新管理方式 (NMP)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 09:09 UTC 版)
「国際捕鯨委員会」の記事における「新管理方式 (NMP)」の解説
BWU規制の失敗を受け、1974年に採択されたのが「新管理方式 (New Management Procedure: NMP)」という捕獲規制方式である。これは、水産資源学における最大持続生産量 (Maximum Sustainable Yield: MSY) 理論を取り入れた方式で、資源量増加が最大となる資源水準 (MSY Level: MSYL) を資源管理の指標とするものである。MSYLについて、NMPの場合では初期資源量の60%と設定された。NMPでは資源を (1) 資源がまだ初期の状態にあってMSYの90%まで捕獲が可能とされる初期管理資源(MSYLを60%と設定したNMPの場合、初期資源量の72%以上)、 (2) 資源がMSYレベル付近(同じくMSYLを60%とした場合、初期資源量の54-72%)にあり、0からMSYの90%まで資源量に応じて捕獲枠が設定される維持管理資源、 (3) このレベルを割り込んでいる保護資源(同じくMSYLを60%とした場合、初期資源量の54%以下)に3分類し、保護資源については一切の捕獲を認めないとされる。この分類に基き、鯨種毎・海域毎に捕獲枠が設定され、ナガスクジラやイワシクジラなどが相次いで捕獲禁止措置が取られるなど一定の成果を収めた。しかし、南極海での本格的な商業的捕獲が70年代まで行われなかったミンククジラなどについては、資源量算定の基礎とする科学的データの不足が指摘され、捕獲枠の算定が不可能な事態に立ち至った。反捕鯨諸国はこうした科学的不確実性等を理由とし、商業捕鯨モラトリアムを提案、多数決により可決した。
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