説の一部です。
「日米戦争と原爆開発「ニ号研究」」を含む「仁科芳雄」の記事については、「仁科芳雄」の概要を参照ください。

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