商業捕鯨捕獲枠の算定とは? わかりやすく解説

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商業捕鯨捕獲枠の算定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 09:09 UTC 版)

国際捕鯨委員会」の記事における「商業捕鯨捕獲枠の算定」の解説

シロナガスクジラ単位 (BWU) IWC設立当時における最大捕鯨漁場南極海であり、IWCはこの海域での総捕獲枠について、1971/72年漁期まで「シロナガスクジラ単位(Blue Whale Unit: BWU)」という基準規制行っていた。これは、シロナガスクジラ1頭を1BWUとし、1頭あたりの鯨油生産量基準ナガスクジラは2頭、ザトウクジラ2.5頭、イワシクジラは6頭を、それぞれ1BWUと換算するというもので、もともとはIWC以前1932年鯨油生産調整目的用いられ始めた。しかし当初設定され捕獲枠16,000BWUは高き失し、また種別規制なされない極めて大雑把な方式であったことから、シロナガスクジラザトウクジラ激減を防ぐに無力であった新管理方式 (NMP) BWU規制失敗を受け、1974年採択されたのが「新管理方式 (New Management Procedure: NMP)」という捕獲規制方式である。これは、水産資源学における最大持続生産量 (Maximum Sustainable Yield: MSY) 理論取り入れた方式で、資源量増加最大となる資源水準 (MSY Level: MSYL) を資源管理指標とするものである。MSYLについて、NMP場合では初期資源量60%と設定された。NMPでは資源を (1) 資源がまだ初期の状態にあってMSY90%まで捕獲が可能とされる初期管理資源(MSYLを60%と設定したNMP場合初期資源量72%以上)、 (2) 資源MSYレベル付近同じくMSYLを60%とした場合初期資源量の54-72%)にあり、0からMSY90%まで資源量に応じて捕獲枠設定される維持管理資源(3) このレベル割り込んでいる保護資源同じくMSYLを60%とした場合初期資源量54%以下)に3分類し保護資源については一切捕獲認めないとされるこの分類に基き、種毎・海域毎に捕獲枠設定されナガスクジライワシクジラなどが相次いで捕獲禁止措置取られるなど一定の成果収めた。しかし、南極海での本格的な商業的捕獲70年代まで行われなかったミンククジラなどについては、資源量算定基礎とする科学的データの不足が指摘され捕獲枠算定不可能な事態立ち至った反捕鯨諸国はこうした科学的不確実性等を理由とし、商業捕鯨モラトリアム提案多数決により可決した改訂管理方式 (RMP) NMP失敗モラトリアム採択を受け、IWC科学委員会により策定されたのが「改定管理方式 (Revised Management Procedure)」と呼ばれる方式である。NMP初期資源量自然死亡率などの科学的データの不足により捕獲枠算定ができなくなってしまったことから、RMPはこうした科学的不確実性があることを所与のものとして、できる限り少な科学的データをもとに、資源保護資する捕獲枠算定が行われる方式構築された。このためRMP捕獲枠算定を行うため用いられる捕獲限度アルゴリズム (Catch Limit Algorithm: CLA) では、 (1) 目視調査による推定資源量と (2) 過去捕獲統計のみで足りる。いくつかの方式CLA候補として検討された後に、科学委員会はジャスティン・クック博士方式採用 (PDF) 、RMP1994年IWCにおいて正式に採択された。北西太平洋ミンククジラについてはすでに適用試験終了しており、最も妥当性が高い系群構造仮説では、平均150程度最小63頭、最大311頭)の商業捕獲枠算出されたことが2003年年次会合報告された。ニタリクジラについても2005年から適用試験進行中である。また、ノルウェー独自にRMP適用して自国商業捕獲枠算出している(ノルウェー漁業沿岸問題ウェブサイト)。

※この「商業捕鯨捕獲枠の算定」の解説は、「国際捕鯨委員会」の解説の一部です。
「商業捕鯨捕獲枠の算定」を含む「国際捕鯨委員会」の記事については、「国際捕鯨委員会」の概要を参照ください。

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