文明の特徴とは? わかりやすく解説

文明の特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 12:29 UTC 版)

文明」の記事における「文明の特徴」の解説

西欧語の "civilization"(英語)などの語源は、ラテン語「都市」「国家」意味するキウィタスcivitas)に由来するローマ時代文明とは、字義通り都市化都市生活のことであった文明要素 マルクス主義考古学者ゴードン・チャイルド1892年-1957年)の定義では、文明非文明の区別をする指標として次のものを挙げている。 効果的な食料生産 大きな人口 職業階級分化 都市 冶金文字 記念碑的公共建造物ピラミッドなど) 合理科学発達 支配的な芸術様式 上記の定義は、ひとつの連続する過程として説明することができる。まず農耕開始され効果的な食料生産によって農耕民たちは大きな人口抱えるようになる。またこれによって大きな余剰農産物生まれ、その富を元にして農業以外を生業とするスペシャリスト生まれ多様な職業従事する人々が生まれる。同時に食糧生産をより効率的にするためには灌漑施設建設などの土木作業不可欠であり、これを可能にするために社会組織化推進されるこうした事業はしばし豊穣などを神に祈るための信仰結びつき食糧余剰管理しより増産進めるための機構として神官団が生まれる。また、食糧生産過程で富の偏在生まれ富裕なものは他者対し優位に立つようになる。 この2つシステム結合し、こうして政府階級生まれる。上層階級のものはその村落のみならずやがて周囲村落にも影響を及ぼすようになり、一つまとまった支配圏が誕生する。こうしてより富が集積されるようになり、さらに増えた人々スペシャリストたち、そして支配階級のものがまとまって居住する支配交易拠点いわゆる都市誕生する支配層統治の必要から社会システム発展させていく中で、文字記念碑的公共建造物芸術様式発達させていき、一つ文明成立することになる。ただし上記指標はすべてそろってなければならないわけではなく、たとえばアンデス文明は文字を持たなかったし、アンデス文明およびアステカマヤといったメソアメリカ文明においては冶金術も鉄器レベルまでには達していなかった。 チャイルドの定義以外に、すべての文明共通するものとして次がある。 小麦コメトウモロコシといった穀物栽培は、その貯蔵しやすさ大量に収穫できることなどから、多く文明基盤となるものだったまた、ほとんどの文明においては家畜化された動物一種類ないし数種類存在し食糧供給源、動力移動手段として大きな役割果たした広範囲貿易文明以前から、世界各地において広範囲交易ネットワーク成立しているが、文明成立とともにこれはより大規模なものとなっていた。シュメールでは、国家管理された貿易商集団設置されていた。 単一定住比べてより広域地域にまたがる組織民族文明機構 チャイルド文明構成する要素注目したが、機構注目すれば以下の定義により、政府ネットワーク浮かび上がる大きな人口維持するには効果的な食料生産食料分配制度分業階層化可能にする中心機構持った政治システムが必要で、「文明とは国家という政治システムを持つ社会と言う定義。 いろいろな文化サブ・システム包含する広域ネットワークとして、広い範囲普遍的に広がり大規模で高度な組織制度統合なされていると言う定義。

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