施政権の分離とは? わかりやすく解説

施政権の分離

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 15:21 UTC 版)

大島大誓言」の記事における「施政権の分離」の解説

日本の降伏後、GHQ連合国軍最高司令部)は1945年9月2日付の指令第1号で、「日本国委任統治諸島小笠原諸島及他の太平洋諸島」については米海軍太平洋艦隊司令官(CINCPAC)の管轄下に、日本本土とこれに隣接する小島琉球諸島南朝鮮フィリピンについてはGHQ管轄下に置くことを命令している。同月20日には、グアム基地駐留していたCINCPACの部隊大島の波浮港偵察のため来航した南の島々を制圧してきたCINCPACにとっては、小笠原諸島本土との間に連なる伊豆諸島は「太平洋諸島」の延長上にあるものと認識されたらしく、GHQもそれを黙認するように、CINCPAC上陸3日前に日本陸軍上陸事前通告送っている。この上陸後も、島の行政機能東京都出先機関である大島支庁と各担っていた。 1946年1月29日GHQ指令した若干の外かく地域政治行政上及び行政上日本から分離することに関する覚書」(SCAPPIN-677)では、日本施政権停止範囲を以下のように定義した日本範囲から除かれる地域として (a)欝陵島竹島済州島。(b)北緯30以南琉球南西列島口之島を含む)、伊豆南方小笠原硫黄群島、及び大東群島沖ノ鳥島南鳥島中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋諸島(c)千島列島歯舞群島水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。 この情報伝わった伊豆諸島の各では、施政権除外範囲中に伊豆南方」という文言含まれていることを受けて騒然となった。折から物資不足によって窮乏にあえぐ伊豆大島にも、この知らせ追い打ちをかけるものであった混乱に際して当時島内6ヶ村長らによる会議持たれているが、この会議出席した立木猛治は『伊豆大島志考』の中で次のように記している。 こともあろうに東京都伊豆大島は、一朝にして日本国帰属から分離して祖国を喪ってしまったのである。(…)当時大島では取り敢えず支庁長を初め村長が、今や外国となった日本政府東京都庁連絡取り元村では各層各階代表者召集し役場楼上一世大会議を開いた不肖もその末席にあったのでその記憶によれば参会はいずれ沈痛の想を心中秘め、拳で涙を押し拭い乍ら数時間にわたり真剣に熟議遂げた準備委員によって作成された諸件の原案柳瀬村長から説明があり、会議はこれを諒としたのであるが、要は大島の独立目ざし憲法制定しようというのであったから、ことはなかなか重大である。 具体的な経過としてはまず、1月30日または31日当時伊豆大島6ヶによる村長会、2月1日には大島支庁金融機関等含めた合同協議会開かれ、島の民主的自治島民生活の安定世界平和寄与する政治団体創設向けた申し合わせなされた2月7日に、大島議会議員選挙にかかわる準備委員選定会議開かれている。 2月21日大島駐屯隊長ライト大尉から元村現在の大島町元町村長柳瀬善之助に対し日本からの行政分離と、軍は当面の間行政機関置かず監督のみ行う旨の通達があった。これを受けて2月末には6ヶ村長会合3月1日には合同協議会再度開かれた3月3日準備委員会議により各から選出され準備委員集まり、「大島自治会議」による協議進められる運びとなっている。暫定憲法案はこの3月のどこかで発せられたものと見られる。 これと並行する形で、柳瀬立法行政府にあたる「最高政会議」、司法府相当する自治運営協議会」などの素案作成着手している。2月25日には、柳瀬以下5名を幹部とする「大島島民会(仮称)」が設立され設立趣意書とともに大島島民会規約(案)」が提出された。23からなるこの規約は、おおむね大島共和国樹立素案と言ってよいものであった島民会は2月27日28日会議重ねられ選挙民・非選挙資格委員定数などの原案策定されている。暫定憲法最終案は、この原案をもとに成立したものと思われる

※この「施政権の分離」の解説は、「大島大誓言」の解説の一部です。
「施政権の分離」を含む「大島大誓言」の記事については、「大島大誓言」の概要を参照ください。

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