文明の使命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/24 16:38 UTC 版)
ルナンはフランスの植民地主義による侵略を、劣った人種を文明の域に引き上げる『文明の使命』として正当化し、普仏戦争の翌年である1871年に書いた『知的道徳的改革』において、優秀な西洋人種が黒人や中国人やアラブ人の「劣った人種」や「退化した人種」を征服し搾取するのは当然であると述べている。ルナンは『知的道徳的改革』の中でこう述べている。 「 優秀な人種が、劣等なあるいは退化した人種の向上をはかることは、人類にとって、神の摂理に叶った事業である。我が大陸の住民は身分の低い庶民も、ほとんどつねに没落貴族といえる。彼は労働よりは戦いを選ぶ。すなわち、世界を征服することが我々の使命なのである。 」 マルティニーク出身の黒人詩人エメ・セゼールは『植民地主義論』(1955年)のなかでルナンを厳しく批判している。エドワード・サイードは、ルナンの学説を初期のオリエンタリズムとしている。
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