文明と野蛮・未開とは? わかりやすく解説

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文明と野蛮・未開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 12:29 UTC 版)

文明」の記事における「文明と野蛮・未開」の解説

伝統的に文明野蛮未開対置されてきた。ここには、高い文化を持つ文明の光と、その光が届かない野蛮未開闇という世界像がある。都市生活素晴らしさや、野蛮未開劣等性を知識人たちが疑わなかった時代には、文明とは何かという理論的問題発生しなかった。しかしそこが疑われるうになると、自民族・自文化中心主義をとりはらった文明の定義が求められるようになった20世紀前半まで圧倒的に主流占めたのは、劣った野蛮に対す優れた文明という見方文明定義するのである歴史社会発展段階論結びつくと、野蛮未開とも呼ばれる。この見方は、ギリシャローマ西欧ローマ人蛮族)に共通のものであり、また、中国中華思想朝鮮小中華思想華夷の別は王化浴するかどうか本国いわゆる中国)と周辺服属国(夷)、独立地域分けた。 これらの思想は自文明中心主義と結びついて周辺支配のためのイデオロギーとなった文明概念は、文明人は野蛮人より、文明国未開社会より、優れた道徳的規範持ち優れた道徳的実践行なう想定する文明は、人道的寛容で、合理的なもので、逆に野蛮は、非人道的で、残酷で、不合理なものとされた。文明側の自己讃美は、それが文明人の間の行動規制するために主張されときには道徳性強め働きをしたが、野蛮人未開人に対して主張されときには文明人による非人道的残酷な行為正当化することがしばしばあった。 しかし、同じ分類方法をとりながら、野蛮未開の方が逞しさ、自由、道徳性の点で優れている考える人々もいた。高貴な野蛮人という言葉要約できるこの考えは、ローマタキトゥスにその片鱗を見ることができ、後に西洋近代ロマン主義として一大流行になったとはいえ、この考え主流派対す異議申し立て地位越えた時代はない。 近代西欧における「歴史進歩」という考えは、未開から段階踏んで高度な文明達するという時間的区別と、文明的西欧、半未開あるいは半文明のアジア諸国未開その他地域という地理的区別とを重ね合わせた。啓蒙主義の時代には、文明野蛮征服し教化するものであり、またそうすべきである考え、また対外的な侵略支配正当化した帝国主義)。19世紀には進化論大きな役割果たし社会進化論生み出して文明野蛮について説明するようになった。本来「進化」には下等から高等一直線段階を経るといった意味はなく、また進化しなかったものが即劣っているというわけではなくそれぞれの環境においてどのように適応出来たかというのを考察するものであった日本中国などは、近代化にあたって文明未開二分法そのまま文明内容西洋文明置き換えた明治日本では文明開化」とよばれた近代以後におけるドイツになどにおいては内面的精神的な文化に対して外在的物質的なものを指して文明」と捉える考え方広がった

※この「文明と野蛮・未開」の解説は、「文明」の解説の一部です。
「文明と野蛮・未開」を含む「文明」の記事については、「文明」の概要を参照ください。

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