新笹子トンネルの建設とは? わかりやすく解説

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新笹子トンネルの建設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:41 UTC 版)

笹子トンネル (中央本線)」の記事における「新笹子トンネルの建設」の解説

笹子トンネル開通以来60年以上にわたり単線列車往来供されてきたが、輸送需要の増加に伴い線路容量限界達していた。このため国鉄では第2次5か年計画に基づき高尾 - 甲府間の複線化決定し最大難工事である笹子峠についても1961年昭和36年)から調査開始し1963年昭和38年12月新笹子トンネル着工された。起工式1964年昭和39年1月20日行われている。 新笹子トンネルは、既設笹子トンネル対し北東へ約25 m離れた位置建設された。当初全長4,665 mと計画されていたが、東京方の坑口での国道20号との交差都合5 m東京方にトンネル延長したため最終的に総延長4,670 mとなった東京方を第1工区とし大林組が、名古屋方を第2工区として間組請け負った当初第1工区2,110 m、第2工区2,255 mを契約して中間300 mの未契約区間残し進捗状況見極めて契約する方針とし、結果的に進捗状況はほぼ同じであったためトンネル頂点となる地点工区分けることになり、第1工区2,292 m、第2工区2,378 mとして施工された。坑口標高東京方623.5 m、名古屋方623.1 mで、双方とも5パーミル拝み勾配頂点635 mとしている。断面単線1号形(側壁直)で、幅4.76 m、レール面上高さ5.1 mとなっている。なお、笹子トンネル建設の際に将来複線化考慮して複数箇所工事着手できるようにトンネル内から側方マンホール40 mおきに設置してあったが、列車本数増大によりこうしたマンホール生かした工事実際には採られなかった。 第1工区では、当時本来は貨物扱いをしていなかった笹子駅臨時セメントのみの異例扱いとして搬入し既設線、国道20号笹子川挟まれ新トンネル坑口付近狭隘な場所にセメントプラント、充電場修理工場等を設置した坑口から100 mほどの範囲地質上の理由から導坑先に掘削してから後で断面切り広げる底設導坑先進上部断面工法を採った。これに対して100 mほど先から笹子峠主な岩質である粘板岩つきあたり、全断面掘削開始した。レッグジャンボーを用いて穿孔し、ダイナマイト発破行ってずりだし行い支保工立てるというサイクル繰り返し工事進められた。既設線との間隔問題から装薬量は60 kg以下とする制約受けた既設トンネルがあるため湧水量は少ないと予想されていたが、実際に予想上回り最大200リットル/分の湧水があり、穿孔装薬作業悩まされた。最大日進は14.0 m、月間高進行は299 mを記録したその後覆工コンクリート施工行い国道20号交差する部分については一時的に道路付け替え行って対応した第2工区では初鹿野駅(現:甲斐大和駅)の貨物扱い利用して搬入行い国道から坑口までの標高差があったことから約250 mの工事道路仮設して取り付いた第1工区同様に当初50 mほどの区間を底設導坑先進上部断面工法工事した後は全断面工法とした。工事順調に進められ1965年昭和40年1月11日には日進16.1 mの掘削記録達成している。1965年昭和40年3月18日貫通した最終的に掘削土砂の量は135,330立方メートル覆工コンクリート21,990立方メートル総工費は約7億6000万円であった工事間中死者はなく、笹子トンネル着工から覆工巻き立て完了まで6年かけたのに対し新笹子トンネル1年5か月完了と、この間トンネル工事技術の進歩示した1966年昭和41年12月12日供用開始となり、既設笹子トンネル下り線新笹子トンネル上り線となった複線化工事並行してトンネル周辺部線形改良などが行われ、笹子駅スイッチバック25パーミル勾配本線上に島式ホーム設置することで廃止された。 笹子峠を貫く各トンネル位置関係示した甲斐大和駅付近西口)の空中写真黒色ライン中央本線青色ライン中央道オレンジ色ライン国道20号トンネル部はすべて赤色ライン示した国土交通省 国土地理院 地図空中写真閲覧サービス空中写真を基に作成1975年撮影笹子峠を貫く各トンネル位置関係示した笹子駅付近東口)の空中写真黒色ライン中央本線青色ライン中央道オレンジ色ライン国道20号トンネル部はすべて赤色ライン示した国土交通省 国土地理院 地図空中写真閲覧サービス空中写真を基に作成1975年撮影

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