新十両・新入幕
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7月場所は関取70人のうちただ1人の埼玉出身者として土俵に上がり、8勝7敗の勝ち越し。2015年5月場所は直前の春巡業で精力的に稽古をこなしたためか好調であり、場所を10勝5敗の好成績で終えた。2015年9月場所新入幕。そこから2場所連続負け越しで2016年1月場所に十両に戻るも、3月場所に再入幕して10勝5敗の2桁勝利で幕内において初の勝ち越しを得た。なお、3月場所の14日目には安美錦が膝の不調により一門の横綱日馬富士の土俵入りの従者を務められなくなったため、代役として露払いを務めた。自己最高位を西前頭9枚目まで更新した5月場所は6勝9敗と負け越し、続く7月場所とその次の9月場所も不調であり連続で5勝10敗の2桁黒星。11月場所は1月場所以来となる十両での土俵となった。十両4枚目の地位で千秋楽に勝ち越しを決め、8勝7敗の成績だったが、幕内復帰はならなかった。 2017年1月場所は西十両2枚目で迎えた。初日から2連敗するが、そこから8連勝。10日目終了時点で德勝龍と並び2敗で優勝争いのトップに立つが、11日目にその德勝龍に敗れ、3敗に後退。しかし12日目に德勝龍が敗れ、大栄翔が勝ったため、この時点で3敗で大栄翔、宇良、德勝龍が優勝争いで並んだ。14日目には優勝争いトップ組の中で德勝龍のみ敗れ、千秋楽では大栄翔の取り組みの前に德勝龍が勝ち、宇良が負けたため、勝てば単独優勝、負ければ三つ巴での優勝決定戦となる場面だったが、誉富士に勝利し、12勝3敗の成績で十両優勝を果たし、3月場所で幕内に復帰した。2017年3月場所前に行われた座談会では甲山(元幕内・大碇)から「大栄翔は体重を意識的にかなり落としたらしい。今までは体が重すぎて自分の動きが出来なかったみたい。体重を落としたことで動きが戻って、逆に馬力もついてきたというか」と1月場所の好調について解説された。その3月場所では中日からの8連勝もあって11勝4敗の好成績だった。4月21日の春巡業水戸場所では横綱・鶴竜と13番に渡って三番稽古を行った。しかしデイリースポーツには「稽古をしていないよね。突っ張って自分の相撲を取ればいいのに。自分を試す場所と思うのに。気を使っているのか…。若手の全員じゃないけど、パッと力を抜いたりとか。パパっとやられておけばいいと思っているのかな」と鶴竜がぼやく様子が伝えられている。5月場所は初の上位総当たり戦であったが、十分な稽古を積んでいなかったためか、中日負け越しを喫したばかりか三役以上からは白星を得ることができず、4勝11敗と上位の壁に跳ね返された。西の7枚目で迎えた7月場所も9日目から6連敗を喫するなどで5勝10敗に終わり、二場所連続での二桁の黒星となった。東の11枚目で迎えた9月場所は7日目を終えた時点で6勝1敗と好調だったが、中日以降星を落とし、8勝7敗と1つの勝ち越しに留まった。7日目の取組を終えて大栄翔は「優勝争いの意識は無いです。早く番付を戻して上位でやりたいです」と意欲を見せていた。10月15日の秋巡業京都場所では三番稽古で阿武咲を圧倒し、4連勝する場面もあって(最終的な番数は不明)、充実した稽古をしていた。24日に行われた岡山場所の朝稽古では鶴竜の指名を受けて三番稽古。必死に得意の押し相撲で挑んだが計10番で1度も勝てなかった。のど輪から押し出されたり、前まわしを引かれたりして、ほとんど勝機はなく「横綱は離れても組んでも強いです」と脱帽した。それでも、22日の同巡業大阪場所でも照ノ富士に指名されて15番取って3勝をもぎとるなど、上位陣から一目置かれる存在になりつつあった。 2018年1月場所は自己最速の10日目での給金相撲を達成した。一時は報道陣が殺到し、埼玉栄高の後輩でこの場所新小結の貴景勝から「たくさんの記者に囲まれるのはいつ以来?」とツッコミを入れられた際には「(十両優勝した)去年の初場所以来だ! 目立って悪いか」と威勢よく返した。しかしそれ以降は白星に見放され、最終的な成績は9勝6敗に終わった。3月場所は5枚上昇の西前頭8枚目とやや番付運に恵まれた。9月場所は場所中に「場所前の稽古に手応えを感じた」と趣旨の談話を行うなど本人としては好調のつもりであった が、10日目までは4勝6敗と黒星先行。しかし残りの相撲は14日目以外すべて勝ち、8勝7敗と勝ち越し。2019年9月場所は東前頭3枚目の地位で土俵に上がったが11日目に7敗目を喫して負け越しまで後が無くなった。しかし残りを4連勝して8勝7敗と勝ち越しを決めた。11月場所は2日目に横綱・白鵬に初めて勝ち、先場所の鶴竜戦に続いて2場所連続で金星を獲得し、5日目の栃ノ心戦の不戦勝という幸運もあって場所を8勝7敗で終え、翌年の2020年1月場所での新三役を確実にした。この金星かつ優勝した白鵬へ付けたこの場所唯一の黒星が評価されて自身初の殊勲賞を受賞した。冬巡業は初日の12月1日から参加していたが、4日の人吉場所を待たずに「溶連菌感染症」により途中休場。帰京後は4日間安静に努め、8日から埼玉・草加市の部屋でまわしを締めて稽古を再開させたという。「(溶連菌には)初めて感染した。病気に気をつけようと思った」と話した。 2019年12月24日の2020年1月場所番付発表で正式に西小結の地位に就いた。新三役会見で本人は「自分の中で今年の目標だったのでうれしい」と、感慨深く話し、2019年に「新三役」「初金星」「初三賞」という3つの目標を全て達成したことに関して「今年1年で全部かなってうれしい。言ったからには達成しないといけないと思っていた」と語った。
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